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RICHARD WRIGHTの俳句(22)

■旧暦6月28日、金曜日、

今日は、一日寝ていた。どうにも眠たくて、寝たいだけ寝ないと、仕事をやる気にならない。とことん寝てみたら、起きたのは夕方の4時だった。

『尾崎放哉句集』(池内紀編 岩波文庫)を読んだ。放哉、山頭火という系譜は、碧梧桐、井泉水から始まる自由律俳句を源泉にしているが(精神的には一茶あたりが源泉かもしれない)、どうも、俳句がペラペラに薄くてコピーみたいで、正直、今ひとつだな、と感じてきた。しかし、リチャード・ライトのHAIKUを訳出する作業を経て、もう一度、放哉に戻ると、これが実に生き生きした一行詩に見えてくる。たとえば、


墓より墓へ鴉が黙つて飛びうつれり



漁師の太い声と夕日まんまろ



犬がのびあがる砂山のさきの海



灯をともし来る女の瞳



■この『尾崎放哉句集』は、池内さんの解説もよくまとまっていて、放哉の全体像がよくわかる。なにより、選句がいいと思う。



(Original Haiku)
With a twitching nose
A dog reads a telegram
On a wet tree trunk.


(Japanese version)
犬が鼻ピクピク
湿った幹に
電報を読んでいる


■今、思いついたんだが、ライトのハイクに、放哉、山頭火などの自由律俳句をぶつけてみると面白いんじゃないか。このとき、ぼくの日本語も同時に試されることになる。今回は、どうでしょうか。うーん、放哉に軍配が上がるかな。
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