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一字一書(6):和光同塵













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一字一書(5):百花春至







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一字一書(5)






★光は、火と人(儿)を組み合わせた形。儿は人を横から見た形で、古い字形では跪いている人である。頭上に大きな火の光をかき、火を強調して見せている字である。古代の人々にとって火は神聖なものであったから、火を守って神に仕える人がいた。光はそのような火を扱う聖職者を指す。のち火の「ひかり」そのものを光といい、光を出して美しく見えることから「かがやく」の意味となった。その意味を人の上に移して光栄(ほまれ)・光烈(立派ないさお)という。白川静『常用自解』





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一字一書(4):愛(左手による)







愛の字の擦れて太し梅の花



※ この字ほど、人間にとって大切で実行するのが難しい字はないだろう。

白川静の常用字解は、たいへん、面白いことを言っている。

「会意。あい(漢字が出ない)と心を組み合わせた形。後ろを顧みてたたずむ人の形であるあいの胸あたりに、心臓の形である心を加えた形。立ち去ろうとして後ろに心がひかれる人の姿であり、その心情を愛といい、「いつくしむ」の意味となる。国語では「かなし」とよみ、後ろの人に心を残す、心にかかることをいう。」

愛は、立ち去るときにはじめて、現れる心情であり、必ずしも、人間だけがその対象ではないと思う、故郷や、モノ、自然なども入るだろうと思う。愛は、捨てる、立ち去る、そのときになってはじめてはっきりわかる。日本人の行く秋などの季節を惜しむ心情も、愛の典型的なものだろう。

愛の起源は、立ち去るときに心が残ることを言うから、対象や人と心がつながっていることを言うのだろうと思う。手本の中で、このイメージに近いのは、李白の書いた「愛」だった。現代では、そのつながり方は、かすかになっている。意外にも、代表的な手本である王義之や顔真卿には、「愛」の文字はない。愛は、きらびやかものではなく、ひっそりと、個人的で、不器用で、トンチンカン―そんなイメージがある。書きなれている右手ではなく、左手で書くことで、この「個人的」なイメージを出せないか、と考えた。









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一字一書(3):一花聖心







※ single flower has a sensible mind.





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一字一書(2):聖







★ 会意。もとの字は聖(王は壬)に作り、耳と口と壬(てい)とを組み合わせた形。壬(てい)はつま先で立つ人を横から見た形。口はさいで、神への祈りの文である祝詞を入れる器の形。壬(てい)の上に、大きな耳の形をかいて、聞くという耳の働きを強調した形である。古代の人の耳には、かすかな音で示される神の声を聞く働きがあると考えたのである。祝詞を唱え、つま先だって神に祈り、神の声、神の啓示を聞くことのできる人を聖といい、聖職者の意味となる。神の声を聡く理解することを聡(さとい)といい、神の声を聞いて心に暁(さと)ることを聴という。もと聖職者の意味であった聖は、儒教によって最高の人格とされて「ひじり(知識・徳望の最もすぐれた人)」の意味となる。また、「さとい」の意味や天子の意味、天子に関して敬語としてそえる語として用いる。

出典:白川静著『常用字解』






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一字一書(1):俳







★基本、月末に、「一字一書」をアップします。今月は「俳」です。

★形声。音符は非。非に排(おす)、徘(さまよう)の音がある。非はすき櫛の形で両側に同じように細かい歯を刻んだ櫛の形である。「説文」に「戯るるなり」とある。それで二人並んで戯れ演じることを俳といい、「たわむれる、たわむれ、おどけ」の意味に用いる。滑稽な動作をして舞い歌うわざおき(役者)を俳優という。(白川静『常用字解』)

もと二人相戯れて演技する意。[荀子、王覇]に「俳優侏儒」というように、障害者たちが多くその役を演じた。それで遊戯することを俳といい、その人を俳優という。優は憂愁を原義とする字で、死者を葬るときその愁態を演じる者である。俳は俳諧で喜笑を主とし、優は悲劇を意味する字である。(白川静『字統』)

※ 非常にきょうみぶかい。障害者が演技の原初には関わっており、さらに、葬儀がその舞台だったらしいことがわかる。俳句は悲劇・喜劇の両面あるパフォーマンスが起源だったらしいことが示唆されている。身体とことばは一体だったのだろう。







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