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RICHARD WRIGHTの俳句(29)

■サイバーに行き詰まると、WrightやBalzerの俳句を考えている。座礁が多いから、結構、二人の翻訳が進むのである。皮肉というか、なんと言うか。



(Original Haiku)
A huge drift of snow
Blocks the narrow pathway to
The little toy shop.


(Japanese version)
雪が深くて
あの小さなおもちゃ屋に行く
小道が通れない


(放哉)
雪晴れの昼静かさを高く泣く児かな


■ライトの句は、よく子どもに買ってあげたおもちゃ屋なんだろう。大雪で道が通れない。残念な気持ちがあるように思う。子煩悩な父親の一面が見えたように思った。放哉の句は、雪晴れの静まり返った昼である。どこかで、高く赤子が泣いている。静けさが深まるように。放哉の雪の句は、これ以外にもある。たとえば、雪の戸をあけてしめた女の顔などという微妙な句もある。この顔は喜びに輝いたのか、落胆に沈んだのか。
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芭蕉の俳句(149)

■旧暦7月18日、木曜日、

6時起床。今日は子どもが伊豆に合宿に行くので、早く起きた。昨日は、朝一で句作をしたら、はかどったので、今日もサイバーに入る前に、一仕事してしまいたい。



菅沼亭
京にあきて此の木枯らしや冬住まひ
   (笈日記)


■元禄4年作。芭蕉は、「奥の細道」以降、京都周辺に2年も流寓して、今ようやく江戸に帰る途中にある。京都の生活に飽きて、木枯らしに田舎の生活の趣を感じ取っているところに惹かれた。季語は木枯らしで冬。楸邨によれば、「冬住まひ」は当時はまだ季語として現れない。ただ、京にあきたのは、芭蕉ではなく、菅沼亭主人、耕月という解釈もある。この句は、芭蕉の心境でもあり、主人耕月の心境でもあり、二人の気分が溶け合った中に挨拶の心が生きているのではないだろうか。
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