verse, prose, and translation
Delfini Workshop
芭蕉の俳句(216)
2009-01-30 / 俳句
(写真)梅
近くの日当たりのいい坂道に白梅が咲いた。何気なく写真を撮っていると、なんと、その横に、自生した夏蜜柑がたわわに実っているではないか。去年まで気がつかなかった。夏蜜柑は初夏に収穫されるから「夏」蜜柑なんだろう。今の時期に生っているのは、どういうことだろう。冬に生って初夏に収穫するんだろうか。初夏に採れるものとは別ものなんだろうか。とにかく、夏蜜柑好きとしては、取って食さねば気が済まない。枝から、あの大ぶりをもぎ取るのはなかなか、快感であった。食してみれば、非常に酸っぱい。しかも、水っぽい。全部食した。聞くところによると、鑑賞用だという説もある。食するものじゃないと? 酸っぱいのはいいが、水っぽいのはいただけない。もっと、野性的な味が欲しいところである! えばってどうする。今日は暖かいですな。
◇
旅懐
此の秋は何で年よる雲に鳥 (笈日記)
■元禄7年作。「雲に鳥」という措辞と上・中の組み合わせに圧倒される。今、この句を何回か読んでみたが、「何で年寄る」の部分は、関西のイントネーションでないと決まらない。これを関東風に読むと実感が籠らず間が抜けた感じになる。それにしても、こんな句を詠むなんて、空恐ろしいお人だ。
◇
Sound and Vision
Lunch Poems: Suji Kwock Kim
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ドイツ語の俳人たち:Udo Wenzel(5)
2009-01-27 / 俳句
(写真)水仙 今年は早いとか
家に籠って仕事をする気になれず、外を転々として仕事。さすがに、モスバーガーは飽きたな。
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Offener Himmel ...
am alten Rangierbahnhof
hohes Sommergras
大空
古い操車場は
夏草深く
■古い操車場の風情に惹かれた。廃棄電車が野ざらしだった足尾の駅を思い出した。「Offener Himmel ...」(大空)の「...」は、ある種の間だと思うが、広々とした空を見上げて、言葉を失った様子が出ているように感じた。
◇
Sound and Vision
Lunch Poems: Robert Hass
※)今後、このポエトリーリーディング・シリーズを貼り付けていく予定。興味のない方は、パスしてください。なんせ、30分、40分はざら。しかも全編英語。ぼくはと言えば、歌でも聴くように流している。酔狂をモットーとする本ブログならでは!
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Jack Kerouacの俳句(7)
2009-01-25 / 俳句
(写真)杖
今日は朝まで仕事してしまった。ビールを飲んだら、俄然、エンジンがかかってしまったのである。寝る前に、藤原カムイの『創世記』を読んでいるのだが、なかなか面白い。絵がとにかくいい。バベルの塔の箇所を読んで、ベンヤミンの純粋言語を思い出し、「翻訳者の使命」を読む。午後、手紙を一本書く。
◇
Winter―that
sparrow's nest
Still empty
冬 それは
まだ雀の巣が
空ということ
■冬を空の雀の巣一言で表現していて惹かれた。
◇
Sound and Vision
ガラスの動物園 町田康
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飴山實を読む(97)
2009-01-24 / 俳句
(写真)河の掃除
もう一月も下旬か。春からのスケジュールが徐々に決まってきたが、兼業も継続しなければならず、なかなかシビアなものになりそうだ。
◇
しのゝめの物のはじめは初雀 「花浴び」
■元日の明け方、はじめて形になって目に見えたものが初雀だったという。それだけを詠んでいるのだが、初雀という小さな命に愛着のようなものが感じられて惹かれた。
◇
Sound and Vision
Ivo Pogorelich Plays Haydn Piano Sonata No.46 3rd mvt. lo-fi
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蕪村の俳句(14)
2009-01-22 / 俳句
(写真)無題
今日は終日、冷たい雨だった。よく寝た! 久しぶりにゴルゴを読む。夜更かししてしまった。
◇
海のなき京おそろしやふくと汁 自筆句帖 明和五年
■蕪村も芭蕉も河豚の悪魔的な魅力を句に残している。この句は、「おそろしや」に惹かれた。当時に命がけで食べた河豚の魅惑を端的に表現している。今は、河豚料理は免許制だから、命がけで食うことはなくなったとある割烹のご主人に聞いたことがある。河豚汁というのは食したことがないので、いっぺん食してみたいものである。
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Sound and Vision
Elizabeth Alexander 'Praise Song for the Day'
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芭蕉の俳句(215)
2009-01-20 / 俳句
(写真)工場の閑散
終日、仕事。夕方、外出。仕事。モスに手袋を忘れた。家人急用のため夕食を作る。「二郎ラーメン」という店(チェーンらしい)は、いつも人が並んでいるが、旨いんだろうか。行列に並んで旨かったことはほとんどないのであるが。
オバマの大統領就任演説を聴いた。終始、一人だけ非常に厳しい顔だった。
◇
所思
此の道や行く人なしに秋の暮 (其便)
■元禄7年作。芭蕉の心境を詠んだものだが、道なき道を行く人々には広く訴えるものがあるのではなかろうか。
◇
Sound and Vision
Ivo Pogorelich Plays Haydn Piano Sonata No.46 2nd mvt. lo-fi
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ドイツ語の俳人たち:Udo Wenzel(4)
2009-01-19 / 俳句
(写真)ワン公のママたち
今日は、早春を感じさせるような太陽の光だった。2月一杯でサイバーの推敲を終了させるべく、現在、それに専念している。今日は、夕方から、出版元の皓星社へ行ってくる。久しぶりにF巻さんと会ってくる。居酒屋でいろいろ話したが、やはり、長い間、ハンセン病に実践的にかかわってきた人は、ものの見方が違うなあ、と感じる。実践の現場から、物事を発想し、思考していく。ぼくのように、本を相手に日々暮らしている人間は、下手をすれば、わかったつもりで通り過ぎてしまうところを、F巻さんは、立ち止まる。正確には、F巻さんを立ち止まらせる何かが現実の側にある。実に、勉強になるなあ、このあたりのまっとうな感性と人間的な感情。情報化の時代には、ますます、対面的コミュニケーションが重要になると思うのだった。
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Auf dem Bahnsteig:
in ihrer Sonnenbrille
spiegelt sich meine.
プラットホーム
彼女のサングラスに映った
わたしのサングラス
■プラットホームという言葉が生きていないように感じた。場所を一般的に説明するニュアンスがあるからだ。たとえば、Der Himmel von Köln(ケルンの大空)として、場所を具体化してみるとどうだろう。ケルン大聖堂の空が突き抜けるように見えてきて、面白いんじゃないだろうか。この句は、in ihrer Sonnenbrille /spiegelt sich meineという措辞に惹かれた。
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Sound and Vision
Ivo Pogorelich Plays Haydn Piano Sonata No.46 1st mvt. lo-fi
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Jack Kerouacの俳句(6)
2009-01-18 / 俳句
(写真)江戸川のバイク野郎
今日は、2時まで寝てしまった。飯を食ってから江戸川ウォーキングへ。曇りだったが意外と暖かい。走っている人が多かった。中に牛のかぶり物を被ったランナー二人がいた。牛歳にちなんだジョークなのだろうが、もう少し、気の利いた笑いはないのかねえ。旗に「いるよ!」と書かれていたのは、時代を象徴するとは思うが。今日は、白菜と豚肉ロースを挟んで煮込むシンプルな料理を覚えた。白菜を適当に切って、豚肉を間に挟み、ル・クルーズで煮込むだけである。味付けは、酒大匙一杯、コンソメ3個、水100cc。ポイントは、鍋いっぱいに白菜を入れること。
walking (40min: pulse 66/75: objective 117)
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The bird's still on top
of that tree,
High above the fog.
あの木の頂に
鳥がまだ
霧を見下ろして
■絵画的で惹かれた。景はしづまりかえっている。西欧世界ほど、活動的な世界はないと思うが、俳句には、しづまりかえったものが多いのではないだろうか。これは、19世紀の実証主義思想の影響がまだ強く及んでいるため、と言ったら飛躍しすぎだろうか。すべてを外的事物とする実証主義の。
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Sound and Vision
Richter & Vedernikov play Bartók: Sonata for 2 Pianos (4/4)
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飴山實を読む(96)
2009-01-17 / 俳句
(写真)黒猫
そろりと睡眠薬なしで入眠する訓練をしている。どうにか、できるようにはなったが、今度は、耳鳴りに悩まされる。睡眠薬は、耳鳴りを抑えていたことがわかる。あちらを立てればこちらが立たず、か。TCIを装着。午後から、掃除、買い物、仕事。石油がまだ1380円だ。
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雪吊の香にさそはれし豆腐茶屋 「花浴び」
■雪には香りがある。とくに、日本海側の湿った空気を含んだ雪の香りは独特だという。雪吊は、兼六園が有名なので、たぶん、兼六園の景だろう。松と雪の香りの入り混じった匂いがするのだろうか。それは不思議と食欲を刺激するのかもしれない。雪吊の香と豆腐茶屋の取り合わせに惹かれた。
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Sound and Vision
Richter & Vedernikov play Bartók: Sonata for 2 Pianos (3/4)
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