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RICHARD WRIGHTの俳句(25)

■旧暦7月8日、月曜日、

朝のうちは風があって涼しい。湿気もなくクーラー要らず。実家で、倉橋由美子の『怪奇短編集』をパラパラ読むが、結末の見える陳腐な話が多く、問題の深い掘り下げがない。作家ただ、面白く奇異な物語を書けばいいんじゃなく、それが何か大きな問題に触れていなければならないんじゃないか。その意味では、現代の作家はほとんどがマーケティングを前提に書くライターになり下がっているように感じる。今日は、午後からカイロ。



(Original HAIKU)
A horse is pissing
In the snow-covered courtyard
In the morning sun.


(Japanese version)
朝の光の中
雪の中庭で
馬が小便をしている



馬が一疋走つて行つた日暮れる
  放哉

■放哉の方が面白い。ライトの句では、「馬が小便をしている」を場所と時の副詞句で説明しているだけで「切れ」がない。そうした情景の面白さはあるが、放哉の句にある、ある種の衝撃はない。そういえば、ライトには「切れ」の発想がないように思う。
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