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古典的韻文を読む:神楽歌(3)

■旧暦3月3日、日曜日、だが、部屋の中はやけに寒い

(写真)働くおじさん

今日は、知事選に行く以外、何もせず。風邪で調子悪し。森田健作が当選確実のようだ。投票所に行くと、候補者名簿は全員無所属となっている。政治に関心のない無党派層は、政策ではなく、政党名・推薦団体ではなく、その場で、候補者の名前で投票することになる。「おれは男だ!」の森田健作は好きだったが、政治家の森田健作には、自民党とのつながりやいかがわしい複数の宗教団体との関係など、疑問符がいくつも付く。とくに、気になるのが、その思想の右翼的な色彩だ。右翼になるタイプには一つの共通点があるように思う。それは、強面のイメージとは裏腹に、己が確立できていないことだ(あるいはしようとしない)。だから、外部の支配イデオロギーに無反省に凭れかかる。道徳教育の推進という公約が、いかに短絡的で危険な解決策かまでは思い至らない。道徳教育にふさわしいのは、『大空襲詩集』のようなテキストを中学高校の副教材にすることだろう。ここには、「愛国心」という観念に対する愛ではなく、具体的な人間に対する愛・哀があふれている。




すべ神の 深山の杖と 山人の 千歳を祈り 切れる御杖ぞ


■あたりの自然に神が宿っていた気配が濃厚に感じられて惹かれた。

※小学館の日本古典文学全集「万葉集」と「神楽歌」を図書館で3回延長したら、一度、返却してまた、借りなければならないという。めんどくさくなったので、このテキストを使うのは止めた。代わりに、古本屋のラックで500円均一だった『日本古典文学大系 古代歌謡集』(岩波書店 1957年)を使用。



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Jack Kerouacの俳句(10)

■旧暦2月22日、木曜日、

(写真)花柊(と思うのだが、歳時記では11月)

午前中、叔母を病院へ。

午後から仕事。風呂の黴取り。雑用で外出。オーダーを受けてから豆を煎り上げる店を見つけて、初めてキリマンジェロを頼んでみた。夕刻、いつもの喫茶店で、パウル・ツェランの詩を検討する。夜、久しぶりに一人なので、夕食を作って、しばし、ぼーっとする。




Sunday―
 the sky is blue,
The flowers are red


日曜日 

 空は青く
花々は赤く


■何も言うことはないが、日曜日という音の響きの持っている幸福感が平凡な事柄で言い表せられていて惹かれた。なんとなく、ジャック・プレヴェールの詩のようでもある。しかし、日曜の幸福感は、少年時代の幸福感と深く結びついているように感じる。今となっては、日曜日もずいぶん色褪せてしまった。しかし、その幸福感を思い出すことはできる。



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韻文的古典を読む:神楽歌(2)

■旧暦2月2日、木曜日、

(写真)市役所のネギ。ネギ作りたいなあ!

終日、仕事。夕方、家人と待ち合わせて、オアゾに連れて行く。金もないのに、また洋書を買ってしまう。夜、冷たい雨。夕食時、奄美の焼酎を飲む。これは秀逸な一品だった。まったく悪酔いしない。F巻さん、Vielen Dank!




阿知女法(あちめのわざ)

本方<拍子取り音を出す> あちめ
 おおおお
末方<拍子取り音を出す> おけ
末方 あちめ
 おおおお
本方 おけ
本方 取合せ
 おおおお
末方 おけ

■なんだか、もの凄い。わけがわからないが、かつての現実。阿知女法は精霊や神を招き出す呪術。



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韻文的古典を読む:神楽歌(1)

■旧暦1月14日、日曜日、、北風

(写真)階段

朝から、仕事。帰宅して、昼食。疲れたので、ごろり。いい夢でも見るか。



庭火
深山には 霰降るらし 外山なる 真拆の葛 色づきにけり 色づきにけり


■深山と外山の対照が面白くて惹かれた。眼前の外山の紅葉の様子を見て、深山の様子を想像している。しかも、想像の現実的な媒介が後にくる韻文構造は、芭蕉の古池の句に似ている。拍数は5・7・5・7・7・7であり、最後に7を重ねる構造は、神楽独自なのだろうか。

「み」は接頭語で神霊の領する山、神秘な山。転じて「外山」に対する奥深い山。外山は人里に近い山。真拆の葛(まさきのかづら)は定家葛の古称。神事に用いたので、賛美して「まさき(真栄)」と称した。

神楽歌とは、広く神事や神前で奏せられる歌謡を称するが、狭くは平安時代の宮廷の神楽に用いられた歌謡をいう。宮廷のほかにも、貴族の神祭や諸社の祭祀にも神楽が行われたから、神楽歌の流行圏は宮廷に限らない広がりがあった。

※テキストは、基本的に臼田甚五郎校注・訳の「神楽歌」(『日本古典文学全集42巻』小学館 2000年)に依拠し、言葉の解説等もこれに準拠する。



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