1996年に鶴見線を最後に引退した後も、JR東日本東京総合車両センター(旧大井工場)に保管され続けたクモハ12053が、同様に保管されていたクモニ13007、クモヤ90801と共に先日解体されました。僚車クモハ12052はまだ手付かずらしいのがまだ救いですが、ただでさえ現存数が少ない戦前型省電の残党、私にとっても色々思い出のある電車だったので…カメラを持って学校帰りに直行したり、夕刻に乗った時の白熱灯の仄かな灯りは今でも忘れられません。
あと残る17m省電ですが、旧大船工保管のクモハ11248は同所閉鎖後消息不明、佐久間のクモハ12054と幡生のクモハ11117は危機的な状況にあるし、JR東海博物館に収蔵決定したクモハ12041以外は、台枠以外車体をほぼ新製の相鉄モニ2005、大雄山コデ165程度しかありません。
昨年南福岡のクモヤ740-2が解体され、残すところ2輌のみとなった63系オリジナル車体の一つだったクモヤ90801も同時に解体されたのは余りに残念です。20m4扉という通勤電車の基本フォーマットを確立し、極限設計への道を拓いたという意味では技術史的にも意義のあるものだったのですが。