かつて常磐沿線が、首都圏在住のローカル私鉄ファンにとってはお手軽な巡回コースであった頃。私が初めて訪問した頃には、鉾田線にはキハ42000の残党が、湊線にはステンレスのケハ601にキハ11、日立には東横キハ1や宇部の残党がいたのも昔語り…
湖畔に伸びる草生した線路の上を滑る旧型気動車、こんな穏やかな情景ももう戻って来ません。「少し」不便、「少し」不快、「少し」退屈…を撲滅する為に必死になった、果てしない欲望の代償は余りにも大きすぎないでしょうか。巷に溢れる大画面テレビに、どこに行っても寒い程良く効いている冷房、ファミリーカーは巨大なミニバン…「エコカー」「エコポイント」なんて言葉が欺瞞にしか聞こえません。電車も地下鉄じゃ無いのに昼間も室内灯を点けっ放し、通年空調使用を前提に設計なんて間違ってないでしょうか。
ローカル私鉄に続き、常磐線北部が二度と乗る事が出来なくなる様な、悲しい結末にはなって欲しくありません。
また穏やかな日々が戻って来る事を強く願い…