京都バス全面ダイヤ改正

2017年03月13日 02時01分31秒 | バス関係
京都市バスのダイヤ改正詳細が発表され、終焉間近のツーステップ車に注目が集まっているところ、京都バスでも全面ダイヤ改正(3月18日)の詳細が発表されました。
近年稀にみる大きな変更なので、とりあえず気になった点のみをピックアップします。


全体的には減便が目立ちますが、なかでも特筆すべきは「幻の路線バス」として知られていた95系統(大原→鞍馬、春分の日に片道一本のみ運行(2014年乗車時の記事はこちら、2015年はこちらへ))にほぼ並行する55系統が新設され、江文峠の免許維持区間が定期運行を再開するということ。55系統は大原から貴船口までを「毎日」3往復するそうです。

年1本しか走らないバス路線、なぜ存在? 背景にある「理由」とは(乗りものニュース)

こちらの記事によると「95系統も引き続き年1回運行」とあります。しかし、京都バスの新ダイヤでは記載がないことから(その他の庫系統はは記載アリ)、真相は春分の日まで分かりません。その他の出庫系統(高野車庫→一乗寺木ノ本町→大原高野車庫→下鴨中通→地下鉄北山駅)は年1便で存続する模様です。

追記(2017年3月23日):
95系統ですが、今年も無事に運行されたようです。(庫系統3路線も同様)


TVで取り上げられた際には「観光需要に備えて残している」と京都バスの公式見解が出ていましたが、まさに免許維持路線が日の目を見た格好となります。左京区の二大観光地である大原と貴船ですが、近年の外国人観光客の増加、そして最近では貴船神社のライトアップ等が話題になっていますから、おそらくはこれらの名所を回遊する需要があると判断されたのでしょう。


95系統との違いは貴船口止まりであるということ。あと一歩のところで「完全復活」とはならなかったのは、鞍馬へは52系統(国際会館駅~貴船口~鞍馬温泉)や叡山電車で代替できるのと、貴船口駅から神社を結ぶ33系統が今改正で増発されていることから、これの間合い運用と考えることも出来そうです(貴船口の操車スペースもそれほどキャパはなかったと思うので)。


また、55系統は大原から江文峠を越えて静原を経由しますが、出町柳駅と同地区を結ぶ34系統が昼間時間帯に減便されていることから、それの区間代替も兼ねているようです。今改正では静原→市原や小出石→大原などの区間便も新たに設定されていることから、観光需要の掘りおこしと運用の効率化を兼ねた運用が組まれることになりそうです。


ちなみに先代55系統は2012年まで松ヶ崎地域と四条河原町を結ぶ系統として存在していましたが、その後釜として左京区内を細々と循環していた56系統(出町柳駅→銀閣寺道→修学院道→左京区総合庁舎→出町柳駅)は今回いよいよ廃止へ。
以前からも段階的に縮小の動きはあり、時計回りの運行取り止め、土休日の運行取り止めを経て昨年4月には平日の朝3便にまで減少していました。
この廃止により、単独区間であった北山通の一部は新設される出庫系統(高野車庫→大原、土休日早朝1本のみ)が経路を変更し、松ヶ崎通については既存の入庫系統(国際会館→宝ヶ池球技場→高野車庫)が経路・時刻を変更して路線免許維持となるようです。後者についてはリンク先の記事でも取り上げましたが、折り返しとなる高野車庫発国際会館行きは運行休止となり、




昼間に狐坂を上る京都バスは見納めとなります。回送では頻繁に走っていますが、急カーブありトンネルありで短距離ながらも乗りごたえのある路線でした。

そして、京都市内で最も遅い路線バスとして長らく走ってきた入庫系統(岩倉村松→高野車庫、毎日運行)も廃止へ。


(写真は別の入庫系統、敷地外より撮影)
地下鉄に接続し、岩倉地域へと向かう深夜バスの入庫を兼ねていましたが、さすがに乗客もいないのか回送化されるようです(深夜バスは存続)。終点の高野車庫手前の赤の宮発車時刻は0:46でした。このほか、嵐山地域を含めると番号のない出入庫系統が大幅に数を減らすこととなります(反対に、昼間の京都駅発高野車庫行きなどは復活しています)。
しかし、市バスに新設されるMN204系統(烏丸北大路→錦林車庫前、地下鉄の終電延長日のみ運行)がその座を引き継ぐこととなり、こちらはなんと錦林車庫手前の浄土寺発車時刻が1:02。左京区の下鴨・高野・田中・北白川地域は鉄道駅から少し離れていますから、運行日が限られるもののそれなりに需要はありそうです。

その他の系統についても運転日や時刻変更が多数発生。たとえば烏丸通を走る45系統(岩倉村松→京都駅、片道のみ運行)は土休日3便から1便にまで減り、同じ免許維持路線でも大きく明暗が分かれることとなる今回のダイヤ改定ですが、実際に利用してみての発見も多々あると思います。市バスと比べて乗車のハードルが高いゆえに情報が少ないところもありますから、また時間を見つけて是非自分の足で乗りに行きたいものです。

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