行者餅を食べる

2016年07月26日 01時19分55秒 | 京都
祇園祭後祭山鉾巡行が終わり、京都もいよいよ夏本番の様相。
後祭で巡行する山鉾の一つに役行者(えんのぎょうじゃ)山がありますが、その山にちなんだお菓子が宵山限定で販売されています。


その名も「行者餅」。
年に一度、宵山(ただし前祭宵山なので16日)の日中のみの限定販売です。恥ずかしながらつい最近まで存在を知らなかったのですが、年に一度とくれば乗らない……いや、食べないわけにはいきません。(笑)

お店は東山安井にある柏家光貞さん。
疫病が流行した19世紀、当時の主人が山伏の修行中、夢枕に現れた役行者の命に従って作られたのが起源とされています。
役行者とは山伏の元祖であり呪術師、別名は役小角(えんのおづの)。ちょうど町田康の小説『人間小唄』には小角という人物が登場しますが、やはりどこか関係があるのでしょうか。滅茶苦茶で一貫性のないストーリーでありながら、如何ようにも解釈できるおもしろい作品です。

さて、お店の前ですが……


鉾町のある「街」からは離れているので人は少なかったものの、それでも30分ほど並びました。顔触れは、やはり毎年来ているのであろう常連さんや「通」の観光客らしき姿が目立ちます。


お店の前の立て看板。
来年からは当日販売のみに切り替えるようです。おそらく前日は大忙しなのでしょうね。注文をきいてお店の奥から運ばれてくる販売形式でしたが、その他にも季節のお菓子があり、見た目にも涼しげでした。

かくして行者餅を手に入れたわけですが、1枚目の写真の通り、行者の衣を模したクレープのような生地のなかに、求肥と、山椒の効いた白味噌餡が詰まり、ピリッとオトナ向けの味わいです。これが年に一度の販売というのですから毎年並ぶのも頷けます。良い厄落としになりました。

そして、先週木曜日は後祭宵宵宵山へ。




件の役行者山と、


以前アルバイトで曳かせてもらった黒主山を訪れました。後祭は山が中心で数は少ないですが、出店がないので落ち着いて回れますし、どの山もユニークで見応えがあります。人ごみが苦手な方は是非後祭の方へ。(笑)

奈良線の103系

2016年07月12日 00時40分10秒 | 鉄道関係
7月に入り、市内では祇園祭宵山、そして山鉾巡行へのムードが高まりつつあります。
既に陽射しは夏の様相を呈していますが、梅雨明けは来週との予報。宵山に雨、巡行に梅雨明けというのは例年通りのようです。

さて、所用で山科を訪れた折、時間が余ったのでそのまま地下鉄で南下して六地蔵へ、奈良線の103系を撮影してきました。
実は地下鉄の醍醐~六地蔵を乗車するのは初めてのこと。山科以南を乗るのも随分と久々ですが、これでようやく京都市営地下鉄の全線を乗車することができました。地下区間なので特段の感慨はありませんが(笑)、地上に出ると市内中心部と山科・伏見が一本の鉄道で繋がっていることの利便性を実感させられます。


六地蔵駅近くの山科川に架かる鉄橋、そこから延びる築堤はアクセスも容易で撮影に好都合。
カメラを向けると初期型の103系がやって来てくれました。望遠で撮ると保守用車向けの標識が少々気になるところですが……。


221系もここでは練習用ですが、転落防止幌が付く前の姿も良い記録になります。


さらに、六地蔵駅の前後では将来の複線化に加え、現在カーブ上に位置している駅の移設も予定されているため、周辺の景観は激変することが予想されます。
この立ち位置もいずれは線路敷となってしまうのかもしれません。さすがにその頃には、103系も消えていると信じたいですが。(笑)


六地蔵~桃山間は築堤あり切り通しありでロケーションはなかなか良い区間ですが、この日も全体的に2分ほど遅れていました。
伏見稲荷大社を訪れる観光客も増えていることから、こうした僅かな遅れの解消や本数増のメリットを考えると複線化は急務でしょう。


阪和線では225系の新番台が運用を始め、環状線用の323系が姿を現した現在、奈良の103系もいよいよ引退の足音が近付いてきたのかもしれません。
置き換えにあたってどのような車両が来るのか楽しみではありますが、しばらくは「動態保存」の103系を沿線風景の変化と共に楽しんでいきたいところです。