ここまでと、これからと

2012年05月27日 22時46分16秒 | 日記
考えて、考えて、考えて。
あっという間の一週間でございました。
次から次へと予定があるのは幸せなのかもしれません。

三日間ほど、仲間内で模擬授業をしていました。
「それらしい」練習をしないまま教育実習に赴くのは不安だという三人の意見が一致したのです。
一人二回ずつ授業をする機会を設けて、準備にもある程度の時間をかけ、空き教室を転々と。仲間内と言えどもそこそこ本格的に取り組んでいました。
模擬授業そのものは先週の『城の崎にて』があったので多少慣れてはいたのですが、実習教科はまた異なるので、授業の進め方やその他細かい点など、より本格的にイメージを掴むことが出来たと思います。
仲間内だからこそ率直に意見を言い合えたのも良かったですね。やっている最中も実感しましたが、こういうことこそが、おそらく忘れられない思い出になるのかな…と。

教育法規という授業の中で、「教師は常に五者たれ」というものを習いました。「たれ」は「~であれ」の意です。
そこには「学者たれ・医者たれ・易者たれ・役者たれ・行者たれ」の五つが挙げられていたのですが、自分の場合は「役者たれ」にいちばん重きを置いているのかな…と、一連の模擬授業を通じて感じました。
もちろんそれ以外の要素も踏まえていかなければなりませんが、一時間のドラマを生徒と共に創り上げるというものは、何とも素晴らしいものだと思います。

一昨日は京都国立博物館で開催していた「王朝文化の華 陽明文庫名宝展」を観に行ってきました。
金曜日に限っては20時まで開館、専攻内でも見学を奨励されていたところに割引券が天から降ってきたので、ちょうど良かったのです。
陽明文庫と言えば近衛家ゆかりの品々が収められていることでおなじみですが、これまで大学の授業では何度か登場したものの、実際に収蔵品を直接目にするのはこれが初めてでした。
評判の通り(?)御堂関白記がいちばんの目玉ですが、私はどちらかと言うと豫楽院・近衛家凞(いえひろ)に関する資料が目当てで、茶道具を中心とした展示の数々に思わず見入ってしまいました。
これまで京都は何度かの大火や争いで焼け野原になったことがありましたが、あれだけの品々を受け継いできた先人にも感謝しなければならないでしょう。
今までの知識の積み重ねが役立ち、そして現物を見ることの大切さを改めて実感したひとときでした。

昨日はまた大学に居たのですが、友人と会ったので、大学の裏、きぬかけの道沿いにある喫茶店「山猫軒」を訪れました。
大学生活四年目にして初めて自分の通う大学近くの喫茶店を訪れたことになります。山猫軒という店名はかの宮沢賢治の作品『注文の多い料理店』と関係があるのかないのかは分かりませんが(笑)、衣笠山の麓にひっそりと佇む雰囲気はなかなか良いところで、実習前のいい気分転換になりました。
これが世に言う「山猫軒の会談」であります。


写真は水曜日の撮影分より、特急「はしだて5号・まいづる5号」。
実は最近失敗続きだったのですが、これは何とか。

下御霊神社還幸祭・枝菊鉾

2012年05月21日 12時46分35秒 | 京都
3限が休講になったので、ブログを更新しましょう。
昨年も参加した下御霊神社還幸祭のアルバイトですが、今年も参加してみたところ、神輿ではなく鉾の方に配属されました!
神社から少し離れた河原町荒神口にある、その名を枝菊鉾と言い、まるで祇園祭の鉾のように立派で豪華な装いが特徴です。
一年前は午前中が雨だったので大変でしたが、今年は終始薄曇りという行列には大変都合の良い天気で(笑)、神輿の先導として鉾を無事に最後まで曳くことが出来ました。









合間に幾つか写真を撮らせていただいたので、簡単にご紹介を。
調査の方も随行されていて、三大祭とはまた違うローカルな祭礼行事に対する関心の高さも窺えました。

城の崎にて

2012年05月17日 02時22分18秒 | 日記
束の間の一段落。
それでも時は早く流れていきます。

きのう5月15日は葵祭でしたが、雨のため順延。
この「順延」という言葉にはちょっとしたトリックがありまして…
実は、下鴨神社で執り行われる「社頭の儀」は予定通り昨日のうちに実施され、どちらかと言えば観光的色合いが強い「路頭の儀(行列)」が今日に順延されたのです。
私も昨日は雨さえ降らなければ路頭の儀にアルバイトとして参加する予定でしたが、今日は都合がつかず、順延を受けて止む無く友人に代理として出てもらいました。
惜しくも三大祭アルバイト制覇ならず。ならば次の祇園祭に…!

そして今日は何をしていたのかというと、以前から何度か話題にしていた国語科の模擬授業がありました。教材は高校現代文ではおなじみ、志賀直哉の『城の崎にて』。
通常、一コマにつき二人が授業をするところ、今日はもう一人の方が病欠。
事前に先生から「持ち時間は無視してノビノビと授業をしてください」と言われたので、不測の事態に少々慌てたものの、まずは予定通りに授業を進めることにしました。

「それではこれから志賀直哉の『城の崎にて』を読んでいきます。」
「まず、城崎と言えば何を思い浮かべますか?」
「そうですね、温泉ですよね!」
「城崎と言えば城崎温泉。そこで先生はこの間の日曜日に城崎温泉に行ってきました!」

そうなんです。
GWの東京行きで使った切符の残りで、日曜日は教材研究をすべく城崎温泉に行ってきたのです。
模擬授業においては今まで多くの人がこの教材を扱ってきたと思いますが、実際に現地を訪れて授業に反映させた人間は、後にも先にも居ないのではないでしょうか。(^^;
私はこれまでにも幾つか文学作品の舞台を訪れてきましたが、机上で読むよりもイメージが掴みやすくなり、現地の風を浴びながら読むことで、作品の世界観に入り込むことが出来ると考えています。今回は写真資料を提示して、生徒(役)にも城崎に居るかのような錯覚に陥ってもらう(大げさですが)ことが目的でした。

おかげで導入は上手くいき、その後も一応滞りなく授業が進みました。
時間はたっぷりと与えられたので、一人ずつ当てる予定だったところを黒板に書きに来てもらうなど、事前に用意していた学習指導案からは外れた授業を展開することが出来た結果、45分ほどの授業になりました。自分の持ち味を生かして、伝えたいことは全て伝えられたと思います。
それでも、授業を終えた後は「はぁー」と大きなため息が出ましたが…。(正直なところ、冒頭以外は何を話したか覚えていない)

終了後、生徒役のみんなが書いてくれたアンケート用紙には、

「黒板の字が大きくてきれいだった」
「現地を訪れたことで熱意が伝わり、作品に入り込めた」
「高校で通用しそうな、実践的な模擬授業だった」
「全体的に淡々としていたので、ヤマがあれば良かった」

などなど、思った以上の評価を頂けました。
前回までの模擬授業では詩や短歌が扱われ、また中学生対象ということでグループワーク等が積極的にされていたのですが、『城の崎にて』の場合はそうもいかず。
最初はとにかく型にはまろうと思い、伝統的かつオーソドクスな高校現代文授業を目標としていたので、「実践的」というように、その意図を汲み取ってもらえたのは嬉しかったです。

また、当然ながら反省点もあり、その他非常に多くのことに気付かされた授業でした。

隅々にまで気を配る必要があるということ。
微妙な「間」でおそらく双方が不安になるということ。
指導案はあくまでも計画に過ぎないこと。(逸脱するのがまたおもしろい)
教室には25人近くの生徒が居る中で、教壇に独り立っている自分は恐ろしく孤独だということ。
いつもと違う自分になれたということ。

今から一年ほど前、社会科の歴史で模擬授業をしましたが、その時とはまた違う感触でした。
それがどういうものなのかは、今はまだ上手く言い表すことが出来ません。ただ、あの時よりも大きな充実感と喜びが得られたのは事実です。
来週は教育実習(※)を控えた仲間同士で内輪の模擬授業が控えているので、それに向けてまた一層努力したいと思います。
※実習中は、更新を停止する予定です。


写真は城崎温泉に到着する普通列車。
作品にも登場する東山公園からの俯瞰です。今回の訪問で非常に印象深い土地となりました。

楽しむこと

2012年05月11日 23時02分03秒 | 日記
引き続き「途中下車」の状態です。
一枚の切符の券面に米子・高崎・大阪と、それぞれ異なる車掌区の車内改札印が押されているのはなかなか興味深い光景です。
週末は勉強も兼ねての旅になりますが、楽しんでこようと思います。

さて、今日の2限はゼミ発表でした。
ここ数日、特に今週に入ってからは死んだようにPCに向かっていたのですが(笑)、無事に終わって一安心しています。
今回は焦って研究を進めることはせず、昨年導き出した一定の結論をもう一度深く掘り下げることにしました。
その結果、先生からは、
「だんだん説得力がついてきたように思います」
「卓見ですね」
とのお言葉をいただき、前回までの問題点もクリアした上で、次なるステップも明らかとなりました。
やはり自分のやっていることを人前で発信出来るのは気持ちがいいですね。こんな機会もあと僅かと思うと、自然に力が入りました。
何となく、このゼミで良かったと思える発表でした。ここからがまた新たなスタートです。

次なる発表は、来週にある国語科の模擬授業です。
一昨日、先生に相談したところ「好きなことをやっていい」と言われたのですが、それがいちばん難しい!(+_+)
幸いと言うべきか、同じ日に同じ教材を扱うもう一人の方とは違う箇所を担当することが判明したので、やりたいことはやれるのですが…。
こんど担当する『城の崎にて』は高校国語の定番とも言える教材なので、先人に倣う形で楽しく取り組めることが出来ればと思っています。
まずは、授業を通じて「型」を知りたいですね。

4限後はバイトでした。
シフト調整やGWの影響で入るのは実に3週間ぶりとなりましたが、特に大きな変化もなく、ホッとしました。
お給料ももらえたので、何かおいしいものを食べに行きたいです、はい。


写真は今日の撮影分より、双ヶ丘を行く特急「はしだて5号・まいづる5号」。
曇り空で、おまけに気温も低い一日でしたね。

旅の合間に

2012年05月08日 00時06分29秒 | 日記
連休明け。
大学から人が減った…のは気のせいでしょうか。
私にとってはこれからがいよいよ本番です。頑張ります。

ゼミ発表の準備等で完全に潰れると思っていた今年のGW。
でも、最後の一日だけGWらしく過ごすために何とか切符を確保し、昨日の「サンライズ出雲」に乗って、今朝の「きたぐに」で帰ってきました。
図らずも新旧電車寝台特急の乗り比べとなりましたが、どちらもよく寝られたと思います。
ここまで書くともう目的地はお分かりだと思いますが、昨年と同じく東京です。滞在10時間ほどで美術館や博物館を周ってきました。
実はトートバッグ一つの超軽装で行ったのですが(中身は財布とカメラと着替えだけ)、帰ってきた時にはパンパンになっていました。(^^;

今回訪れたのは、松岡美術館、山種美術館、聖徳記念絵画館、靖国神社、東京国立博物館。
以前から「ブラタモリ」を観ていることもあって、それぞれの目的地までは街歩きもしてみました。東京は京都以上に坂道の目立つ土地で、両側から坂道が迫っているすりばち状の地形が新鮮でした。江戸の街も苦労して開発されてきたのだろうと、昔日に思いを馳せながら…。
京都ではもはや日常の一つとしておこなっているフィールドウォークですが、たまには場所そのものを変えてやってみるのもいいなと思いました。

そして物販でグッズもたくさん買いこんで(毎度おなじみクリアファイルとか)、上野から高崎・上越線と北上、長岡から「きたぐに」の中段寝台(いわゆるパン下)に横になって京都まで帰り、何事も無かったかのように大学で授業を受けて今に至ります。
切符はもちろん一筆書き切符を使ったのですが、実は今回はまだ途中下車扱いなのです。
つまりは旅人でありながらきちんと学生としての本分もこなすというところが如何にも自分らしく、そしておもしろくもありますが(笑)、今週末はまた同じ切符を手に、残りの旅へと出かけます。


写真は東京に到着した「サンライズ瀬戸・出雲」。
少しけだるい夜行列車の余韻を引きずりながら、さぁ一日が始まります。

デイドリーム・ビリーバー

2012年05月02日 23時55分36秒 | 日記
5月に入りました。
そしてきょう2日は、忌野清志郎さんの命日です。
今でも何処かで生きているような気がして…(笑

さて、今日から博物館学生スタッフのアルバイトに入りました!
白衣を着てそれらしい姿になっただけでなく、初日から文献資料を扱うことが出来ました。
資料の中にはある時代を生々しく綴ったものもあり、本来は整理業務だけのはずが、ついつい読み込んで、いろいろと思いを巡らせてしまうようなものもあり…。
慎重な作業が続きますが、以前から興味を持っていたことなので、少しずつ慣れていこうと思います。
後々何かしらの影響を与えそうな経験となるでしょう。

授業の方は、概ね4週目を迎えたということもあり、だんだんと本質に近付いておもしろくなってきました。
今年度は内容の似たような授業を幾つか入れているので、異なる授業同士がリンクしてくるのもよく伝わってきます。
そんな中、国語科の模擬授業もついに始まったのですが、初回から完成度の高いものを見せつけられ、少々のプレッシャーにもなり、また励みにもなりました。
最近、こうして国語科教育に関する授業を受けるたび、これまで履修してきた社会科との違いや、国語科のおもしろさ、やりがいというものをより実感しつつあります。
「星には国語科の方が向いている」
昨年度の後期、そう言ってくれた幾人かの友人には、今もって感謝しています。

そんなこんなで、俄かに楽しくなりそうな5月であります。
体調を崩さないように乗り越えたいですね。


写真は昨日の帰り道に撮影した、京都貨物(梅小路)駅に留置されている青ワムたち。
3月のダイヤ改定で運用を失ってからずっと停められています。日没と共に消えてしまいそうな、そんな寂しい青色です。