26日のことになりますが、以前から気になっていた篠山口~園部のローカル路線バス乗り継ぎを実践してきました。
以前はJRバスの園篠(えんじょう)線(2002年廃止)として一本のバス路線が、さらに遡ると途中の福住までは国鉄篠山線(1972年廃止)としてレールが敷かれていたルートでもあります。
現在では篠山~福住が神姫グリーンバス、福住~園部が京阪京都交通と異なる事業者に分断されていますが、園部への延伸計画もあった国鉄篠山線が、今でもバスによって辛うじて繋がっているところにそそられるものがあり(笑)、今回18きっぷと組み合わせて訪問してきました。
まずは大阪市内で所用を済ませ、東西線で尼崎に抜けて福知山線を北上します。
時間に余裕があったので、川西池田で381系の「こうのとり14号」を撮影。
順光の時間帯ではありませんが、振り子を効かせてカーブを曲がる様子がカッコいいですね。
途中、三田で昼食を済ませてから、後続の快速で篠山口へ。
しかし、広野の手前で「置き石のようなもの」を見つけたらしく急停車があり(結局何事もなかったようですが)、終点の篠山口には7分遅れで到着。
既にバスの発車時刻だったため、これでは接続せず計画倒れに終わるのでは……とダメ元で急いだところ、バスが待っていてくれました。
本数が少ないですから、少々の遅れについては考慮してくれるようです。
やがて同じ列車に乗っていたと思しき乗客がゾロゾロと集まり、バスは予定より遅れて篠山の市街地へ走り出しました。
この数分の遅れが、後々思わぬ結果を惹き起こすことになるのですが……。
篠山線の痕跡はほとんど分かりませんが、市街地の軒先スレスレを通っていく様子も楽しいものです。
この辺りがかつての城下町で、篠山市の中心部。観光客相手の店もあり、ちらっと見えた幟の「黒豆コーヒー」が気になりました。
市街地のはずれにある篠山営業所。
残っていた数人の乗客もここで一気に下車し、車内は私ひとりに。
二段サッシ窓の前後扉のツーステ車……路線バスの旅としては最高の空間です。
車窓もローカル色が増していきます。
国道を走っていたかと思えば、旧道らしき横道にそれていきます。
やがて山道に差し掛かり、遅れはそのままで福住に。
しかし、乗り換えのバスの姿は見当たらず……。
星「園部行きのバスはどこですか?」
運転手さん「(申し訳なさそうに)ここなんですけど、たぶん、もう行ってしまったと思うんですよ……」
神姫バスHPの時刻表には「園部接続」と書かれており、定時であれば3分接続で京阪京都交通のバスが発車します。
とは言え、別会社ですから無理もありません。篠山口駅で神姫バスが待っていてくれたのは鉄道代行の意味合いもあるのかもしれませんが、ここから先、園部までは元からバスしか走っていなかった路線。神姫側が遅れても接続はとらずに発車するようです。
次の便は18:15、最終です。
2時間ならどうにかなるか……と思い、とりあえず、乗ってきた便の折り返しを見送り。
味わい深い街並みをバスが通り抜けて行きます。
後から調べて分かったことですが、この辺りは国の伝統的建造物保存地区だそう。
丹波篠山から京都に抜けるかつての宿場町として賑わったそうで、数キロ先では京都府南丹市と大阪府能勢町に接しています。
周辺には郵便局や公民館や学校、古民家を改装したレストランなどがあり、車だけではなく人の姿もちらほら。思っていたよりも活気があり、さながら隠れ里のような雰囲気です。
思わぬアクシデントに落胆していましたが、これがなければ単なる乗り換え地点として通り過ぎていただけに、この時間を活かして周辺を散策してみます。
農協の倉庫に併設されていた貨物ホームと、モニュメントの駅名票が残されていました。
既に廃止から40年以上が経過していますが、駅跡や路盤など、往時を偲べる遺構は意外と残っているようです。
寒くなってきたので、駅(バス停)前にあるカフェに入ってみました。
外観からは想像もつきませんが、室内は綺麗に改装されていて、ホットコーヒーを注文。
お店の方に(思いがけず滞在することになった)事情を話してみると、「まだ(バスの便が)ありますか?」と驚かれました。
やはりバスは普段利用されないようで、今では通学に必要な最小限の本数が維持されているといったところでしょうか。先ほどの折り返し便も学生が数人という状況でした。
バスの時間が近付いてきたので、御礼を述べてカフェを後にします。
これを逃すといよいよ帰れません!(笑)
先にやって来るのは神姫。
この便だと乗り継ぎ時分に幾分余裕がありますが、やはり数分遅れてやって来ました。
続いて反対方向から京阪京都交通がやって来ます。こちらは定時。
身近な京阪カラーのバスがこんなところにまで顔を出すとは、分かっていても実際目の当たりにすると驚きます。
神姫が先に折り返すので、先ほどは見られなかった両社のバスが並ぶ様子を収めておきます。
実際のところ、乗り継ぎの需要はあるのでしょうか?
乗客ゼロで折り返して行きました。
次に、時刻表には載っていなかった篠山市のスクールバスが発着。
短時間に3台もバスが来たことで、かつてのターミナルを偲ばせるような一瞬の賑わいが広がりました。
さて、京阪京都交通で一路園部へ。
乗客はまたも私ひとり。
地図アプリで位置を確認しながら乗っていたのですが、このトンネルを抜けると京都府のようです。京阪バスには幾つか越境路線がありますが、山岳地帯を行くこともあり、樟葉~八幡などとはまた違う「らしさ」があります。
日が暮れたので車窓はあまり楽しめませんでしたが、しばらく山道を延々と走ったところで園部の市街地の灯りが。ここまで来るともう安心です。アクシデントはありましたが、篠山から園部をほんとうにバスで抜けられたことに感動すら覚えます。
園部駅西口には定刻に到着。特に遅れそうなポイントもなかったので、園篠線乗り継ぎは園部側からアクセスした方が無難かもしれません。
山と山に挟まれた福住の、伝統的な旧き街並み。
丹波から洛中を目指した旅人に、そして延伸を夢見たまま消えていった鉄道に思いを馳せながら、いつもの快速電車に収まって京都へと戻ったのでした。
以前はJRバスの園篠(えんじょう)線(2002年廃止)として一本のバス路線が、さらに遡ると途中の福住までは国鉄篠山線(1972年廃止)としてレールが敷かれていたルートでもあります。
現在では篠山~福住が神姫グリーンバス、福住~園部が京阪京都交通と異なる事業者に分断されていますが、園部への延伸計画もあった国鉄篠山線が、今でもバスによって辛うじて繋がっているところにそそられるものがあり(笑)、今回18きっぷと組み合わせて訪問してきました。
まずは大阪市内で所用を済ませ、東西線で尼崎に抜けて福知山線を北上します。
時間に余裕があったので、川西池田で381系の「こうのとり14号」を撮影。
順光の時間帯ではありませんが、振り子を効かせてカーブを曲がる様子がカッコいいですね。
途中、三田で昼食を済ませてから、後続の快速で篠山口へ。
しかし、広野の手前で「置き石のようなもの」を見つけたらしく急停車があり(結局何事もなかったようですが)、終点の篠山口には7分遅れで到着。
既にバスの発車時刻だったため、これでは接続せず計画倒れに終わるのでは……とダメ元で急いだところ、バスが待っていてくれました。
本数が少ないですから、少々の遅れについては考慮してくれるようです。
やがて同じ列車に乗っていたと思しき乗客がゾロゾロと集まり、バスは予定より遅れて篠山の市街地へ走り出しました。
この数分の遅れが、後々思わぬ結果を惹き起こすことになるのですが……。
篠山線の痕跡はほとんど分かりませんが、市街地の軒先スレスレを通っていく様子も楽しいものです。
この辺りがかつての城下町で、篠山市の中心部。観光客相手の店もあり、ちらっと見えた幟の「黒豆コーヒー」が気になりました。
市街地のはずれにある篠山営業所。
残っていた数人の乗客もここで一気に下車し、車内は私ひとりに。
二段サッシ窓の前後扉のツーステ車……路線バスの旅としては最高の空間です。
車窓もローカル色が増していきます。
国道を走っていたかと思えば、旧道らしき横道にそれていきます。
やがて山道に差し掛かり、遅れはそのままで福住に。
しかし、乗り換えのバスの姿は見当たらず……。
星「園部行きのバスはどこですか?」
運転手さん「(申し訳なさそうに)ここなんですけど、たぶん、もう行ってしまったと思うんですよ……」
神姫バスHPの時刻表には「園部接続」と書かれており、定時であれば3分接続で京阪京都交通のバスが発車します。
とは言え、別会社ですから無理もありません。篠山口駅で神姫バスが待っていてくれたのは鉄道代行の意味合いもあるのかもしれませんが、ここから先、園部までは元からバスしか走っていなかった路線。神姫側が遅れても接続はとらずに発車するようです。
次の便は18:15、最終です。
2時間ならどうにかなるか……と思い、とりあえず、乗ってきた便の折り返しを見送り。
味わい深い街並みをバスが通り抜けて行きます。
後から調べて分かったことですが、この辺りは国の伝統的建造物保存地区だそう。
丹波篠山から京都に抜けるかつての宿場町として賑わったそうで、数キロ先では京都府南丹市と大阪府能勢町に接しています。
周辺には郵便局や公民館や学校、古民家を改装したレストランなどがあり、車だけではなく人の姿もちらほら。思っていたよりも活気があり、さながら隠れ里のような雰囲気です。
思わぬアクシデントに落胆していましたが、これがなければ単なる乗り換え地点として通り過ぎていただけに、この時間を活かして周辺を散策してみます。
農協の倉庫に併設されていた貨物ホームと、モニュメントの駅名票が残されていました。
既に廃止から40年以上が経過していますが、駅跡や路盤など、往時を偲べる遺構は意外と残っているようです。
寒くなってきたので、駅(バス停)前にあるカフェに入ってみました。
外観からは想像もつきませんが、室内は綺麗に改装されていて、ホットコーヒーを注文。
お店の方に(思いがけず滞在することになった)事情を話してみると、「まだ(バスの便が)ありますか?」と驚かれました。
やはりバスは普段利用されないようで、今では通学に必要な最小限の本数が維持されているといったところでしょうか。先ほどの折り返し便も学生が数人という状況でした。
バスの時間が近付いてきたので、御礼を述べてカフェを後にします。
これを逃すといよいよ帰れません!(笑)
先にやって来るのは神姫。
この便だと乗り継ぎ時分に幾分余裕がありますが、やはり数分遅れてやって来ました。
続いて反対方向から京阪京都交通がやって来ます。こちらは定時。
身近な京阪カラーのバスがこんなところにまで顔を出すとは、分かっていても実際目の当たりにすると驚きます。
神姫が先に折り返すので、先ほどは見られなかった両社のバスが並ぶ様子を収めておきます。
実際のところ、乗り継ぎの需要はあるのでしょうか?
乗客ゼロで折り返して行きました。
次に、時刻表には載っていなかった篠山市のスクールバスが発着。
短時間に3台もバスが来たことで、かつてのターミナルを偲ばせるような一瞬の賑わいが広がりました。
さて、京阪京都交通で一路園部へ。
乗客はまたも私ひとり。
地図アプリで位置を確認しながら乗っていたのですが、このトンネルを抜けると京都府のようです。京阪バスには幾つか越境路線がありますが、山岳地帯を行くこともあり、樟葉~八幡などとはまた違う「らしさ」があります。
日が暮れたので車窓はあまり楽しめませんでしたが、しばらく山道を延々と走ったところで園部の市街地の灯りが。ここまで来るともう安心です。アクシデントはありましたが、篠山から園部をほんとうにバスで抜けられたことに感動すら覚えます。
園部駅西口には定刻に到着。特に遅れそうなポイントもなかったので、園篠線乗り継ぎは園部側からアクセスした方が無難かもしれません。
山と山に挟まれた福住の、伝統的な旧き街並み。
丹波から洛中を目指した旅人に、そして延伸を夢見たまま消えていった鉄道に思いを馳せながら、いつもの快速電車に収まって京都へと戻ったのでした。