篠山口から園部へ――路線バス乗り継ぎの旅

2015年03月30日 03時39分52秒 | バス関係
26日のことになりますが、以前から気になっていた篠山口~園部のローカル路線バス乗り継ぎを実践してきました。
以前はJRバスの園篠(えんじょう)線(2002年廃止)として一本のバス路線が、さらに遡ると途中の福住までは国鉄篠山線(1972年廃止)としてレールが敷かれていたルートでもあります。
現在では篠山~福住が神姫グリーンバス、福住~園部が京阪京都交通と異なる事業者に分断されていますが、園部への延伸計画もあった国鉄篠山線が、今でもバスによって辛うじて繋がっているところにそそられるものがあり(笑)、今回18きっぷと組み合わせて訪問してきました。

まずは大阪市内で所用を済ませ、東西線で尼崎に抜けて福知山線を北上します。


時間に余裕があったので、川西池田で381系の「こうのとり14号」を撮影。
順光の時間帯ではありませんが、振り子を効かせてカーブを曲がる様子がカッコいいですね。

途中、三田で昼食を済ませてから、後続の快速で篠山口へ。
しかし、広野の手前で「置き石のようなもの」を見つけたらしく急停車があり(結局何事もなかったようですが)、終点の篠山口には7分遅れで到着。
既にバスの発車時刻だったため、これでは接続せず計画倒れに終わるのでは……とダメ元で急いだところ、バスが待っていてくれました。
本数が少ないですから、少々の遅れについては考慮してくれるようです。

やがて同じ列車に乗っていたと思しき乗客がゾロゾロと集まり、バスは予定より遅れて篠山の市街地へ走り出しました。
この数分の遅れが、後々思わぬ結果を惹き起こすことになるのですが……。




篠山線の痕跡はほとんど分かりませんが、市街地の軒先スレスレを通っていく様子も楽しいものです。
この辺りがかつての城下町で、篠山市の中心部。観光客相手の店もあり、ちらっと見えた幟の「黒豆コーヒー」が気になりました。


市街地のはずれにある篠山営業所。
残っていた数人の乗客もここで一気に下車し、車内は私ひとりに。


二段サッシ窓の前後扉のツーステ車……路線バスの旅としては最高の空間です。

車窓もローカル色が増していきます。


国道を走っていたかと思えば、旧道らしき横道にそれていきます。


やがて山道に差し掛かり、遅れはそのままで福住に。


しかし、乗り換えのバスの姿は見当たらず……。

星「園部行きのバスはどこですか?」

運転手さん「(申し訳なさそうに)ここなんですけど、たぶん、もう行ってしまったと思うんですよ……」

神姫バスHPの時刻表には「園部接続」と書かれており、定時であれば3分接続で京阪京都交通のバスが発車します。
とは言え、別会社ですから無理もありません。篠山口駅で神姫バスが待っていてくれたのは鉄道代行の意味合いもあるのかもしれませんが、ここから先、園部までは元からバスしか走っていなかった路線。神姫側が遅れても接続はとらずに発車するようです。


次の便は18:15、最終です。

2時間ならどうにかなるか……と思い、とりあえず、乗ってきた便の折り返しを見送り。


味わい深い街並みをバスが通り抜けて行きます。
後から調べて分かったことですが、この辺りは国の伝統的建造物保存地区だそう。
丹波篠山から京都に抜けるかつての宿場町として賑わったそうで、数キロ先では京都府南丹市と大阪府能勢町に接しています。
周辺には郵便局や公民館や学校、古民家を改装したレストランなどがあり、車だけではなく人の姿もちらほら。思っていたよりも活気があり、さながら隠れ里のような雰囲気です。

思わぬアクシデントに落胆していましたが、これがなければ単なる乗り換え地点として通り過ぎていただけに、この時間を活かして周辺を散策してみます。




農協の倉庫に併設されていた貨物ホームと、モニュメントの駅名票が残されていました。
既に廃止から40年以上が経過していますが、駅跡や路盤など、往時を偲べる遺構は意外と残っているようです。

寒くなってきたので、駅(バス停)前にあるカフェに入ってみました。
外観からは想像もつきませんが、室内は綺麗に改装されていて、ホットコーヒーを注文。
お店の方に(思いがけず滞在することになった)事情を話してみると、「まだ(バスの便が)ありますか?」と驚かれました。
やはりバスは普段利用されないようで、今では通学に必要な最小限の本数が維持されているといったところでしょうか。先ほどの折り返し便も学生が数人という状況でした。

バスの時間が近付いてきたので、御礼を述べてカフェを後にします。
これを逃すといよいよ帰れません!(笑)


先にやって来るのは神姫。
この便だと乗り継ぎ時分に幾分余裕がありますが、やはり数分遅れてやって来ました。


続いて反対方向から京阪京都交通がやって来ます。こちらは定時。
身近な京阪カラーのバスがこんなところにまで顔を出すとは、分かっていても実際目の当たりにすると驚きます。


神姫が先に折り返すので、先ほどは見られなかった両社のバスが並ぶ様子を収めておきます。
実際のところ、乗り継ぎの需要はあるのでしょうか?


乗客ゼロで折り返して行きました。


次に、時刻表には載っていなかった篠山市のスクールバスが発着。
短時間に3台もバスが来たことで、かつてのターミナルを偲ばせるような一瞬の賑わいが広がりました。

さて、京阪京都交通で一路園部へ。


乗客はまたも私ひとり。
地図アプリで位置を確認しながら乗っていたのですが、このトンネルを抜けると京都府のようです。京阪バスには幾つか越境路線がありますが、山岳地帯を行くこともあり、樟葉~八幡などとはまた違う「らしさ」があります。
日が暮れたので車窓はあまり楽しめませんでしたが、しばらく山道を延々と走ったところで園部の市街地の灯りが。ここまで来るともう安心です。アクシデントはありましたが、篠山から園部をほんとうにバスで抜けられたことに感動すら覚えます。
園部駅西口には定刻に到着。特に遅れそうなポイントもなかったので、園篠線乗り継ぎは園部側からアクセスした方が無難かもしれません。

山と山に挟まれた福住の、伝統的な旧き街並み。
丹波から洛中を目指した旅人に、そして延伸を夢見たまま消えていった鉄道に思いを馳せながら、いつもの快速電車に収まって京都へと戻ったのでした。

淀水路の河津桜

2015年03月27日 23時51分19秒 | 京都
いつも聴いているラジオ番組が、この年度末で終了。
こればっかりは仕方のないことですが、良い番組であっただけに残念です。
ネタやヒントを得ることが多く、いつも助かっていました。

さて、京都市内でも桜の開花が発表された今日。
陽気に誘われ、既に満開を迎えている淀の河津桜を見に行ってきました。


淀駅から南へ、徒歩10分強で淀水路に着きます。
かつては巨椋池が、水運が、そして幕末には鳥羽・伏見の戦いが繰り広げられ、歴史的にも深みのある場所。




新聞記事に出たのが先週のことなので、既に散りはじめているものもありました。
それにしても、淀に河津桜があるというのは今回初めて知りましたが、京阪電車の高架化事業と関連して近年に植樹されたものだそうです。




こじんまりとしていて、地域の憩いの場のような雰囲気でした。
一足先にお花見気分を満喫しましたが、これから市内各地でも続々咲きはじめることでしょう。
今年もいろいろと回ってみようかと考えています。

京都バス免許維持路線・95系統(大原→鞍馬)

2015年03月24日 23時51分20秒 | バス関係
春分の日シリーズ、4記事目にしてようやく95系統の登場です!(笑)
前の記事はこちら。

京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→一乗寺木ノ本町→大原)
京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→地下鉄北山駅)
京都バス免許維持路線・庫系統(国際会館駅→宝ヶ池球技場前→高野車庫)

また、昨年の記事はこちら。

一年に一度の運行! 京都バス免許維持路線・95系統に乗る

さて、「きらら号」で再び降り立った八瀬駅からバスで大原を目指しますが、乗車した17系統は10分近くの遅れ。
行楽シーズン突入ということで車内は観光客が中心。おそらくは四条通の渋滞や降車時の清算で手間取ったのでしょう。こんなことでも春分の日を実感させられます。

しかし、このまま大原へ向かうと95系統には間に合いそうにありません。
何せ乗り遅れると次は一年後ですから(笑)、少し手前の野村別れで降りて95系統を待機。
既に二台のバスがこちらへ向かってくるのが見えます。続行する臨時便が出ているのはこれで確定でしょう。

というわけで、1台目は見送ります。


昨年乗車したラッピングの144号車。後追いではありますが、免許維持区間での撮影が叶いました。


続いてやって来たのは朝からお世話になっている10号車。
年に一度しか走らない95系統の臨時便ということで、なかなか貴重ではないでしょうか。
2台体制が功を奏し、立席ではあったものの道中を十分に楽しめるゆとりがありました。




昨年とは違って好天に恵まれた江文峠越え。
大原~鞍馬の短絡ルートではあるものの、掛け持ちをする観光客は実際どれくらいいるのでしょうか。
今はこのような状態ですが、車窓も十分に魅力的。左京区を代表する二大観光地ですから、たとえば秋季のみの運転に限定したり、叡電とタイアップさせるなど、宣伝次第ではこの路線を活かせる日が再びやって来るかもしれません。

やがてバスは静原の集落を通り抜け、道路が整備されつつある市原駅周辺を眺めつつ、二ノ瀬・貴船口と経由して30分で終点の鞍馬に到着。
複数のテレビクルーの出迎えがあり、私も取材を受けました。バス停の横で緊張しつつも感想を話したのですが、採用されたのかされなかったのか。(笑) 月曜日に放送された読売テレビ「ten」の特集では最後にちらっとだけ映っていました。


束の間の撮影タイム。
利用客の減少で年に片道一便まで縮小された路線が却って注目を集め、メディアが集うほどの盛況を見せているのは何とも皮肉なことではありますが、2台体制という柔軟な対応をとってくれた京都バスに感謝です。
すぐ隣では京都バスの社員さんがインタビューを受けているなか、95系統に充当された2台が回送となって鞍馬を去って行きました。




また来年。終わってみれば呆気ないものです。

これだけバスに乗ってまだ午前中というのも不思議ですが、後からやって来た52系統に乗って撤収します。
国際会館駅へ向かう52系統ですが、鞍馬のほか貴船・市原などから地下鉄を乗り継いでの市内中心部アクセスルートが定着しているのか、前回の乗車時と同様、終点近くでは立客も出る状態。好調は相変わらずのようです。

さて、この日の95系統については、運行前に記事を載せた読売新聞が続報を出しています。

「幻のバス」増発45人、30分の旅

実際に走っているのですから「幻」は「うつつ」なのでは……? というツッコミは置いておきますが(笑)、今までにも紹介してきた通り、京都バスにはこれ以外にもまだまだ数多くの免許維持路線があります。
その最高峰が95系統であることは当面揺るがないものの、免許が維持されているからと言えど廃止と無縁であるとは限りません。
忘れ去られているような、そうでないような、都市に埋もれた存在であるそうした路線・系統を、今後も乗客の一人として愛好していきたいものです。(おわり)

京都バス免許維持路線・庫系統(国際会館駅→宝ヶ池球技場前→高野車庫)

2015年03月23日 22時16分58秒 | バス関係
春分の日シリーズです。
前の記事はこちら。

京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→一乗寺木ノ本町→大原)
京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→地下鉄北山駅)

本来であれば、この記事では3路線目となる高野車庫→寂光院道→大原の庫系統(95系統送り込み)を扱うべきところですが、昨年に乗車済ということもあり、混雑を懸念してパス。代わりに一捻りして大原へ先回りする策を考えていました。

北山駅から少し東に歩き、宝ヶ池通にある松ヶ崎道バス停を目指します。




日焼けした時刻表、それが示すものは……

土休日ダイヤ適用日のみ運行される、国際会館駅→宝ヶ池球技場前→高野車庫の庫系統。
毎週末のように走っているので乗車は比較的容易ですが、今回の行程に組み込めることが分かり、一部区間という「ついで」ながら乗車することにしました。
ちなみに今回の乗車区間ではありませんが、この路線のハイライトは宝ヶ池通の「狐坂」。
かつてはヘアピンカーブの存在する名所(難所?)でもありましたが、数年前に高架で短絡する新道が完成。ヘアピンが解消された代わりに市街を見渡せる眺望が生まれ、各種駅伝やマラソンのコースにも指定されるようになっています。


予定時刻を過ぎること数分、宝ヶ池から狐坂を下ってバスがやって来ました。
この手の路線で遅延があるとヒヤヒヤしますね。(^^;

乗客は地域のお年寄りが2人。以前乗車した高野車庫→市原の庫系統と同じく、それなりに利用のある起終点を結んでいるからか、免許維持路線であっても地元の利用者には定着しているようです。
バスは宝ヶ池通から再び北山通へ、高野川に差し掛かる手前の修学院駅前で下車。ここも市バスは「松ヶ崎橋」を名乗っており、この北山通界隈は停留所や駅の位置関係が少々ややこしくなっています。

徒歩で叡電の修学院駅へ。


やって来た八瀬比叡山口行きはきらら号。
春分の日からGWまでの土休日、京阪の快速特急「洛楽」に接続する「比叡山きらら」として、定期運用のない八瀬比叡山口に乗り入れる運用が組まれています。


バス共々、イレギュラーな道中を堪能しながら八瀬比叡山口に到着。
本日二度目の八瀬ですが、一度目はバスの免許維持路線で、二度目は季節運転のきらら号で。こんな芸当が出来るのも春分の日ならでは。



さて、寄り道はここまで。
駅前のバス停に向かいますが、その途中で大原行きの庫系統が2台通過して行きました。
ということは、今年の95系統は2台体制! 期待を弾ませながら、5分後にやって来る17系統で急ぎ大原を目指します。(次の記事へ続く)

京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→地下鉄北山駅)

2015年03月22日 22時10分47秒 | バス関係
前の記事はこちら。

京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→一乗寺木ノ本町→大原)

高野車庫へ戻り、続いて9:30発の庫系統・地下鉄北山駅行きに乗車します。
この路線は府立大学や京都コンサートホールに面している下鴨中通を走るのが特徴ですが、数年前から免許維持路線の仲間入り。
以前は北大路通から岩倉方面へ向かうバスが走っており、私も小さい頃に見た覚えがありますが、地下鉄の国際会館延伸によって相次いで廃止・縮小。国際会館駅発着の路線が増えた一方で、従来のように岩倉方面へ向かう路線は大通りの下鴨本通を経由する46系統が細々と残っている状態。2車線の下鴨中通は免許維持区間となりました。
この下鴨中通、私はよく総合資料館への行き来などでよく歩くおなじみのエリア。そこをバスに乗れるということもあり、既に乗車経験のある95系統よりも楽しみにしていました。


先ほどの10号車が「地下鉄北山駅」の表示を掲げて高野車庫で待機中です。(敷地外から撮影)


出庫。
人数も顔ぶれも(笑)、先ほどとほぼ変わりません。


北大路通をしばらく西に進み、府立大学前で右折。
いよいよ免許維持区間の下鴨中通に入っていきます。




ホントに下鴨中通を走っています! 感激!(笑)

案内表示に出る停留所も年に一度限り。


府立大学正門前。


京都コンサートホール前。
ともに多くの人が利用する場所でありながら、最寄りのバス停は年に一度しかバスが来ないというシュールさがたまりません。

あっという間に下鴨中通も終わり、最後の数100mほど、北山通を走ります。
先ほど目撃したテレビクルーが追っかけ撮影をしているようで、一部徐行した箇所もありました。どうやら95系統に関連して庫系統の映像を撮るようです。


10分ほどで地下鉄北山駅前に到着。今年の運行は終了です。
停留所の屋根が示す通り、市バスでは「植物園北門前」と異なる停留所名を名乗っています。
こうした不整合は市内各所で見られますが、一向に解決される気配がありません。それぞれの事業者らしさが出ていると言ってしまえば、それまででしょうか。(笑)

さて、次はいよいよ大原へと向かいますが、その前に……。(次の記事へ続く)

京都バス免許維持路線・庫系統(高野車庫→一乗寺木ノ本町→大原)

2015年03月21日 23時57分18秒 | バス関係
一部のバスファンにとってはソワソワするきょう「春分の日」ですが、それを前に、読売新聞で以下のような記事が掲載されました。

年1便「幻の片道バス」、今年も間もなく運行

昨年も乗車した、春分の日のみ運行される京都バスの95系統についての紹介のほか、免許維持路線やその成り立ちについて詳しく触れられています。
京都バス側の公式見解もあり、単なる路線免許の維持だけではなく将来の「大原・鞍馬人気」を見据えているとは恐れ入りました。(^^;

さて、ついに新聞記事にもなってしまった京都バスの95系統ですが、同日にはその前運用として3つの出庫路線が運行されます。
これらの系統番号の付されていない路線は「庫系統」と呼ばれ、他系統の出入庫ついでに寄り道をして免許維持区間を走るといった合理的な運行がされています。
今回、春分の日のみ運行されるのは、

高野車庫→(一乗寺木ノ本町)→大原
高野車庫→(京都コンサートホール前)→地下鉄北山駅
高野車庫→(寂光院道)→大原

以上の3路線が当てはまりますが、95系統が年に一度の運行ですから、これらの庫系統も必然的に年に一度の運行となってしまうわけです。
このうち2路線(上から2つ)については未乗車のため、一年越しで実乗を叶えるべく朝8時過ぎの高野車庫へ赴いたのでした。


まずは8:20発の一乗寺木ノ本町経由・大原行きを待ちますが、いつもとは少し違う雰囲気。
それもそのはず、テレビと思しきスタッフが待機しているようで、庫内では京都バスの社員さんも撮影されていました。
おそらく、新聞記事が出た影響で例年以上に注目が集まっているものと思われます。これは本番(95系統)の混雑が危ぶまれるところですが、庫系統はまだまだ「知る人ぞ知る」的存在。数人の同業者と共に待機します。


8:20、リエッセの10号車が「大原」幕を掲げて定刻通りに出てきました。
北大路通との交差点を左折するとさっそく免許維持区間に突入し、東へ進んでいきます。
とは言え、市バスの北8系統が日常的に走っている経路なのでそれほどのレア感はありません。


一乗寺木ノ本町を過ぎ、あっという間に白川通北大路交差点へ到達。
ここから白川通を北に進んで大原へ向かいますが、以降は他系統との重複区間となります。大原まで乗ってしまうと次の庫系統に乗れなくなるので、


適当なところ……というわけで、八瀬駅前で下車。

高野車庫へ戻るバスにはしばらく時間があったので、乗ってきた道を三宅八幡まで歩いて戻ります。


そうかと思えば、先ほど乗っていた10号車が早くも大原から回送されてきました。
例年通り、庫系統の3路線と95系統を同じ車両で回すようです。


後続の17系統に乗って高野車庫へ戻ります。
因みに三宅八幡~高野車庫の運賃は230円。それが僅か200mほど手前の「赤の宮」で降りると160円となります。悩ましくも時にありがたい、運賃境界の妙です。(次の記事へ続く)

引退迫る阪急2300系

2015年03月18日 18時37分54秒 | 鉄道関係
年度末が近付いてきています。
55年間走り続けてきた阪急2300系もいよいよ引退を迎えるということで、山崎駅から天王山に登ってきました。

河原町行きはタッチの差で間に合わず、折り返しの梅田行きを待ちます。
前回の音羽山ほど高くはないので、モーター音が聞こえてくるのも嬉しいところ。


新幹線と並走する直線区間から一枚。


水無瀬駅の手前に差し掛かるところでもう一枚。

今日は霞みがひどく、新幹線との邂逅は叶いませんでしたが、京阪間を行く老兵を何とか思い通りに収めることが出来ました。
それにしても、阪急電車の俯瞰撮影は(判別が難しいという点で)なかなかリスクが高いですね。(^^;

余韻に浸った週末

2015年03月15日 23時42分42秒 | 鉄道関係
北陸新幹線の延伸開業・並行在来線の分離開業など、JRグループの大規模改正が実施された週末。
地元では目立った変化は少なく、今日も目の前を103系や113系が通り過ぎて行きます。(笑)
さすがにこれも2,3年後には変わっているものと思いますが、果たして……?

結局、北陸方面を本格的に訪れたのは一昨年が最後となってしまいました。




この時はまだ「ムーンライトえちご」が走っていて、それに間に合うよう北陸本線を東進すればよかったので、幾つかの駅で途中下車をしていました。
ほとぼりが冷めきったら(笑)、新幹線と絡めてこれらの駅も再訪しようと考えています。

---

さて、せめてその余韻に浸ります。
「トワイライトエクスプレス」の札幌行きラストランに充当された編成の返却回送が、早朝の京都を駆け抜けました。


つまり12日に撮影した編成ということになります。
ヘッドマークはありませんが、北の大地からの長い道のりを走るのもおそらくこれで最後。去りゆく電源車の排気臭にブルトレの残滓を感じました。

夕方には、一昨日まで特急「はくたか」として走っていた683系スノーラビット編成が方向転換のために上洛。


その前に、同じく方転が実施された「サンダーバード」も記録しておきます。
こちらは4000番台ですが、今まで大阪方を向いていた先頭車(貫通扉の準備工事がされている)が金沢方を向いており、その変化は明瞭です。


そして、後を追うようにスノラビ編成が通過。
最後まで馴染みのなかったこの塗色ですが、都合の良い解釈をすれば「向こうから来てくれた」ことで写真に収めることが出来ました。
今後は塗り替えを経て「サンダーバード」に転用されるのでしょうか。681系と合わせて去就が気になるところです。

さよならトワイライト

2015年03月13日 08時05分02秒 | 鉄道関係
8日の撮影が最後だと思っていたのですが、急遽行けることになりまして……。
それでも、直前までどうしようか迷っていました。(笑)


ここなら人も少ないだろう……という予想は的中し、地元のおじさんおばさんと静かにお見送り。
強風の吹きつけるなか、あっという間に通過して行きました。

高校時代には、「なはつき」や「日本海」もこの場所で見送っています。




もう7年も前のことになるんですね。
トワイライトのラストランによって、長らく続いてきた関西を発着する客車寝台特急の系譜は途絶えたことになります。
そして今日は「北斗星」がラストラン、明日はいよいよ北陸新幹線が延伸開業。日本の鉄道史が大きく変わる週末を迎えます。

というわけで、私も今年度は最後のお仕事へ、ラストラン。(笑)

音羽山からトワイライトを

2015年03月08日 23時38分05秒 | 鉄道関係
客車の存続が発表され、今後は活躍の場を西日本管内へと移すことが決まった「トワイライトエクスプレス」ですが、現在の体制での運行は12日まで。
ラストサンデーとなった今日が(おそらく)廃止までに撮影出来る最後のチャンスということで、約2年ぶりに音羽山へ赴きました。
「日本海」の時も二度訪れましたが、霞んでいたうえに機材がデジカメだったのであまり納得していなかったのです。

アクセスはいつものように京阪大谷駅裏からの東海自然歩道ですが、先の豪雨で一部が崩壊。
現在もビニールシートが被せられていますが、現在は国道側から迂回路が設けられているので容易に辿り着くことが出来ました。
ところどころ休憩しつつ、小一時間で三角点へ……。




まずは大阪行きを2枚。
東山(西野山)にポツンと佇む建物は花山天文台です。

15分ほど間を置いて、今度は札幌行きが通過。


山科駅手前で「サンダーバード」とすれ違いました。
かつては485系「雷鳥」であった列車ですが、その生き残りである食堂車がトワイライトの客車に挟まって今日まで生き長らえているところに何とも数奇な運命を感じます。(笑)

下山途中、比叡山や大津京駅方向の見渡せるポイントから再び「サンダーバード」を。


カメラの機能を利用してジオラマ風に加工。
こちらは石坂線の列車と交差してくれました。ちょうど皇子山駅を出たところですね。

天気はイマイチでしたが、「日本海」のリベンジは果たせたように思います。
最終日までどうぞご安全に。

10年ひとむかし

2015年03月06日 05時08分40秒 | 日記
一昨日で、ブログ開設から10年を迎えました。
最近では自分の考えを整理するつもりで書き留めておいたものが、後々になって思わぬところで役に立つことも多く、続けてきて良かったな、というのが正直なところです。
近年ではTwitterやFacebookなどのSNSが良くも悪くも台頭しており、私もそのユーザーの一人ではありますが、長文や多くの写真を気兼ねなく載せることが出来るこの場所がやはり原点。今後とも大切にしていくつもりです。

さて、最近気になっているこちらのニュース。

下鴨神社にマンション 世界遺産隣接地、式年遷宮費用に

3日の朝刊トップを飾ったこの記事ですが、下鴨神社の境内にマンション(富裕層向け)が建設されることとなりました。
「式年遷宮の費用捻出」という神社特有の事情によるもので、合わせて周辺の環境整備もおこなわれるようですが、既に決定した事項とは言え、実際の建設までには賛否両論様々な意見が聞こえてくることでしょう。

今回マンションが建つのは「境内」。
とは言っても、2車線の御蔭(みかげ)通を挟んだ現在の駐車場の辺りに建設されるので、元から境内らしさはあまりなく、それほど抵抗はありません。
境内のマンション建設といえば梨木神社(上京区)の先例が思い浮かびますが、あちらも本殿の改修費用という似たような事情。
また、財政難で遠く大原へと移転せざるを得なくなった出世稲荷(中京区)の事例もあり、神社の経営は想像以上に厳しく、それは世界遺産であっても同様であることを改めて知ることになり、幼少期から親しみのあった場所だけに衝撃的でもありました。

神社とマンション、景観としては相反する両者。
神社側も「苦渋の決断」「断腸の思い」であったのかもしれませんが、将来にわたって安定した収益が見込めるマンション建設は、極めて現実的な判断として私は評価したいと思っています。
周辺景観(バッファゾーン)の変容を懸念する意見もありますが、このまま社殿の修復費用が出せない場合、神社そのものが世界遺産とは名ばかりのみすぼらしい姿となってしまうのも本末転倒です。
もちろん、マンションも昨今の景観規制を踏まえて落ち着いた佇まいになるとは思いますが、既に市内各所の街並みは色合いだけを合わせて様々な建築物が同居しまっている現状。建ってしまえば、案外、市民にはすんなり受け容れられるのではないかと思います。
(元から町家なんてなかった場所に町家風のものを建てる、なんてことは避けてもらいたいですが)

そして観光の面においても、周辺整備と合わせて御蔭通の歩道拡幅がアナウンスされていますから、地元民・観光客と双方にとって一定のメリットは見い出せます。
相反する景観だからと頭ごなしに否定するのではなく、こうしたケースを好機と捉え、生活空間と隣接している(京都ならではの)世界遺産としてのあり方を模索すること、それがひいては新たな「京都らしさ」の創生に繋がることを期待したいです。

それにしても、10年経つと変わるものって、多いですね。