京都バスダイヤ変更(「春分の日のみ運行」路線の増加)

2018年03月08日 04時00分33秒 | バス関係
京都バスからもダイヤ「変更」が発表されました。
増車・増便の続く市バスとは対照的に人員不足による減便のお詫びが付記されており、新たに土曜日ダイヤが導入され、ほぼ全路線においてダイヤが変更。減便や区間短縮、最終便繰り上げが目立つ内容となっています。
市バスとのカード類の共通化や「京大快速」の共同運行開始など、共存の道を歩み始めたことで収支は良好のようですが、他のバス会社と同様、ドライバーを取り巻く状況は依然として厳しいようです。

変更のなかでも驚きだったのは、京都駅と大原を結ぶ17系統の3本/h→2本/h化。土曜・休日ダイヤでは高野車庫までの区間便(15系統)が増え、代替として19系統(国際会館駅~大原)を増便することで市内から大原方面へのアクセスは3本/hが維持されますが、これも長距離運用ゆえに仕方のないところでしょう。ちょうど地下鉄・バス一日券が900円に値下げされますから、国際会館乗り継ぎの需要も増えるでしょうし、所要時間からしてもその方が早く着きます。
また、45系統(岩倉村松→京都駅)は今回も片道1本のみ細々と存続。運行日が土休日から平日となり、時刻が大幅に繰り上がりました。東山通経由で京都駅と大原を結ぶ18系統は京都駅行きが休日1本→2本に増便され、いずれも間合い運用ではあるものの、こうしたひそかな増便も見られます。

そして去就が注目されるのが、95系統をはじめとする「春分の日のみ運行」のいわゆる免許維持路線。新ダイヤを見たところ、今春も無事に運行されるようです。


高野車庫北行バス停の時刻表。
草生町・寂光院道経由の大原行きと、一乗寺木ノ本町・白川通経由の大原行き(乗り場は南行)の案内が確認できます。


同じく南行バス停の時刻表。
前述の白川通経由大原行きと、下鴨中通経由の地下鉄北山駅行きの案内。今年はどんな車種が充当されるのでしょうか。


そして、大原バス停の時刻表。
昨春新設された55系統と同じ欄に鞍馬行き(95系統)の案内が見られます。55系統は95系統とルートが一部重複する区間便ですが、95系統が10:50発、55系統が11:00発と続行するダイヤ編成になっているのも面白いところです。

上述した高野車庫からの大原行き・地下鉄北山駅行きはいずれも95系統の出庫系統に当たりますが、今回の変更では入庫系統が新設されています。ただし、95系統の終点である鞍馬発の折り返しではなく、貴船発というのがポイント。

貴船バス停の時刻表を見てみます。


下段にさりげな~く、


「春分の日に限り11:54発高野車庫行きを運行」とあります。
これはちょうど95系統が鞍馬に到着(11:20頃)して折り返してくる時刻ですから、入庫回送の営業化と考えてよいでしょう。


従来、95系統は鞍馬到着後に転回場所の鞍馬温泉まで北上し、折り返し高野車庫へと回送入庫していました。
(95系統に小型最古参の114号車が充当され、52系統(鞍馬温泉→国際会館駅)の続行便として折り返した年もあるようです)

しかし、鞍馬・貴船の両バス停の位置関係を考えると、わざわざ貴船まで戻ってから客扱いをするのが疑問に残ります。


図の通り、鞍馬・貴船はY字のそれぞれ頂点にあたり、貴船発の入庫便を鞍馬から回送する場合、分岐点である貴船口まで戻り、再び北上する必要があります。貴船は言わずと知れたパワースポットですが、この便は午前遅く、観光もこれからという時間帯に果たして乗る客がいるのかどうか微妙なところ。

設定の意図は何だろう……? と考え、一応の結論として辿り着いたのが、オレンジ色の点線部分、貴船口駅前~貴船口間。両バス停は距離にして150mほどの目と鼻の先です。


この区間は今まで33系統(貴船~貴船口駅前)の最終を兼ねた入庫系統が運行されていましたが、今回のダイヤ変更で消滅。そのため、貴船口駅前~貴船口間のわずかな距離を年に1回だけ走らせるために、95系統の入庫回送をわざわざ営業化して立ち寄らせたのでは……と推測できますが、果たして。

さらには、驚くことに嵐山管内でも「春分の日のみ運行」の路線が誕生しています。


JR花園駅のすぐ南、下立売通に立地する一の井町バス停の時刻表。
新たに「春分の日」の欄が設けられ、朝に63系統の1本のみが来るようになりました。

下立売通を走る京都バスについては以前にも記事で取り上げましたが、つい4年前までは嵐山方面に向かう京都バスの全便が経由していました。しかし、東映太秦映画村前の城北街道が拡幅されたことに伴い、そちらに経路変更。一の井町を含む3つのバス停には早朝の1本のみが立ち寄るようになっていました。それも今回のダイヤ変更でいよいよ年1運行となりますが、95系統との掛け持ちは……同じ京都でも端と端ですから、なかなか厳しそうな気がします。


(経路変更前、1時間あたり3本が発着していた一の井町バス停)
下立売通じたいは何の変哲もない2車線道路ですが、周辺は人通りの多い住宅街ですから安全面から言えばバス路線は無い方が良いのかもしれません。しかし、こうした免許維持路線の存在はよく言われる手続きの煩雑さ以上に、こうした停留所の維持という側面が大きいのではないかと思います。最近では発着頻度に関わらず一時休止や移設といったケースもを見られますが、この下立売通について言えば、何らかの事情で大通りが不通となったさい、迂回ルートとしての側面を発揮するものと思われます。

この他にも五条通・天神川通を経由する80番台の系統が平日のみの運行となり、京都駅行きに至っては早朝1本にまで減便。さらに末端区間で経路変更が実施されたことで、丸太町通の一部区間は西行が休止区間となります。
今回ほぼ全系統で時刻変更が実施されたことで、番号付きの系統であっても乗車のハードルも様々に変化。もちろん実際の運用後はまた新たな発見があるでしょうし、「京大快速」の充当車種も気になるところです。いち愛好者としては乗車して支えることしかできませんが、春めいてきた京都をバスに乗って旅してみましょうか。

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2 コメント

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鞍馬での京都バスの回転場は正確には。 (Hiroshi-Yuuji Oda)
2018-03-21 21:33:15
鞍馬での京都バスの回転場がくらま温泉とありますが、正確にはそこから更に山道を登っていった簡易水道の浄水場近くのプレハブ建ての食品工場跡敷地です。

くらま温泉手前からこの回転場近くまで車一台が通れるだけの幅しかない道が続くので、双方に誘導員が配置されています。

ここは良く写真を撮りに行く所なのでその度に見る光景です。

あと、回転場は食品工場跡と書きましたが、時々バンが停まっているので、もしかしたら現在も時には使われているのかもしれません。
でも外観はどう見ても跡地なんですよね。
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Re: ()
2018-03-26 02:21:20
お返事が遅くなりまして申し訳ございません。コメントありがとうございます。
転回場はくらま温泉ではなかったのですね! てっきり、敷地内で折り返しているのかと思っていました。確かにストリートビューを見るとそれらしい空き地と誘導員さんの姿が確認できますね。
実は花背線沿線は小・中学校と山の家に行ったきりで、鞍馬から先はどうなっているのかほとんど知らないままでした。御教示ありがとうございました。
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