「トワイライトエクスプレス瑞風」を撮る その6

2019年04月15日 00時05分41秒 | 鉄道関係
4月も折り返し地点。
ここ最近は寒い日が続き、今年は例年以上に桜が持ちこたえてくれました。
先週は岡山へ行きましたが、やはり地元でも少し楽しんでおこうと思い、「瑞風」の運転日に合わせて土曜日は桂川へ。


見頃をやや過ぎた感はありますが、桂川・天神川合流点近くには立派な桜並木が続いています。
サイクリングやジョギング中の人々も思わず足を止めて撮っている姿が多く見られました。


さて、この桜並木に近付くには、いったんサイクリングロードを北上、JRの鉄橋をくぐり、一枚目写真手前を流れる天神川の人道橋を渡る必要があります。そのアクセスの悪さゆえに(鉄道は駅から遠く、車の乗り入れは不可)、これだけの好天でも人が少なく落ち着いているのが良いところ。
そうしてようやく間近に迫ってきた桜並木を通り抜けていくのですが……


中にはこのように倒れたまま花をつけている木もありました。
これは昨年関西を襲った台風21号の被害によるものです。あちこちで倒木の被害が出ていたことは知っていましたが、まさかそのままの状態で花を咲かせるとは誰も予想していなかったようで、4月頭のニュース等ではしきりに取り上げられていました。京都新聞の記事を以下に引用します。

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台風で根こそぎ倒れたサクラ満開に 京都「生命の神秘に驚き」 

昨年9月の台風21号で根こそぎ倒れたサクラの木が、京都市南区の桂川堤防で満開の花を咲かせている。根っこはむき出し、幹や枝も地面に横倒しになったままで花開き、春風に揺れている。管理する国土交通省淀川河川事務所桂川出張所によると、4月中に樹木医の診断を受ける予定だが、復活させるか撤去するかは未定という。花見に訪れた人たちは「痛々しいくらい懸命に咲いている。何とか元の姿に戻してほしい」と、台風被害を受けたサクラを見守っている。
 同出張所によると、台風21号の暴風で、桂川と天神川の合流点付近の堤防に植えられたサクラ約60本のうち、ソメイヨシノや濃いピンクの花が特徴のヨウコウなど10本が根こそぎ倒れ、6本が傾いた。同出張所によると、被害を受けているサクラは4月中に樹木医に見てもらい、復活する可能性があれば原状回復する予定という。

(後略)

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思いがけない形で桜の「根っこ」を初めて見ることになりましたが、元々サクラの根というのは相当広がるようで、そのために水を吸い上げることが出来、今回の開花に繋がったようです。とは言え、枯死している木や、枝が大きく曲がってしまった木もあり(赤コーンやテープで注意喚起されていました)、このまま放置しておくのは危険でしょう。次の台風が来る前に、何とかしてあげたいものです。


桂川の方の河川敷に下りてみると、いつもの景色が広がって安心。菜の花とのコラボも素敵です。

この背後にJRの鉄橋があるわけですが、ここで(まともに)撮れるのは一番北側を走る線路。
関西空港行き「はるか」の通る線路と言えば分かりやすいですが、梅小路から西へ向かう貨物列車や、向日町への各種回送列車も走る線路です。高校生の頃はよく来ていましたが、生活圏から外れ、日常的に自転車に乗らなくなってからはすっかりご無沙汰でした。


不意にやって来た221系。梅小路から向日町への回送です。
踏切等が無いので接近が分かりづらく、スピードも列車によってまちまち、時刻が不明な列車はただ構え続けるしかありません。(笑)

そして……


ようやく表題の「瑞風」が通過。
こちらは京都発時刻が公表されているので、構図を試行錯誤する余裕がありました。とりあえずは桜に菜の花と、思い通りのカットが撮れて満足です。


後追い。気動車の10両は圧巻です。
ここを通る夜行列車は「ムーンライト高知・松山」以来でしょうか。先日発表された「WestExpress銀河」も早朝に京都到着(→向日町で整備)となればここを通る可能性があるわけで、その折には是非ともここを走るブルーの車体を撮ってみたいものです。

ところで、瑞風と言えばTOMIX・KATOから相次いで製品化が発表され、(うちのレイアウト有効長から)当初はそれほど気にしていなかったのですが、TOMIXのセット構成を見ると5両基本セットがあり、


以前このようなもの(京都鉄道博物館展示回送)を見てしまった身としては、少し気になっているところです。(笑)

「瑞風」の続行で来た「ハローキティはるか」は、堤防の上から。


何度も見ていながら初めての撮影になりました。
装飾が分かりづらいので、もう少し車両を近付ければ良かったでしょうか。

せっかくのお花見日和なので、新幹線の方にも行ってみます。


ちょうど1枚目の桜並木の「中」になります。
これだけ立派でありながら、屋台が出ているわけでもなく、前述の通りアクセスに難があるせいか立ち入る人はごくわずか。桜が散ってしまえば、あとは釣り人がたまに来る程度になってしまいます。


10年前はバリエーション豊かだった新幹線は、技術の発展によってN700系ばかりになりました。
令和の新時代を前に、変わりゆくものと、変わらないもの。それでも、その時々の自分を見つめ直す場所として、いつまでもこの風景が続いてくれることを願うばかりです。

岡山のキハ40系を撮る

2019年04月12日 02時14分50秒 | 鉄道関係
桜の見頃を迎えた先週末。
例によって京都市内は大混雑するので、18きっぷ最後の1回分を使うべく府外へ赴きました。
と言っても、寝坊したので新大阪から新幹線に乗っています。最近はこういうことが増えましたね……。(苦笑)


降り立ったのは、まだまだ国鉄型車両が主役の岡山駅。
113系と117系に限って言えば京都でも見られる光景ですが、こちらとはまたバリエーションが異なるので見ていて楽しいものです。

さて、ここからは表題の通り津山線に乗車するわけですが、


13:05発の3938D快速「ことぶき」(キハ47 19+キハ47 1004)に乗ったのも束の間、法界院で降りました。付近には大学が点在していることから津山線唯一のICOCA対応駅となっており、「ピッ!」と学生に混じりながら18きっぷを呈示して降りると、ちょうど背後に聳える半田山植物園の桜が満開で期待通りです。
それにしても左側の1番線はなかなかの曲線具合。時刻表の上では朝夕に列車交換があるようで、4両編成あたりがうねうね~っと入線してくる様子を一度見てみたいものです。ホーム端の灯篭群? も気になるところ。

法界院駅を出てから住宅街を抜け、徒歩数分の陸橋へ。
ちょうど立て続けに岡山行きが来る時間帯なのでカメラを構えしばし列車を待ちます。


岡山13:35着の2927D(キハ40 2048+キハ40 2134)。
金川からの区間列車ですが、後ろの40系は初遭遇のノスタルジー塗装です。47系のペアは気動車区で休んでいたので今日の(少なくとも昼間の)稼働はこの1両のみのようです。この塗装は言わずと知れた国鉄型気動車一般色を模したものですが、同車を含めたキハ40系列は纏ったことがなく、言わば「ウソ電」を具現化したような出で立ち。しかしながら、各地で同様の事例が一応は受け容れられ、イベント列車等にも活用されているところをみると、やはりこのツートンカラーには人々の郷愁を惹起させるものがあるようです。


岡山13:56着の953D(キハ40 2036+キハ40 2049は)はややアングルを変えて。
右下に写り込む塀の内側は今のところ更地で残土が積まれていましたが、今後建物が経てば構図に大幅な制約を受けそうです。

撮影を終えてからは、津山行きの普通952D(編成は953Dの折り返し)に乗車。


牧山で降りました。岡山市街地からわずか20分弱でロケーションが激変します。
952Dは列車交換で3分停車。ちょうど2番線を3939D快速「ことぶき」(キハ40 2043+キハ47 85)が通過していきます。


列車が去ってから駅前へ。
人気はほとんどなく、時折車が通り過ぎていくくらいです。こちらも見事な咲き具合ですね。


周囲を散策してみると、駅から旭川を挟んだ向こうの集落には沈下橋? が延びています。
水量は少なめでしたが、柵がロープだけなのでなかなかスリリング。


渡ってみた先には小舟が係留されていて、歌でも詠みたくなるような雰囲気。(笑)
まさに「気淑く風和らぎ」といった具合の穏やかな天候です。

対岸には小規模な集落が広がっており、なんとか列車が撮れそうな場所を探してみたのですが、どうも難しそうだったので(山に登ることも考えたのですが、時間が読めないので)引き返して今度は駅の北側へ。


3940D快速「ことぶき」(編成は3939Dの折り返し)がやって来ました。先ほど同様に1線スルーの本線を高速で通過していきます。豊岡や四国の40系ばかり見慣れている身にとっては新鮮な速さです。(^^;

この後も立て続けに列車が来るので駅近くを散策しながら桜の木を探します。
ちょうど牧山駅の北側から築堤に差し掛かるポイントがあったので、反対の岡山行きはそこで一枚。


955D(キハ47 29+キハ47 43+キハ47 xx+キハ40 2082)はツーマン運転の4連!
当初はこれで岡山に戻る予定だったのですが、花見客対応の増結だったのでしょう、変更して正解でした。
願わくば地域色が残っている時代に来てみたかったですが、3月に訪問した香椎線然り、普段はせいぜい単行か2連の列車が4連以上になったときの迫力は堪りません。

ほどなくしてやって来る954Dは、築堤を降りて桜の下から。


行きに法界院で撮った2927Dの折り返しにあたります。今度はノスタルジー塗装を先頭で撮れました。


牧山での滞在は2時間弱、957D(キハ47 1022+キハ40 2093+キハ47 142+キハ47 20)で岡山へと戻ります。こちらも4連でしたが普通列車のせいか4両目はガラガラ。この区間では珍しく? 岡山までボックスを独占することができました。

岡山では帰宅客で混みはじめた吉備線761D(キハ47 1005+キハ47 2002)に乗り換え、足守で下車。
既に17時を回っていましたが、日没にはもう少し余裕があるのでもう少し桜を楽しもうという魂胆です。


吉備線にはあまり桜のイメージはなかったものの、足守手前で渡る足守川には桜並木が広がっています。
昼間は賑わっていたのでしょうが、この時間なので人もまばら。列車が来るまでしばしのお花見を楽しみました。


河川敷の桜と絡めての撮影は比較的自由度が高いので構図に悩みますが、764D(キハ47 45+キハ47 3001)はこのように。
吉備線は30分に1本ペースなので効率よく撮影できます。


763D(キハ47 69+キハ47 21)を撮って撤収。
ロングシート改造を受けたインフレナンバーが目立つ吉備線の40系列ですが、0番台のコンビや若番が見られたのは意外でした。豊岡ではトップナンバーを含めた初期車がバリバリ現役なのでイマイチ影が薄いですが、大都市で今なおこれだけの数が幅を利かせているのは魅力的です。季節や時間を改めて再訪したいと思いました。

時間は18時、766D(編成は761D折り返し)で薄暮の足守を後にして岡山へ。
駅弁を買って相生まで「こだま」でワープ、以東は新快速に乗り京都まで、何とか18きっぷの格好はつけたのでした。(笑)

常備券で途中下車の旅

2019年04月04日 02時46分51秒 | 鉄道関係
平成30年度の最終日となった3月31日。
18きっぷの消化を兼ねて、5年ぶりに姫新線の三日月駅を訪れました。


三日月駅は常備券を発売している簡易委託駅で、神戸支社管内ではここが唯一の存在となっています。
前回訪問時は金銭に余裕のない学生だったので姫路までの常備券を1枚だけ買うに留まりましたが、今回は最高額となる大阪・新大阪まで2日間有効の長距離券(2270円)を購入。帰路に実使用することとして姫路へ折り返します。


姫路では恒例の儀式(笑)としてえきそばを。
ホーム上は慌ただしいので新幹線乗り換え口の「まねきダイニング」に入りました。定期的に食べたくなるんですよね。


2日間有効を生かして途中下車し、姫路城へ行く人波を外れて姫路市立美術館へ。
ここも18きっぷシーズンのたびに訪れるようになりましたが、この日はコレクションギャラリー展の最終日。シュルレアリスムに焦点を絞った展示でした。
私のシュルレアリスムとの出会いは2011年の国立新美術館にさかのぼりますが、あの時は興味本位だったので「わけのわからないものをわけのわからないまま受け容れる」ことが出来たのですが、時が経ったいま接してみると、どうしてもキャプションの制作年代から当時の時代状況と作品とを照らし合わせて考えてしまいます。良くも悪くも絵を見ることができるようになったのかもしれませんが、何か一つお気に入りの作品を見つけよう、というのは当時からおこなっていることで、今回はベルギーの画家、ポール・デルヴォーの「海は近い」という作品に目が留まりました。幻想的な光の加減と妖艶な女性の姿、どこか夢のなかの風景を描いたような、そして見る者自身も夢をみているような感じにさせられます。「海は近い」というタイトルも良いですね。また、彼の他作品を調べてみると片隅に線路や軽便鉄道のような客車がよく描かれていて、これも嬉しい発見となりました。

美術館で思いのほか時間をかけてしまい、姫路駅に戻ったのは17時近く。ここから再び常備券を手に東姫路・ひめじ別所・須磨海浜公園・摩耶の4駅に途中下車し、以東は18きっぷに持ち替えていったん帰りました。
勘の鋭い方は何をしようとしているかお気づきかもしれませんね。


翌日は新元号「令和」の発表を受けて摩耶から再開。
三宮・元町をぶらぶらした後、隣の灘から歩いてみましたが、ちょうど虹がかかりました。雨が降ったり晴れたりでよくわからない天気でしたね……。


2日目は摩耶・甲南山手・さくら夙川・西宮の順に途中下車。
夙川の桜はまだまだ咲き始めといった具合でした。週後半から暖かくなるようなので、週末には一気に開花してくれるでしょうか。

そして、使い終えた切符はこのようになりました。


JRでは今や常備券でしか見られなくなった「平成」表記に合わせて(一部常備券も西暦に切り替えているようです)、平成の間に開業・改称した駅の下車印で揃えてみました(姫路を除く)。摩耶駅が営業時間の関係で意外と難しく(日中12~17時は係員不在)、2日間に分けての使用となりました。
下車印はいずれも日付がセットになった神戸支社や岡山支社で見られるタイプですが、よく見ると西暦と和暦が混在していて興味深いです。今回下車した駅は普通列車のみ停車の駅が多いことから使用頻度も低いでしょうし、この辺りはあまり厳密には決められていないのかもしれません。意外なところで残った和暦ですが、改元を機に西暦の下2桁への切り替えか、はたまた「1」でスタートか、今後の常備券の行く末ともども気になるところです。