線路際の名脇役

2017年09月27日 00時34分17秒 | 鉄道模型/レイアウト製作
レイアウトを再び弄り始めてから、バス通勤の車中ではいつもより風景を意識して観察することが増えました。
ちょうど洛中と郊外を往還しているので、オフィス街から住宅地、住宅地から丘陵地帯など、風景の「境界」がいまの観察の中心。
実物での処理がただでさえ制約の多い模型にそのまま応用できるとは限りませんが、出来る限り自然な情景を目指していきたいものです。

さて、何事もやる気のあるうちに。


元の川筋にウレタンの余りを埋め込んで、道路転用の準備を。
この後更に嵩上げして地面とフラットにしていきます。線路を跨ぐ部分は当然踏切になりますが、駅では毎時間列車交換が設定されているので、メインストリートはしばしば踏切渋滞を起こす……なんて物語も生まれてきそうです。

その駅構内ですが、


3番線の新設とホーム拡幅のため、柵を取り外し。
拡幅後は元ホームの1.5倍くらいの幅を予定しています。跨線橋を渡った先に詰所を兼ねた切符売場など置いても良さそうですね。

規模は異なりますが、


JRの跨線橋を渡ってアクセスする岳南電車の吉原駅など、イメージとしてはぴったりです(別に岳南側からの入口もあります)。
吉原駅は18きっぷで東京への行き・帰りの道中、新幹線ワープを兼ねて東京や名古屋までの硬券を買うために何度か立ち寄りました。今は範囲が縮小されてしまったようですが……。

道路やホームは大掛かりな作業になりそうなので、まずは出来るところから変化をつけようということで。
ジオコレのハエタタキ電柱を植えてみました。


とりあえず、シーナリーが出来上がっている駅構内の2か所に建植。




車両はいささか不釣り合いですが、たった1本だけでこれほどの存在感。風景として引き締まってきたような気がします。
現在ではなかなか見る機会に恵まれないハエタタキ電柱ですが、文字通り線路際の名脇役ですね。

買い物など

2017年09月26日 03時32分22秒 | 日記
ひとたび街へ出ると観光客の多さに辟易します。(笑)
街並みもそれを当て込んだお店ばかりで、確かにそれは繁盛しているのですが――空間として、少し変わってきたように感じます。
ホテルだの民泊だの、目先の観光需要にばかり囚われず、50年100年先を見据えた都市づくりをしてほしいのですが、果たして。

街からの帰りは、いつ動くとも分からないバスは苦痛なので阪急で。
ふと電光掲示を見やれば「快速特急 梅田」の文字が。そういえばと思い出し、ホームの梅田方へ歩みを進めると……


「京とれいん」が停まっていました。
対岸を走る京阪はついに有料指定席へと舵を切りましたが、無料優等を貫く阪急は「安うて早うて(以下略」の精神が受け継がれている気がして好感が持てます。6300系は十三駅のホームドア設置で去就が注目されますが、車両が代わってもこうした京阪間ノンストップの列車は残してほしいですね。


この車両も本線としては最後の1編成。
人が群がらないうちに(笑)、各ディテールを観察しておきます。

そして先発の準急に乗車し、西院で地下から出てきたところを一枚。


西院・大宮間は1931年に開業した京都初の地下線で、トンネル上の鷲が今も行き交う列車を見守っています。
扁額は「天人併其功(てんじんそのこうをあらわす)」。

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そして、街での買い物はこちら。(笑)


TOMIXのキハ53と、475系北陸色です。
キハ53は以前触れた小浜色塗り替え用でお目当てのもの、475系は予定外ながら気付けば掴んでいました。(^^;
これで福井県嶺南から新潟県上越まで、いろんな気動車と並べて一気に楽しむことができます。(笑) 初期製品なので末期の仕様とするには色々と手を加えてやらなければなりませんが、以前製作した青色のA22編成と繋げるのも楽しそうですね。

そして、小浜色と言えば……


この車両もやって来ました。
ただいま床下の加工途中ですが、近々ご紹介できるかと思います。

久々に……レイアウト再始動?

2017年09月22日 02時33分40秒 | 鉄道模型/レイアウト製作
車両の数が増えてくると、レイアウトもいじりたくなるものです。
今でも線路状態を維持するため定期的に走らせていますが、車両が周回しても風景が無ければ楽しさも半減してしまいます。
車両製作の方も少し落ち着いたところで(特にパテ盛り等は時間を置かなければなりませんし)、この辺りでレイアウト製作を再始動させるのも良いかと思い、早速少しだけ手を動かしてみたのが今回の記事です。

まずは置き場所の都合上、触りやすい駅周辺から……


ホームはかれこれ10年ほど前に木材から自作したものですが、側壁がのっぺらぼうだったのがずっと気になっていたので、GMの石垣を貼り付けてローカル線風のホームに仕立ててみました。
手前のホームは後から増設したので既に石垣を貼り付けていますが、これで両ホームともディテールが揃いました。


全て貼り終わったところ。
汚しを加えていないのでややグレーが目立ちますが、ホームとしては随分見栄えが良くなった気がします。
レールとの間にはゆとりを持たせていたせいか、車両が引っかかることはありませんでした。僥倖。

また、この機会に(?)手前にもう1線増やしてみようと思い、それとな~くスペースを確保。
かつての加悦鉄道が分岐していた丹後山田(現:野田川)駅のような、ローカル私鉄が国鉄の3番線を間借りしているような駅が理想なのですが、2~3両が置ける展示用も兼ねて、手前に何も障害物がない線路を用意したいと思っていました。
今はベースの発泡スチロールを切り欠いてウレタン等を差し込んだだけですが、増設に耐えうる台枠をきちんと作って、ホームを拡幅して、たとえば一日数本の特急が発着する際には束の間の満線状態となる「ローカル駅の賑わい」など演出してみたいものです。

それから、街並みの製作も課題です。


駅舎は街コレの写真館を改造した洋館風ですが、駅前風景は建物の配置がどうにも落ち着かず、依然手つかずのまま。
何となくですが、駅前一等地はバスの営業所にしたいなぁというのは考えています。

というのも、最近目にしたバス営業所で印象深かったのが、先月初めて房総半島を一周した折に途中下車した上総湊駅前。








天羽日東バスの営業所周辺が、まるでGMキット箱絵の世界でした。
ここまで大きな敷地を確保するのは難しいですが、エッセンスを凝縮して風情あるものを仕立ててみたいです。
現代の設定とするならば、駅舎は実は無人化されていて、実際はバス営業所に乗車券の発売が委託されているというのもおもしろそう。
こうした設定はレイアウトを作ったところで可視化されるものではありませんが、実はすごく重要だと思うんです。

線増によって、レイアウト隅の悩ましいスペース(笑)も考え直す必要が生じてきました。


今までは駅前が袋小路だったのですが、バス営業所を設けるならバスが自然に通行・転回できるスペースが必要です。
そこで、山沿いを流れていた川(水色)を付け替えてその跡を道路(黄色)とし、踏切を設けてレイアウト外へ逃がすことを考えています。

また、田圃だった隅っこのスペースにはジオコレの工場を置いてみました。もちろんこのままでは大きいので適宜切り詰めようと思いますが、手前の増設線のうちどちらか一方は工場内に取り込んで、短い専用線のように仕立てたいと考えています。
画像にもありますが貨物ホームからは本線に合流するダミーのポイントも設けなければなりませんし、新線計画のある(あった)未成トンネル周辺もまだまだ作り込む余地がありそうで、なかなかに情報量の多い一角となりそうです。

【単発】キハ53 1旧岡山色

2017年09月18日 01時48分40秒 | 鉄道模型/単発ものいろいろ
台風で潰れてしまった三連休。
仕掛中の車両を進めていきます。。。


表題通り、キハ53のトップナンバーを旧岡山色に仕立てました。
急行「砂丘」を撮っていらした方にはおなじみの車両かもしれませんね。キハ53と言えば21世紀まで生き残った小浜色には注目が集まりましたが、津山に居た数台はキハ120に置き換えられて90年代半ばには消えてしまったようです。

例によって中古で拾ってきたGMキットベースの前時代的な加工ですが、


栓受け・渡り板といった一部のパーツ置き換えと、1位側の窓埋めついでにGMキット特有のパーティングラインを消しています。

また、2エンジン車なので給水口を追設する必要があります。
ここは既に別の用途で切り刻まれたKATOのキハ28から流用しますが、裾が絞られているので、




角穴を開けて、


周辺を切り出して嵌め込みました。
少々のディテールの違いはありますが、ベースの青が暗いのでそれほど違和感はないだろうという算段です。

また、2枚目の画像にもありますが、前面の渡り板はキットそのままだと分厚いので、


トレジャーのパーツに置き換え、片方は倒した状態を再現してみました。
裏側から保持できるので破損の心配もなさそうで、変化をつけるにはもってこいですね。

塗装はサフを吹いた後、帯をGMの白3号で。


側面の帯は1mmと0,5mm、前面は2mmでマスキングしました。
画像では未施工ですが、前面から側面にかけて帯の太さが変わっていく箇所には斜めにテープを貼っておきます。
117系などにも同様の処理が見られますが、一種の流行だったのでしょうか?(笑)


青は手持ちのファルベ15号が紺色寄りの「いかにも」な事業用車の色だったので、京浜ブルーや白を数滴加えて調色。
北陸単色の青を作る過程と同じですが、あちらはもう少し明るめにしています。既に消滅してしまった塗装なのでWeb上の写真を見比べて判断するしかなく、ここは難しいところですね。


ドキドキの瞬間……!


まずまずの出来です。
前作の広島色とは異なり、全てイージーペインターで塗装したことで段差もなく、手すりもついでに塗り分けることが出来ました。(笑)


標記類は例によって寄せ集めです。
このテの車両は検査標記の位置が個体によって異なるのがおもしろいところですね。いまの車両は側面やスカートに記載されることが多いでしょうか。

窓ガラスを入れて屋根を嵌め込み、一気に完成へと持ち込みます。


床下はGM動力なので、キットの床下機器の他、KATOのキハ58から一部を流用しています。
というより、キハ58そのままを持ってきた方が正しいのですが、そこは床下を作り込めるキットの愉しみを満喫。


地味だと思っていたこの色、白帯を巻いているお陰で意外と存在感があります。


前作のキハ20と並べて。
ようやく芸備線が広島から備中神代まで繋がりました。(笑)

少数派のキハ53ですが、あとは小浜色と高岡の1000番台を作ってみたいですね。
先日、氷見線のキサハ34セットが入線したことによってその機運はじわじわと高まっています。(笑)

淡路交通の中扉付きエアロを撮る

2017年09月11日 00時47分36秒 | バス関係
久々に(?)バス関係の記事です。
京都市バスは通勤で毎日利用しているのですが、すっかり「乗り」がメインになってしまいました。(笑)

この夏は(も)18きっぷを利用し、主に関東方面に赴いたものの、残り1回分を余らせたまま最終日にを迎えてしまいました。
消化を兼ねての日帰り旅も毎度の楽しみですが、色々と考えた結果、結局は例によって(?)気軽に行ける姫路方面へ。
新快速は混むので快速でまったり。しかしどこかで途中下車したいと思っていたところ「舞子」のアナウンスが。
「そういえば!」と思い出して急ぎ淡路交通のHPを調べると、引退予定の中扉付きエアロがちょうど来ることが分かったので迷わず下車と相成りました。


舞子駅を出て高速のバス停へ上がるとお目当てのバスがすぐにやって来ました。
ここは以前徳島へ行く際に利用したことがありますが、淡路島内行きのバスを見るのは初めてです。バスの車種にはまだまだ疎いところがあるのですが、この顔のエアロも最近は数を減らしてきたような気がします。

乗車が済んだところで、この車最大のポイントである中扉に近付いてみます。


車体中央から開く中扉。全国でもここだけの光景です。
そもそもこのバスはかな~り以前にネットでその存在を知って「ここから乗るのか!」と驚いた覚えがありますが、今回ようやく実見が叶いました。
通常の高速バスは乗降扉が前に1つありますが、ここ淡路交通では「島の足」、路線バスとしての側面も有しているため、特別仕様で設けられたのがこの中扉。ラッシュ時のスムーズな乗降に大きな貢献を果たしたと思いますが、経年により数を減らし、最後の1台も平成30年6月末での引退がアナウンスされました。

せっかくの機会ですから乗車も考えたのですが、路線バスとは言え高速を走るので「ちょい乗り」でもそこそこ高く、幾ら行き当たりばったりの日帰り旅でも鉄道のない淡路島は恥ずかしながら無知に等しいので、改めての乗車を誓って見送ることに。


発車。
柵があるのですっきりとは撮れませんが、扉が閉まると見た目は通常のエアロと遜色ありませんね。


明石海峡大橋を渡る後姿を見届けてから、再びJRで姫路方面へ。
この後の行程も別項で紹介したいのですが(そして、冒頭触れた東京行も少しずつ書いてはいるのですが)、なかなか納得する文章に辿り着きません。こうして小出しにしていった方が良いのかも。(笑)

【単発】キハ20 519広島色+α

2017年09月04日 02時25分23秒 | 鉄道模型/単発ものいろいろ
9月に入り、ようやく涼しくなってきました。

113系製作の傍ら、寄り道です。(^^;


実車では保存車を除いていよいよ絶滅してしまった広島色ですが、模型では再現し放題……(^^; ということで、鉄コレの島原鉄道をそのまま塗り替えました。
本家TOMIXのキハ20系列とは微妙に異なるボディで、サボ類も省略されていますが、却って塗装がしやすいと判断。
以前は518番の加古川色をKATOベースで製作したのですが、実車に目を向けると518~520の3台が後に広島に転属のうえ塗装が変更されており、今回は518番と同時期に広島に転属した519番の「その後」として製作しました。

塗装は概ねセオリー通りですが、まずは全体に灰色9号を吹いて裾を0.5mmでマスキング。


次いで車体中央の帯となるダークグレー(GM35番)を吹いて0.7mmでマスキング。
この帯は裾と同寸のようにも見えますが、キハ20は他系列に比べてステップの出っ張りが長いのでやや太めの0.7mmとしました。

そして車体下半分のアイボリーですが、手持ちのGM21番(缶スプレー)の残量が少なかったので、急遽GMの白3号にクリーム1号を少量、更にMr.colorのイエローを数滴混ぜて調色の後、イージーペインターで塗装しました。上半分の黄色はファルベの黄5号をそのまま吹き、


概ね理想の色合いに。


直線ばかりのマスキングですが、40系列に比べると凸凹の多いボディなのでやや吹き込みが見られます。
段差もついてしまったので、


今回新しく導入したラプロスクロス4000番で軽~く磨き、再度黄色を修正吹きして各部をタッチアップ。


幾らかマシになりました。
また、この時点で手すりにはアイボリーを差しています。多くの広島色車は手すりが黄色に塗られていますが、この車両を含め何台かは白色だったようです。


標記類はTOMIX・GM・富士川の混合。


GMのキハ23用デカールはややオーバースケールですが、存在感があります。

と、ここまで来たところで、


雨ドイのグレーを忘れていたので、慌てて塗装(中央のダークグレーと同色)。
当然ですが標記類を貼った車体にマスキングテープを貼ると剥がれてしまうので、紙でぐるぐる巻きにして境界に近い部分のみテープを使用しています。
その後、青色のJRマーク(自作デカール)を貼り付けてクリア保護をおこない、ガラス・床下類を嵌めて完成となりました。


以前製作の518番との並び。
前照灯がブタ鼻(519)と1灯(518)とで違いが見られます。


客用扉上の「禁煙車」表示はこの時代らしいですね。
今や禁煙車は当たり前のものとなり、喫煙車でまともに走っているのは新幹線の700系かサンライズくらいでしょうか。


既に塗り替えた広島色気動車との並び。
高運転台のキハ23や40・58系列は一定数が存在していたので見慣れていますが、この低運顔の広島色はキハ20と30のみ。とりわけキハ20は黄色く塗られた広いオデコが独特で目立ちます。雑多な気動車が同一の地域色で塗られているのがJR草創期らしくて何ともたまりません。

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また、クリア保護の際ですが、合わせて、


標記類を入れたままにしていたTOMIX・キハ183「サロベツ」も一緒に塗装しました。


前面窓は外すのが難しそうだったのでこんな感じで無理矢理マスキング。(笑)
しかし、これはこれで窓枠のテカリが抑えられるので効果はあります。


ランボードの水色塗装も実施しました。上から見る機会の多い鉄道模型ですから良いアクセントになります。
「オホーツク」も同様にディテールアップしてやりたいところですが、ポリカ窓枠の現行仕様にしたいのでストップしています……。

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そして、後ろに写っているのは入線したばかりのTOMIX・キハ58(氷見線・キサハ34)セット。


綺麗な高岡色(二代目)が再現されています。
以前製作したキハ30と並べてみると……分かってはいたものの、全然色が違います。黄色も広島色の黄色ではなく、もっとビビッドなイエローですね。(笑)
これを色見本にして塗り直してみようかな……。


これまた以前製作の初代高岡色との並び。レイアウト上が一気に華やかになりました。
前面のバーコードとオデコの薄~い灰色もバッチリです。中間に入るキサハは2番のペアにしましたが、両端のキハ58・28は改めて車番選定のうえ、所属標記類の貼り付けをしてディテールアップしたいと思います。