北びわこ号を撮る

2016年10月13日 00時23分12秒 | 鉄道関係
連休中の9日(日)は「SL北びわこ号」を撮りに行ってきました。
乗車したのはもう2年前のこと。その間に客車列車(とりわけ国鉄型)を取り巻く環境も激変し、つい先日はJR四国の12系・14系がEF65に牽かれてはるばる東武鉄道へ甲種輸送されたのも記憶に新しいところです。
その12系と14系、JR時代は「ムーンライト高知・松山」として季節ごとに京都にも顔を出していました。




当時の写真です。08年3月27日なので、高3に上がる前の春休みということになります。
おそらくこのなかに先日の東武譲渡組も含まれていることでしょう。運転終了後は高松で放置されていたのを何度も見かけましたが、まったく世の中何が起こるか分からないものです。

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そうした昨今の動きに刺激されてというわけではありませんが、「やまぐち号」は客車の新造と合わせてD51の復活が決まった一方、それによって置き換えられる予定のC56が牽くほぼ原型の12系「北びわこ号」は今や貴重な存在。ふつうに走っているうちに一度くらいは「らしい」場所で撮っておきたいと思ったのです。
とは言え、朝はゆっくりしていたので午後の2本目がメイン。(笑) 昼前の新快速で京都を経ちました。


米原到着前の車窓右手には……12系客車が待機しているのが見えます。
パッと見の状態は良さそうですが、今後の去就が気になるところ。


木ノ本方のスハフ12は外幌で後方監視窓が細長いタイプです。
機関車はこちら側に付くので、回送くらいでしか顔を見る機会はありませんね。

さて、新快速を田村駅で降り、北東にある田村山を目指します。
駅から15分ほどで琵琶湖を望む頂上に着きました。


湖北を行く223系。
何度も見て分かっていることではありますが、ふだん見ている新快速の末端区間はこんなにのんびりとしているのだと改めて驚かされます。


「北びわこ」の露払い役(?)、少し遅れて通過した681系の「しらさぎ7号」。
近年、白い車体の特急車が増えたせいか少し没個性的にも見えますが、どのような沿線風景にも似合う外装だと思います。


数分後、田村駅の方から汽笛が聞こえるとともに、「北びわこ号」が定刻通りに姿を現しました。
こうしてサイドから見ると大柄な12系客車と比べてC56が随分と可愛らしく見えるものです。誰が名付けたのか「ポニー」の愛称も宜なるかなといったところ。


米原から長浜はノンストップなので、意外と早く走っていきます。
少しだけ期待していた煙は……結局ほとんど出ることはありませんでした。今回撮影するにあたって色々と調べてみたのですが、「北びわこ」の煙は定番撮影地を除くと時間や天候によって随分と左右されるそうで、思い通りの画になるかは運次第。それが短区間とは言え四季折々の湖北を駆けるのですから、様々な場所やアングルでトライを続けるリピーターの多さも頷けます。




幾らかの課題は残しつつも、「北びわこ」らしく琵琶湖をバックに、そして長浜城と共に収められる田村山俯瞰は一度訪れてみたかったので、この日はこれで満足。


田村駅は敦賀直流化の際にそれほど手を加えられていないようで、昔ながらの駅構内の雰囲気を残しています。
ちょうど上下の列車が同時に来るのでどちらに乗るか迷いましたが、とりあえず隣の長浜まで移動。


駅南にある旧長浜駅舎を再利用した「鉄道スクエア」へ。
かつての長浜駅は現在で言うところの東海道本線と接続していたことから、明治期における東京・神戸間の鉄道写真がパネル展示されていました。
京都近辺では桂川や鴨川に架かる橋梁の写真がありましたが、私はいずれも初見のものばかり。身近な風景の古写真を見るとつい現在の風景と脳内でオーバーレイさせてしまいますが、橋梁に関してはほとんど変わらないですね。(笑)
ちょうど先日の京都新聞では初代京都駅(七條ステイション)のことが触れられていたこともあり、個人的にはすごくタイムリーで、時間潰しのつもりがそれ以上の知見を得ることが出来ました。


長浜駅の周辺をぐるりと歩いていると、「北びわこ」回送用のEF65が単機で通過して行きました。
北陸本線を走る直流機の姿はまだまだ新鮮に映ります。とは言えあの敦賀直流化からはや10年、おかげで何度も嶺南地域を訪れるようになりました。

回送は前回乗車時に撮影したので今回はパス(軟弱)、帰りは近江塩津まで北上し、湖西線経由で帰路につきました。
「鉄道の日記念乗り放題きっぷ」は青春18きっぷの1回分(2370円)と違い3000円なので、近場でモトをとろうとすると少し苦労します。(笑)

運用減! 奈良線の103系

2016年10月08日 10時29分12秒 | 鉄道関係
10月2日より京阪神地区のJR各線でダイヤ変更が実施され、103系の運用に変更が生じています。
地元奈良線では一部で221系に置き換えられる列車があり、日中に221系の普通が登場するようになりました。
221系の普通運用じたいはこれまでにも遭遇したことがあり、何も今に始まったことではありませんが、てっきり阪和線の205系が黄緑の「山手線カラー」を纏って転属してくるのかと思いきや、「みやこ路快速」でおなじみの221系が幅を効かせるようになるとは驚きです。いずれは環状線のように3扉車で統一される日が来るのかもしれません。

さて、2日は宇治の茶まつりに参加してきたので、さっそく奈良線に乗る機会がありました。
京都から乗車した12;19発の普通は221系で、途中で遭遇した対向列車のうち最初の2本が221系、3本目にしてようやく103系の姿を見ることが出来ました。後で入手した駅置きの時刻表では丁寧に運用が記されており、見ると「激減」とまではいかないものの、実際に乗車してみると置き換えを実感させられます。


今後は日常のものとなる221系の「普通」奈良行き。
休日の行楽でたまに乗車する私などは「乗り得」に思ってしまいますが、平日のラッシュ時や行楽シーズンではあまり遭遇したくないのが正直なところ。221系も更新によって座席数が減り、京都駅ではホーム拡張などの改良工事が進められつつありますが、それでもロングシート車の方が詰め込みや乗降のしやすさにおいては格段に勝っていると思います。嵯峨野線もまた然り……。

京阪電車を横目に、宇治川を渡ると宇治に到着。
線路沿いの道を徒歩で引き返し、いつもの賑わいを見せる観光地界隈をくぐり抜けると興聖寺に辿り着きました。
お昼を過ぎていたこともあって最後に近いお茶席でしたが、そのぶん人も少なく、秋らしいお道具の数々で季節の移ろいを実感することが出来ました。

そして、帰りはやっぱり……


奈良線で1、2を争う撮影名所、宇治川橋梁に寄り道。
これまでの宇治訪問はその大概がグループでの観光モドキだったこともあり、じっくりと腰を据えて撮影するのは初めてです。


連日の雨の影響もあって川は増水。
いつも以上に流れが早かったので、列車と一緒に流してみました。たまたま上下で103系が行き交う時間帯だったので、効率良く。

駅に戻るとこれまた103系が滑り込んできました。
「なーんや、全然減ってへんやん!」と思いつつも、今後も段階的に置き換えられていくでしょうから、こうした光景も近いうち見納めとなることは確かです。
快速の待避で数分停車することがわかっていたので、駅横の観光案内所でソフトクリームを食べ、この日初めての103系の車内へ。
帰路とは逆の奈良行きですが、これには理由がありまして……。


城陽を過ぎると車内も閑散として、車窓には山城の田園風景が広がります。
思えば奈良線の宇治以南にはあまり馴染みがありません。良さそうなロケーションも幾つか見つけたので、103系がこれ以上減らないうちに今度は沿線撮影に訪れたいものです。


乗車していたクハ103-168は、今や貴重な非ユニットサッシの初期型。
これが来たから反対方向でも厭わなかったのです。扉には化粧板が貼られ、ステンレスむき出しが大多数の103系にあっては異彩を放っています。
対向の103系はドア窓にHゴムが無い金属押さえで、数を減らしつつもなおバリエーションの豊かさを実感。最後まで残るのは、果たしてどの編成なのでしょうか……。


宇治から40分ほど、高架の奈良駅に到着。
奈良じたいもあまり来ることがないので高架駅がいまだ新鮮に映ります。


京都方の先頭車、クハ103-167。
屋根肩まで張り出した大き目のランボードが特徴です。


中間の2両は通常の細いランボードです。
こうした違いは模型で作り分けると楽しそうですね。


観察の時間はあっという間、僅か4分で京都へ折り返して行きました。
真っ先に廃車候補となりそうな初期型ですが、いましばらくは持ちこたえてくれるでしょうか。

お目当てが去っていったので、私も帰ります。
来た道を戻るのもつまらないので、奈良市街をとぼとぼ歩き……


近鉄特急(手前のビスタカー)で帰ってきました。
このカラーリングもリニューアルが進むと見納めになりますね。

今まで、そこにあることが「当たり前」だったものが予期せず(していたとしても……)立て続けになくなっていくことに、大きな驚きと寂しさ、そして自身も歳を重ねたことをつくづく実感させられます。