EVO103系を組み立てる その6【完成】

2013年08月31日 23時46分07秒 | 鉄道模型/製作中-103系・広B09編成【完成】
前回の続きです。
夏休みの宿題、というわけではありませんが(実は数日前に完成していました)、キリよく8月中に完成を迎えることが出来ました。

さて、前回塗装した運転台の仕切りを実装します。


前面窓越しに。


妻面側から。
やはり効果的ですね。余裕があれば運転席周りを作り込むのも良いかもしれません。

次いでM車・モハ102の床下機器を貼り付けていきます。


床下機器の設置に先立って、ダイキャスト部分を黒塗り。


グレーに塗装した床下機器を適宜カットして貼り付けていきます。両端はほぼ無加工で取り付けることが出来ました。


いろいろと考えた結果、中央の床下機器はこのようにギリギリまでスライス。


上辺に瞬着を少量塗布して貼り付け後(この段階では仮止め)、下から1mmプラ丸棒を噛ませ、更に瞬着を垂らしてしっかりと接着していきます。平行と垂直に気をつけるのがポイントです。




機器の貼り付けを終え、瞬着で白化した部分もタッチアップを済ませたところ。
私が理想としている「T車のようなM車の床下機器」が再現出来ました。

そして…


広島運転所103系・広B-09編成の完成です。

以下、各車プロフィールを。


クハ103-161
糸崎方先頭車。


モハ103-239


モハ102-394(M)


クハ103-160
岩国方先頭車。

私にしては珍しく(?)、思い付きから約1ヶ月間のスピード製作でした。
今回は新しいキットの感触を確かめたいことから、床下以外は素組みに拘った製作(結果、床下では思いのほか苦労しました…)を実践してみましたが、製作のしやすさ、造形の的確さという点では従来のGMキットとは一線を画すもので、仕上がりもそれなりに満足のいくものとなりました。
電車の編成ものを製作したのは初めてのことですが、まさにEVOキットが標榜するところの「作る楽しみ再発見」を実感出来た製作であり、今後のバリエーション展開なども大変興味深いところです。


103系の完成とほぼ時を同じくして、来週にはTOMIXのキハ40系更新車も入線予定。
広島地区の車両が一気に増えることになります。

EVO103系を組み立てる その5

2013年08月27日 01時49分08秒 | 鉄道模型/製作中-103系・広B09編成【完成】
前回の続きです。
いよいよ屋根と床下、機器類を塗装し、実車で言うところの艤装に入っていきます。


ベンチレータを塗装したところ(塗料については後述)。
ゲートが取り付け足に設けられているので特段の修正は必要なく、このようにランナーごと塗装が出来るようになっています。これならば紛失の心配もありませんし、切り離しもニッパーを使わず指でクルッと折り取ることが出来るのも魅力的です。
従来のGMキットの場合、後付けの部品は1つずつ切り離してバリを整形、個別に塗装…という段階を踏まざるを得なかったのですが、このような細々した部品扱いの煩雑さがキット離れの一因となったこともまた確かであると思います(もちろん、大部分は完成品の台頭にあると思いますが)。
キット製作に面倒臭さを言うのは些か本末転倒ではありますが、こうしたメーカー側の細かな配慮も今後のキットには求められてくるのかもしれません。


続いてGM35番で塗装した屋根にベンチレータを取り付けていきます。部品同士の合いがちょうど良かったので接着剤は用いていません。
細かい造形がなされた台座もこれで見納め、後は屋根との隙間から僅かに覗く程度となります。


加工したランボードはこのような結果に。奥は比較用の岡山色です。
実は当初「大型」と紹介したのは誤りで、詳しく調べてみると、これは冷房改造が施工された鷹取工場特有のランボードだそうです。
お詫びがてら実車画像を…


13/08/17 クハ103-168 木津
先日、ちょうどその「斜めランボード」を有する数少ない現役車に遭遇する機会がありました。


拡大。
ランボードの型が斜めに降りているのが分かります。元の屋根肩のカーブも僅かに残っていることから、決して「大型」とは言いにくいですね。


とは言え、通常のランボードと比べて形状が異なるのは確かで、多少大げさながらも再現は出来たと思っています。
ところでこの屋根を塗装したGMの35番、元々の仕様なのか単に粒子が荒かったのかは分かりませんが、図らずもスエード調のように仕上がって実車に近い質感が再現出来ました。


床下と台車は先行してT車3両のみ塗装。
スカートが金属部品であることと、台車は塗料の乗りにくいプラなので、今回は初の試みとしてMr.の「プライマーサーフェイサー」なるものを使ってみました(屋上機器類も同じ)。実車の床下はもう少し暗めのグレーですが、機器や台車の表現にメリハリが生まれるという点では良いかもしれません。
そして画像からも分かるように、クハの床下機器は実車よりもスカスカになっています。これは完成後であっても後付けが可能な部分故、手持ちに適当な機器が無かったために現時点では止むを得ず省略としました。何卒ご容赦を…。(笑)


加工したモハユニットの台車もこの通り。移植した機器もプライマーサーフェイサーで圧着されたことで、丁寧に扱えば破損の心配もないと思われます。


動力車と台車を同じくするモハユニットのT車もKATOの台車を加工して使いますが、台車を留めるビスの両側にKATO特有の補強モールドがあるため、そのままでは腰高になってしまいます。
ここは台車の取り付け部分を可能な限り削り込んで対処しました。


動力車は初回でも触れた通りKATO製キハ20のもので代用しますが、窓ガラスのツメをKATO製品の床下に合わせて切り取って組んだ場合、上手くフィットはするものの少々腰高になってしまいます(おそらくKATO純正の103系床下を使えばきちんと収まるのでしょう)。
キハ20は車体裾にステップを有しているので多少の腰高は気にならなかったものの、ステップなしの103系ではこれが目立ってしまいます。
こうした課題を解決するのもキット製作の醍醐味ということで…


窓ガラスの下辺をギリギリまで切り取って、動力側も現物あわせで切削。


仮組み。
カバーが窓上に来てしまいましたが、何とか許容範囲です。これでT車と同じ車高となりました。
因みに側面の行先表示は単線レイアウトでも似合うように「可部」、反対側は「快速 広」としています。
それぞれ岡山色の塗装済キットに付属していたものを使いましたが、幕の位置が近接している先頭車(160番)の行先表示はどうやら使われていないようで、ここでも広島支社らしさを感じます。
追って動力車の台車・床下機器も塗装します。

次に室内加工へ。


室内の作り込みとして、T車の座席にはカットした画用紙を貼り付けました。実車はもう少し暗めの色ですが、屋根を載せると余計に暗くなるので、模型映えを狙って明るめの色を使用。


仮組みして光に当てるとこのような感じです。袖仕切りなども再現したくなってきますが、今回は割愛。


キットに付属する運転台の仕切りは表裏を違う色で塗装してみました。
芸が細かいことに配電盤やHゴムまで再現されています。小さい頃はこの覗き窓に身長が届かなかったので前面展望が叶わず、当時最新鋭だった221系や207系を好んでいた覚えがあります。

さて、残るM車の床下機器ですが…


床下機器を適宜分割・切削してダイキャストに貼り付けていきます(画像は仮付けの段階)。
今回は機器加工のしやすさを優先してパンタを有さないモハ102をM車としていますが、それでも中央部分はかなりの削り込みが必要ですね。

EVO103系を組み立てる その4

2013年08月24日 11時31分19秒 | 鉄道模型/製作中-103系・広B09編成【完成】
前回の続きです。
一度はカタチにしたものの、前面のスカート部分が少し気になったので高さを修正していきます。


金属製のスカートは脆い上、既に瞬着で強固に接着してあるので取り外しは困難。
ヘタに扱うと破損の恐れもあることから、ここは床板の先端部分をざっくりと切り離すことにしました。


適当にカットした0.5mmプラ板をスペーサーにして、補強を加えた後に再接着。


仮組み。
床板は固定していないので車高はまだバラついていますが、スカートが下がり、見た目にも安定感が得られました。
前面の列番・行先表示窓のガラスも貼り付け始めていますが、これは塗装後に表から貼り付けるガラスパーツのため、Hゴムが車体から出っ張るように仕上がってたいへん実感的です。もっとも、広島支社では前面行先表示が使われないので白幕にならざるを得ないのが悲しいところですが…。


再び岡山色とのツーショット。
塗装済キットの岡山色はもともと車高が高いのでスカートもそれほど気にならなかったのですが、やはりこれくらいの高さがベストのようです。

次に、上の画像でも見えていた連結器の加工に入ります。


先頭車の連結器はダミーとするため、GMキットの部品ストックから栓受けを含む土台のパーツを持ってきます。


連結器の本体はKATOカプラーをコンパクトに加工。


穴を開けた胴受けに、加工したカプラーを差し込みます。


組み立てたダミーカプラーを床板に接着した後、細切りしたプラ板で周囲の胴受けを作っていきます。胴受けの先端は補強も兼ねて床板と接するようにしています。
この辺りは本来であれば製品のダミーカプラーを使用するのが最も王道であり近道なのですが、手元に部品も無かったので雰囲気モノということで妥協します。


仮組み。塗装をすれば「らしく」見えるでしょうか。
しかしながら、片方の栓受けが垂れ下がり、胴受けも太くなってしまいました。要修正ですね。

EVO103系を組み立てる その3

2013年08月18日 16時34分11秒 | 鉄道模型/製作中-103系・広B09編成【完成】
塗料切れで中断していた塗装作業が4両とも終わりました。


可もなく不可もなく、と言った感じでしょうか。
塗り分け自体はシンプルなので、いずれ115系なども製作してみたいものです。

床下の加工に入っていきます。


前回、ベースを作った床板に0.3mmプラ板を貼り付けてロングシートの座面を再現していきます。幸い窓ガラスのツメは座面に干渉しない位置だったので難なく進みました。
先頭車は運転台の仕切りがキットに付属しているのですが、現時点ではまだ取り付けていません。


タヴァサの西日本型スカートを取り付けます。ご覧のように細くて脆いパーツなのですが、きちんと折り曲げて接着するとそれなりに強度が出ました。


スカートを取り付けた状態で仮組み。
どうも奥まっています。前面窓と一体のテールライトレンズが干渉しているのが原因のようです。


そこで、可能な限り床板の両端を切り欠いて、前面ガラスのライト部分もギリギリまで削ってみました。
台車には排障器(GM製)も取り付けてアクセントを。連結器はダミーカプラーを考えています。


再度仮組み。
これでスカートが前に出ました。もう少し下方にあると理想的でしょうか。
隣の岡山色は勢いで買ってしまった塗装済キットを組み立てたものですが、こうして並べると同じGM製品でも前面窓の大きさや屋根のR、ステップなどに差異が見られ、「103系の決定版」と謳うEVOキットの本気が窺えます。

EVO103系を組み立てる その2

2013年08月07日 14時08分30秒 | 鉄道模型/製作中-103系・広B09編成【完成】
前回の続きです。
塗料の関係でまだ全車塗装が出来ていないのですが、先に床下をメインに作っていきます。
普通に床下セットを買っていれば不要な工程ではありますが…。


T車3両の床板のうち、2両は18m級の床板を使うので、適当なところで切って20m級に延長します。
室内は少し作り込む予定なので、ウエイトは補強を兼ねて床下に接着しました。


続いて、室内のロングシートを簡単に再現すべく、床板にプラ板を貼り重ねていきます。


床板を延長して、ロングシートの土台を再現したところ。
ここから各座席の幅に切ったプラ板をドア間に貼り付けていく予定です。


床下機器は手持ちのジャンク品を活用し、実車写真を参考に並べ替えていきます。
こうして作っていると旧いGMキットの床下機器はデタラメが多いことに気付きますね。(^^;


一段落したところで、車体と合わせてみました。
キット付属の窓ガラスは他社製品の床下に合わせてツメが多めに設置されていますが、試しにGM用に合わせて説明書通りに切り取ると、ちょうど適正な車高に。
旧来のGMキット床板と今回のEVOキット床板は同じ車高なんですね。

続いて台車の加工です。


動力はKATOのキハ20系用を使うのですが、そのままではDT22台車となってしまうため、細部が異なります。
そこで手持ちのDT33台車から機器の一部を移植して貼り付け、DT33をそれらしく再現…としていますが、ポロッと取れてしまいそうで、扱いには注意が必要ですね。
台車は後ほど、床下機器共々グレーで塗装する予定です。

そして屋根の加工。


B-09編成の屋根上は、全車に大型ランボードが設置されています。
キットそのままのランボードでもあまり問題のないポイントではありますが、上から眺める機会の多い鉄道模型ですから、アクセントの意味合いも込めて再現することに。
元のランボード下の肩部分を切り取って(写真上側)0.3mmの帯状プラ板を沿わせて埋める(写真下側)といった簡単な加工ですが、これだけでランボードがゴツく見えてくるから不思議です。

※おまけ


月曜日に日帰りで広島へ行った際、呉線でD-01編成に乗ることが出来ました。
最後の原型クモハ103の快速運用はなかなか乗り応えがありましたが、黄色に塗られた車体はかつて福知山線から東海道線に乗り入れていた京都行きの103系を彷彿とさせ、小学生の頃に早起きして見に行ったことを思い出しました。

EVO103系を組み立てる その1

2013年07月29日 16時10分06秒 | 鉄道模型/製作中-103系・広B09編成【完成】
先日、グリーンマックスから満を持して発売された「エボリューションシリーズ」。
「作る楽しさ再発見」と謳う老舗キットメーカーの新たな挑戦、その第1弾はオーソドクスに103系ということで、当初は店頭やネット上で様子を見るに留めていたのですが、従来のGMキットとは一線を画すシャープな出来の車体を見るたびに製作意欲は刺激される一方。
しかし、馴染みのある関西の103系は戸袋窓が埋められたものしか現存せず、そちらは既に塗装済みキットとしてラインナップが充実しているため断念。ならば戸袋窓を有している105系をと考えたのですが、こちらも鉄コレが発売されたばかりで、そうなるとやはり素組みしか選択肢が残されていません。

そこで、103系のなかで、出来るだけ車体に手を加えずに製作出来る編成、近年まで走っていた編成、いま手持ちの車両と並べられる編成を改めて調べた結果、2011年初頭の廃車まで戸袋窓を有していた広島のB09編成がヒット!
うちには「瀬戸内マリンビュー」があるので並べられますし、呉線や可部線でも活躍していたことから、単線レイアウトにもよく似合います。
それに、クリームに青帯の瀬戸内色は個人的にも好みの塗装。いずれ末期色化で消えゆく運命にありますから、そうした地域色を手元に残すのもまた模型の醍醐味ということで…。


用意したのは先頭車と中間車セット。
4両基本セットにはクモハ・サハが含まれているため、クハ-モハ-モハ-クハの4連を組む場合はこのような買い方になります。
パッケージから何から従来のキットとは全く異なる仕様。


そして素組み…のはずですが、床下はありあわせのもので済ませます。
本来ならば床下セットを買うべきなのですが、予算の都合とジャンク品の有効活用を兼ねて、床板・床下機器は従来のGMキットのものを、動力はKATOのキハ20用を使うこととします。
(GM床板のうち2両分は18メートル級のものなので、適宜延長が必要ですが…)

まず屋根の加工です。


説明書通りに一部の手すりを削り、アンテナ類の穴を開口。
共通部品を用いて形式に合わせて削っていく「GMキットらしさ」が健在で嬉しいところです。
もっとも、これは型を1種類で済ませるコスト削減の意味合いが大きいのだと思いますが、加工してこそのキットですから、こうした作業も楽しみの一つです。


クーラーもキット付属のものを使います。
説明書には2.6mmのピンバイスで開けるよう書いてありますが、手持ちのピンバイスで一番太いものを使って開口し、後は丸ヤスリで少しずつグリグリと拡大していきました。


前面は2灯化するので付属のパーツを取り付けます。
ガラスパーツなので破損や紛失が気になるところですが、何とか無事に取り付けられました。
ボディの印象把握は良好で、バリやパーティングラインの類が一切見られないのも評価出来るポイントでしょう。

車体を洗浄して、さっそく塗装に入ります。
いつも通りの缶スプレー、使用したのはGM5番(クリーム1号)と16番(青20号)。


まずは帯の青を吹きます。
単色のイメージが強い103系。この塗色もありそうな気がしますが、視認性の問題でアウトでしょうね。
確か、インドネシアに渡った同車も紺色ベースながら警戒色の帯を纏っていたと思います。


続いて帯をマスキング。
ズレないよう、先に上半分を覆ってから帯幅に切ったテープを下辺に沿わせていく方法を採りました。
単純なマスキングほど直線の乱れが目立ってしまうので、ここはそれなりに時間をかけました。


そしてクリームを塗装。
前面は修正吹きを要しましたが、無事に瀬戸内色が姿を現しました。
改めてボディを眺めると前面や乗務員扉周りの彫刻が秀逸です。幸か不幸か(?)時期を同じくしてTomixから103系のHGモデルが出ましたが、引けをとらない出来なのではないでしょうか。


試しに窓ガラスを取り付けてみると、それはもう紛うことなき原型の103系。
ガラスの合いも良く、こんなにアッサリと仕上がってしまったことに少し驚きもありますが、次は残り3両の塗装と床下の製作も並行して進めていきます。