さよなら北陸本線【その4・武生】

2024年06月29日 01時30分58秒 | 旅行記
梅雨に入ってしまいました。
何とか月イチ更新は死守できそうです。
今までだと祝日のない6月は体感的に長く感じていたのですが、それもあっという間に思えてきたのは、子どもにかかる時間が増えたせいか、それとも年のせいか。
流れ去る日々のなかで、足跡はしっかりと残していきたいものです。

【その3】の続きです。

今庄、湯尾を経て、武生に着きました。
ここからはしばし鉄路を離れ、歴史の世界に浸ります。
嶺北地域の今年のトレンドと言えば新幹線開業ともう一つ、大河ドラマ「光る君へ」の舞台になったことですが、恥ずかしながらつい最近まで紫式部が越前と関わりのあったことを知らず、ならばと行ってみようと思い、今回の行程に組み込んだ次第です。


武生駅から大河ドラマ館までは新幹線開業前までは無料のシャトルバスがあったのですが(開業後は越前たけふ駅発着&有料化)、窓口で入場券を買い求めている間に逃してしまったので、後続のコミュニティバス(100円)で近くまで。


公園を突っ切るようにして、「光る君へ越前大河ドラマ館」に着きました。


紫式部を演じる吉高由里子さんが迎えてくれます。


ロケのセット。何度も登場している京都の屋敷ですね。
この記事を書いている6月現在でこそ越前編に突入していますが、訪問当時は放送回数も一桁の3月。越前編がどうなるかも予想のつかない頃だったので、衣装や題字のこだわりは伝わってきましたが、まだ「旬」ではない印象を受けました。おそらくは、これから色々と追加されていくのでしょう。
それでもお目当ての公式グッズだけはたくさん買い求めて、次の目的地へと向かいます。

帰りこそ無料バスをと目論んでいたのですが、これまた時間が合わなかったので、武生の街並みを散策します。


行きのコミュニティバスからも少し見かけましたが、町の中心、メインストリートに商家の建ち並ぶ街並みは、この規模の都市にしてはなかなか珍しいのではないでしょうか。
他はことごとく失われているか、観光地化されている印象があります。これは歩いて正解でした。


越前市武生公会堂記念館に着きました。
もとは1929年築の「武生町公会堂」の建物が現在も活用されています。


こちらでは企画展「越前市へ通じる道~人・モノが行き交う道~」を見学。
紫式部の父・藤原為時が越前の国司に赴任する際の下向ルートの推定や、越前国府跡の調査事業の紹介があり、ドラマをきっかけにようやくこの時代の歴史・地理に興味を持った人間としてはより理解を深める内容でした。また「道」ということから展示内容は平安時代に留まらず、近代の「鉄道」も最後に触れられており、鉄道会社設立にまつわる史料のなかに松平慶永の名を見つけることができました。松平慶永(春嶽)については、以前、福井市の郷土歴史博物館で彼にまつわる講演を聞いたことがあり、また幕末大河では常連メンバーであることから興味を抱いていたのですが、東京で華族に列せられても地元を気にかけていた「情誼」の人の一面を垣間見ることができました。

記念館を出てからはいよいよ駅へ戻りますが、


市役所の一階にカフェを見つけたので小休憩。




何と言っても今年の「推し」はこの二つ。どこに居ても視界に入ってきます。
しかし、大河ドラマは一過性、新幹線も途中駅。「ブーム」の火をつけたあと、来年以降をどうしていくかが、今後沿線の多くの都市にとって課題になるところでしょう。


遅めの昼食はパスタにしました。
実はこの後の行程はほとんど決めていなかったので、ここでしばらく思案。

ある程度考えがまとまったところで、ようやく武生駅に戻ってきました。


改札に面した1番線は都会からの特急に譲り、2番線には当駅折り返しの普通が収まる、そんな「特急ファースト」な北陸本線の光景も、まもなく見納め。


ひと駅乗車して、隣の鯖江へ移動しました。
こちらも駅名の横は目張りがされていて……と思いきや、周辺案内はそのままでした(訪問日現在)。