途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

映画「風に立つライオン」感想

2018年02月18日 10時13分38秒 | 日本映画感想
風に立つライオン

★4
2018年02月16日 15:52

原作を読んでから映画を観るまで時間が経ってしまったが、やっと観ることができた。
私は原作に勝る映画、ドラマはそうそう無いと思っている。
でも、この映画は原作の文字で伝わらなかったアフリカが圧倒的な迫力で迫ってきた。
子供が地雷を探すために列を作って歩かされる土埃の舞う大地。
子供が銃を持ち、人を殺す。
恐怖心を持たせない為に麻薬を注射されて。
そういうことが現実にある(あった)所で、現地の子供達が演技する。
文字ではそれ程感じなかった(傍観者であるという)罪の意識を強烈に感じながら観ていく。
映像がこちらの意思とは関係なく迫ってきて苦しい気持ちになる。
その中で医療に従事する人たち、島田航一郎(大沢たかお)、草野和歌子(石原さとみ)たちが本当に“救う人”に見える。
演技を超えた演技なのか、大沢さんがとてもナチュラルに島田航一郎になっている。
また、石原さんも溶け込んでいる。
今まで観た中で一番好きな石原さんかも。
映画という限られた時間であの原作が表わされていたのはリアルなアフリカがあったからかもしれない。
字幕に【企画 大沢たかお】とあった。
大沢たかおさんの強い意志がこれを作り出したのだなと再確認した。
さだまさしさんのひとつの歌がここまでの進化を遂げた。
いや、もっと、柴田紘一郎という医師の志が私たちにまで届けられたのね。
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読書感想「感染領域」

2018年02月16日 08時03分07秒 | 乱読本感想
【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」優秀賞受賞作】 感染領域 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)

くろき すがや

宝島社 2018年2月6日


★3
2018年02月15日 16:45

私の娯楽を支えてきた「このミステリーがすごい!」も最近はちょっと外れることが多くなってきたように感じていた。
書店でこれを見つけたときも、それ程期待はできないけれど、習慣だから読もうだった。
ジャンル的にはバイオサスペンスのようだ。
そういう時代だからか、昨今はそういったサスペンスも増えてきたようだ。
けっこう好き。
トマトの病気から始まるサスペンスは遺伝子とか、かなり専門的な話が盛りだくさんで、凡人が100%理解するのは難しいが、登場人物のキャラが個性的で引きつけられる。
主人公の安藤は研究者ではあるものの変な体育会系だし、Loserのようでいて、意外にタフ。
元カノは優秀な農水省のオヤジ転がし。
友達は超天才のゲイ、“モモ”
この“モモ”、モモと言うだけで私的にはワクワクだったんだけど(「きみはペット」のモモ好き)後半、正体が明かされるともっとワクワク、盛り上げてくれましたわ。
“モモ”の本名、ちょい笑える。
登場人物的には★5なんだけどね、ミステリーとしてはそれ程と言ったところ。
作者が「くろきすがや」って、初めて見る名前だと思ったら、本作がデビューだとか。
そして菅谷淳夫さんと那藤功一さんのユニットだそうで、ついでに2人とも東京大学卒。
今後の作品が楽しみ。


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韓国ドラマ「上流社会」感想

2018年02月15日 08時51分29秒 | 韓国ドラマ感想
意外に良かった。
韓国ドラマで描かれる上流社会って、えげつないんで気分が悪くなることが多いんだけど、これはビミョウに違った。
えげつなさが少しだけ少なかったのと、2組の、一般人とお金持ちカップルに好感が持てたから。
金持ちと一般人の恋のヒステリックな感じがないのも良かった。
金持ち女(ユナ)×一般男(ジュンギ)、金持ち男(チャンス)×一般女(ジイ)、金持ち同士、一般人同士が最初からくっつけばドラマにならないから、この組み合わせ。
ほぼ同時に出逢い、始まる恋。
環境の違いがある故に惹かれ合い、そして傷つく。
鏡に映る像のように描き出される2組の恋模様。
いかにも感はあるけれど、それぞれ逆の立場での苦悩が解りやすい。
どちらも1度は別れるけれど、別れてからが本当の恋の始まり。
4人揃っての言い合い場面、言葉とは裏腹に『愛してる』『好きだ』が伝わって、可愛いなと思った。
戯れのキスさえできなくなったチャンスはダメージが大きかったね。
チャンス役のパク・ヒョンシクくんの演技にかなり泣かされましたわ。
それぞれが大人になり育んでいく愛は地に足がついた感じで応援したくなる。
チャンスのお母さんのそうなっていく気持ちが解る。
ジュンギのお母さんは一貫して、本当に善いお母さん。
善いお母さん過ぎるとは思ったけれど、身体の不自由な夫ともラブラブだし、優秀な息子はいるし、お金以外(と言っても、生活に困窮している訳ではない)は幸せな人だから善い人でいられるのだろう。
もちろん善い人だから幸せとも言える。
一般人でも幸せよ、の象徴。
お金持ちでも不幸せの象徴はユナのお母さんかな。
今回、ユイ、ソンジュン、パク・ヒョンシク、イム・ジヨンと若い人たちが役と良い感じでマッチしていた。
特にユイちゃんは、今までで一番しっくりきていると感じた。


韓国ドラマ感想まとめ ドラマタイトル
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映画「オー!ファーザー」感想

2018年02月14日 09時23分38秒 | 日本映画感想
「映画になっていたんだ!」レンタルショップで見かけたので借りてきた。
伊坂幸太郎の原作を読んだのはいつだったか?(読書感想)
4人のキャラの濃い“父ちゃん”と“息子”の話だったが、細かい内容は忘れてしまっていた。
“息子”の由紀夫くんは岡田将生、さすがに高校生役は無理がある感じだけど、しかたがない。
“父ちゃん”は佐野史郎、河原雅彦、宮川大輔、村上淳、なかなか濃いメンバー。
文字だけで表されていた“父ちゃん”がより生き生きと動いていく。
大学教授、ギャンブラー、体育教師、元ホスト、それぞれ、極端に違う“父ちゃん”達だが、“息子”由起夫をむっちゃ愛してる。
個々に息子を鍛え、教育もするが、団結して息子の将来に備える。
“息子”が誘拐された時、救出の訓練をするとか、どれだけ愛しているや~
息子の危機に立ち上がる父ちゃん達になぜか胸キュンしてしまった。
そして、溢れる愛に涙が溢れてきた。
あまり意味が無いことをしても「思い出を作ってあげてるんや」と言っていた父ちゃん。
父ちゃんが死ぬとき、4回も悲しまなければならないのかと思う“息子”『そうやで~』

今回も出てこなかった(出てきても困るけど)父ちゃん達が愛する“ともよ”さん、これだけ個性的な父ちゃん達がベタ惚れしている女性ってどんなんだろう?
想像も出来ない。
でも、これだけは何となく、由起夫の生物学的な父ちゃんは彼ら4人の中には居ないんだろうなって。
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映画「先輩と彼女」感想

2018年02月13日 10時27分41秒 | 日本映画感想
成り行きで見始めたが、なんだこりゃ~!!!
貰い事故に遭った気分。
胸キュンラブストーリーと銘打っているが、観ていて胸糞悪いって感じ。
ヒロインに魅力が全くない。
頭悪い!?
して良いこと、悪いことの分別もつかないの?
好きな美野原先輩(男)が先輩の女性を好きだからって、その女性に言いがかりをつけ、頬をひっぱたくって、もうその時点で終わってる。
そんなヒロインを好きになる男の子もどうかと思う。
映画のストーリー自体が破綻している。
そんな中で、壁ドン(それも唐突に)をしても顎クイキスをしても、バッカじゃないとしか思えない。
それをやっておけば、胸キュンラブストーリーだと言えるからやりましたなのか?
最近の子供たちって、これが普通なの?と思ったが、そこまでバカではないだろう。
人気コミックの実写らしい。
映画化されるくらいだから、さすがに原作が“これ”ではないだろう。
また、主演の志尊淳、芳根京子さんはちゃんと演技が出来る人らしいが、演技以前の問題でお気の毒。
もう、あほらしくて観ていられなかった。
ただ、それ以外の人たちはなぜかみんなナチュラルで、けっこう好感が持てた。
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読書感想「女子的生活」

2018年02月12日 13時46分27秒 | 乱読本感想
女子的生活

坂木 司
新潮社 2016年8月22日



★5
2018年02月12日 13:49


NHKドラマを観て、けっこうガツンと来た。
もちろん私の過去の奇妙な体験が多大な影響を与えていることは確か。(ドラマ感想と過去の体験)
それを差し引いて、私は何に?何故に?ガツンだったのだろう?
それを追及するには原作を読むべきねと。
坂木司さんは「和菓子のアン」を読んだっきり。
何事もなければ、2度と彼の作品を読むことはなかったかもしれない。
ドラマ「女子的生活」の原作に坂木司さんの名前があるのをみて、へぇ~こういう作品も書くのだと知った。

ほぼ会話と“みき”の心情がつづられる。
ドラマの“みき”と後藤が頭の中に現れて、それがよりリアルに感じられる。
なにより、会話と心のつぶやきが、面白い。
思わずニタニタと笑ってしまう。
私は“原作が先”派だけど、今回に限りドラマが先で良かったと思った。
予備知識なく観ていた、だからなんだか良く解らないまま過ぎた1話2話の話が理解できた。
また、このドラマ面白い!と思った3話4話の心情などもより補強された。
みき、後藤、かおり、仲村さん、ゆい、彼らをいっぱい知って、より楽しく愛おしい。
みきの家族も、これ、お母さんのキャラが好き(ちょっとしかでてこないけど)
ドラマでは描かれていなかったけれど、みきって、お母さんの性格を持っているよね。
腹くくってるところなんか、みきだよね~
したたかに生きてく女のみき。
考えて考えて、痛みも分からないほどに受けた傷から“生きたい自分”を生きることを選んだみきにはしなやかな強さがある。
清々しさを感じる。
好きだ~みき!
で、後藤、読めば読むほど、スルメのように味が出てくる君が好きだ~
この作品、君がいてこそ生きる。
君がみきと住んでくれて、みきの為に良かったと思うし、物語には欠かせない人だと思う。
ふと、想像してしまった。
後藤にもそのうち彼女ができるだろう。
後藤の彼女、みきのことをどう思うだろう?どう言うだろう?
願わくは、後藤のように戸惑いつつも受け入れて、理解していって欲しい。
ざっくりまとめて人には変わりないって思って欲しい
なんだか、この続編を出して欲しいと思った。
彼らのその後が知りたいと思った。
どうやら、私は彼らのことが大好きになったようだ。

“ガツンを知りたい”と思ったが、結局、良く分からない。
ただ、分かったのは、原作はドラマより、より面白かったってこと。


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米津玄師 MV「春雷」Shunrai

2018年02月08日 15時33分04秒 | 米津玄師
米津玄師 MV「春雷」Shunrai


捜し物をしていて、その脇にあったこれにはまってしまった。
即、iTunesで8曲お買い物。
彼の作品は映像と共にが良いけれど、さすがに車では無理だもんね。
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「中山美穂&キム・ジェウク「蝶の眠り」ポスター完成」の記事

2018年02月08日 08時23分42秒 | ジェウクさま(キム・ジェウク)
映画comの記事

映画の中身にはあまり期待できないけれど、ジェウクさま鑑賞映画だと思おう。
田舎では観えないから、遠征必死。
でも5月だから、気持ちがいいと思うわ。
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読書感想「キャプテン サンダーボルト」

2018年02月06日 11時01分36秒 | 乱読本感想
キャプテンサンダーボルト

阿部 和重, 伊坂 幸太郎

文藝春秋 2017年11月9日

★3 2018年02月06日

上下まとめての感想。
平積みにされた本書の左側、“伊坂幸太郎“の名前と帯の”俺とおまえで世界を救いに行こうぜ“だけで買ってきた。
よく見たら“阿部和重”の文字もあり合作だとか。
誠に申し訳ないのだが、この方の名前すら知らなかった。
だから当然作風も知らない。
読み始めて、普通に伊坂作品だと感じた。
でも、合作と言うことを踏まえると、確かに微妙に異分子が存在している気配がする。
その気配を出しているのが阿部さんなのだろうなと読んでいく。
どう言う作り方をしたのだろうかとの疑問も湧いてきた。
以前、“岡嶋二人”さんの作業分担の話を読んだことがある。
彼らはプロット担当と執筆担当と別れていたそうだ。
だから作品自体に異分子のようなものはなかった気がする。
最後の解説で明かされるのだろうかと期待したが、“徹底した共同作業”と書かれているのみ。

時系列で並んでいない場面場面。
その中で何が起こったのだろう?それが何に繋がるのだろう?と展開に期待が持てる。
日々、お金に汲々として生きる主人公、相葉と井ノ原(って、ジャニーズかい!?)
追い詰められている状況なのにどことなく飄々としている。
最強の銀髪怪人も、容赦なく殺人を犯すのに、コミュニケーションツールがスマホって。
それも、日本製でないから日本語訳がビミョウって設定で、怖い人なんだけど、読んでいる私は怖さを感じない。
過去の戦隊ヒーローのおっちゃん、映画館のおばちゃん、個性的で良い味出してる。
犬まで個性的。
最後、『あらぁ~、世界を救っちゃった』(とネタバレしたけど)、緊迫した状況の連続なのに、読み手の私は手に汗握る間もなく世界は救われた。
良いのか悪いのか。

最後の最後、参考文献の最初に
『性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか』オギ・オーガス、サイ・ガダム著
というのを見て、あれっ!?なんかそういうことあったかしら?と思ったが、あっ!最初にね、読むのに時間がかかってしまったせいか、すっかり忘れていた。
帯の“100%徹夜エンタメ”“ノンストップ・エンタメ”は私には違ったみたい。


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