海堂尊さんが「チーム・バチスタの栄光」で脚光を浴びた頃から読んできたが、Aiについて語られることが多くなり、作品全体が饒舌になったと感じたあたりから離れていた。
今回、ニノが主演のドラマに本作品名が上がった時、「あっ!読んでない」「チーム・バチスタの続編みたいなんだったら嫌だな」と思った。
とにかく原作を読もうと買ってきた。
読み始めて、ニノは果たして誰の役を演じるのだろう?と。
何しろ冒頭から一貫して描かれるのは世良くんという新米医師、この時点では国家試験の結果待ちで、医師でさえない。
先輩医師が何人か登場する。
この中の誰かだろうか。
あっ!この、新参者の医師なのか!?
さすがに調べたら「渡海征司郎」だそうだが、えっ?1章終わって、2章終わっているのにまだ出てきてない!
やっと出てきたのが3章、文庫本の80ページ、名前が出たのが81ページ。
『え~~、80ページ登場の人をニノがするの?』
そこに至る前、主役然としていたのは新米医師の世良くん、その次が新参者の高階医師。
原作無視で80ページ登場の渡海を主役にしたドラマになるのか?
と、このあたりで共演者が発表された。
世良に竹内涼真、高階に小泉孝太朗、佐伯教授に内野聖陽。
おいおい、ヘタすりゃ主演・竹内涼真みたいになるかも~(原作はでは世良みたいだし)と思ったが、最後まで読んで、『無理矢理でなくても主人公が渡海でいける!』と安心した。
このあらゆる顔を持った渡海という役はニノだよ!
新米医師をやれるほど若かったら、世良の役も美味しいけどね~
そこは竹内涼真くんに譲るしかない。
まぁ、彼に合っている役かな、欲を言えば、もう少し真摯な感じを出せる人が良いけど。
他の共演者に文句はないです!
この作品、悪人は出てこない。
よくある権力争いもない(それっぽくミスリードされるが)だから読後感は良い。
私はバチスタシリーズよりこっちが好きかもと思っていたら、最後の吉川晃司と海堂尊の対談で、(海堂が)吉川さんにはこっちの方が面白いんじゃないかと本書をプレゼントしたとか。
そうしたら(吉川が)バチスタよりこっちが好き。ドキドキ感、わくわく感がすごく強い、と言っていた。
書かれたのは「バチスタ」より後だが1988年の話で、後のバチスタに登場する人たちの若い頃も描かれている。
高階は20年後には病院長に、原点にここがあったから、“あの”院長ができあがったのか!
ちょこっと登場の田口先生はここがあったからあの不定愁訴外来か!
じゃ、渡海先生は?
この作品、シリーズものだというので調べたら・・・あららっ、やっぱり世良くんシリーズみたいね。
渡海先生はここだけ、ニノだけってことのようね。
ニノが出る映画やドラマの原作って、私的には“アタリ”が多い。
もちろん映画・ドラマも。
ドラマ「ブラックペアン1988」も期待したい。
乱読本感想リスト タイトル【は】行
乱読本感想リスト 作家【か】行