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読書感想「キャプテン サンダーボルト」

2018年02月06日 11時01分36秒 | 乱読本感想
キャプテンサンダーボルト

阿部 和重, 伊坂 幸太郎

文藝春秋 2017年11月9日

★3 2018年02月06日

上下まとめての感想。
平積みにされた本書の左側、“伊坂幸太郎“の名前と帯の”俺とおまえで世界を救いに行こうぜ“だけで買ってきた。
よく見たら“阿部和重”の文字もあり合作だとか。
誠に申し訳ないのだが、この方の名前すら知らなかった。
だから当然作風も知らない。
読み始めて、普通に伊坂作品だと感じた。
でも、合作と言うことを踏まえると、確かに微妙に異分子が存在している気配がする。
その気配を出しているのが阿部さんなのだろうなと読んでいく。
どう言う作り方をしたのだろうかとの疑問も湧いてきた。
以前、“岡嶋二人”さんの作業分担の話を読んだことがある。
彼らはプロット担当と執筆担当と別れていたそうだ。
だから作品自体に異分子のようなものはなかった気がする。
最後の解説で明かされるのだろうかと期待したが、“徹底した共同作業”と書かれているのみ。

時系列で並んでいない場面場面。
その中で何が起こったのだろう?それが何に繋がるのだろう?と展開に期待が持てる。
日々、お金に汲々として生きる主人公、相葉と井ノ原(って、ジャニーズかい!?)
追い詰められている状況なのにどことなく飄々としている。
最強の銀髪怪人も、容赦なく殺人を犯すのに、コミュニケーションツールがスマホって。
それも、日本製でないから日本語訳がビミョウって設定で、怖い人なんだけど、読んでいる私は怖さを感じない。
過去の戦隊ヒーローのおっちゃん、映画館のおばちゃん、個性的で良い味出してる。
犬まで個性的。
最後、『あらぁ~、世界を救っちゃった』(とネタバレしたけど)、緊迫した状況の連続なのに、読み手の私は手に汗握る間もなく世界は救われた。
良いのか悪いのか。

最後の最後、参考文献の最初に
『性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し、女は「男同士」に萌えるのか』オギ・オーガス、サイ・ガダム著
というのを見て、あれっ!?なんかそういうことあったかしら?と思ったが、あっ!最初にね、読むのに時間がかかってしまったせいか、すっかり忘れていた。
帯の“100%徹夜エンタメ”“ノンストップ・エンタメ”は私には違ったみたい。


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コメント
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