晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ISS超拡大眼視ミッション season2「2ndトライアル編 」

2021年11月23日 | ISS(国際宇宙ステーション)
2021年11月23日 プレスリリース
「11月18日に、ISS超拡大眼視ミッションを実施した」
「出た!お得意の過去形プレスリリースですね~」

「博士、今回は順調にシーズン2ミッションを行っているようですね~」
「いや、ここ最近WHITEY DOB30の稼働率が高くてやっと順番が回ってきた。
  計画は大幅に遅れている」

「あ、そうですか~、ところで今回のコースは距離が遠いようですが、これは
  いわゆる プラクティスという名の練習ですね」
「今回のミッションは2つの目的がある。一つは前回の課題である光学装置の減光について
  もうひとつは拡大率のアップである。そもそもこのミッションは…」

「あ、分かりました~。 博士、結果が気になるので、ご報告を~」

 さて、今回のイベントは確かに距離はそれほど近くはない。しかも
木星をかすめていくというレアな通過が見られるコースである。


 本来、このコースは金星の近くを通過するが木星には近づかない通常の
パスであった。それが11月15日にデブリを避けるためISSが軌道高度を上げ
たため木星接近コースになった。

 そのためISS拡大撮影を行うべきだという意見が上がったが、博士が専有利用許可を
取っていたためそれを横取りすることはできないということで予定通りの実施となった。

さて、今回のシステムは下記のとおりである。
・WHITEY DOB30 + Powermate2× + ELS正立双眼装置 + EF-16mm(60°) +レデューサー(0.66×)
 これで合成焦点距離が3,000mmのF10になり、 Powermate2×とレデューサー(0.66×) の組み合わせで
倍率が125倍になった。視野は0.48°(28.8′)である。この視野と倍率ではたして手動追尾できる
のかを確かめるのが今回の目的だ。

今回のコースでの高度と直距離、通過時刻
・10°   1487km  17:58:39
・15°   1217km  18:00:15
・20°   1021km  18:00:46
・25°    877km  18:01:10
・30°    771km  18:01:29
・35°    689km  18:01:45 木星近傍を通過
・40°    625km  18:01:59
・45°    579km  18:02:11
・50°    543km  18:02:23
・51°    535km  18:02:26 影に入る 
*上記時刻はステラナビ11による表示であるためHeavenAboveの時刻とは相違がある。

ISSは高度15°付近で導入できたが今回は東へ水平移動しながら高度を上げていくコースのため高度35度まで追尾した時点で体がねじれてあり得ない姿勢になってロスト!再導入のためにファインダーを覗いているときに木星のすぐ北側を通過!その距離は木星の視直径の2つ分くらいだったのでまさにかすめたと言った感じだった。それはさておき再導入のコツがつかめたので3度ロストしたがすべて再導入することができた。

 前回の倍率は93倍だったが125倍は想像以上にISSが大きく見えて素直に驚きを感じた。その時の様子は下のまとめ図に載せてあるが、530kmでこれほど大きくの見えるのだから近距離の430kmでみたらどのように見えるのだろうと想像しただけでワクワクする。

 課題は低高度から水平移動を伴いながら高度を上げる時にどのようにして視野から外れないようにISSを追尾するかだ。対策としては①ヨガ教室に通って体を柔らかくする。②どの高度からでも導入できるよう任意の方向に望遠鏡を向けられるよう熟知する。などが考えられるが、今のところは②でいこうかと思っている。(^^ゞ

今回のまとめで~す。

眼視イメージは望遠鏡視野内でのISSの大きさを表している。右は実際に見えた様子の再現図。

〈WHITEY DOB30とアイピースの組み合わせφ(..)メモ〉
焦点距離1,500mm F5
☆PL25mm(52°) 60倍 52°÷60倍=0.86°(51.6′) ← 1st.2ndミッション
☆EF-16mm(60°) 93倍  60°÷93倍=0.64°(38.7′)← 7thミッション
☆HC12mm(42°) 125倍 42°÷125倍=0.33°(20.1′) ← 5thミッション
・PL10mm(52°)150倍 52°÷150倍=0.34°(20.4′)
・Ph5mm(60°) 300倍 60°÷300倍=0.20°(12.0′)

合成焦点距離3,000mm(powermate2× 使用) F10
☆WA32mm(70°) 93倍 70°÷93倍=0.75°(45.0′) ← 4thミッション
・Ph25mm(60°) 120倍 60°÷120倍=0.50°(30.0′)
・PL25mm(52°) 120倍 52°÷120倍=0.43°(25.8′) ← 3rdミッション
☆EF-16mm(60°) +レデューサー(0.66×) 125倍  60°÷125倍=0.48°(28.8′)← 8thミッション(今回)
・EF-16mm(60°) 187倍  60°÷187倍=0.32°(19.2′)
・Ph15mm(60°) 200倍 60°÷200倍=0.30°(18.0′)← 6thミッション

☆はISSを確認できたミッション


〈おまけの画像と動画〉
記録用に撮影したカメラがISSと木星の接近を捉えていました~。

2021.11.18 17h54m02s~17h58m36s D810A 24~70mm f2.8 f24mm F4.5 ISO1600 2sec×91

2021年11月18日のISS


木星に接近するISS

2021.11.18 17h57m33s D810A 24~70mm f2.8 f24mm F4.5 ISO1600 2sec

〈過去ブログ〉
ISS超拡大眼視ミッション・シーズン2 「リボーン編 」 2021.10.11

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ISS眼視チャレンジⅡ (ich)
2021-11-23 17:19:00
晴れスターさん
 ISS眼視チャレンジ,2回目にして技能の向上には素晴らしいものがありますね。パワーメイトとレデューサーを併用するという私には考えつかない技も良好な結果をもたらしています。私も挑戦してみようかな,と思ってしまいます。
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ISS拡大ミッション (晴れスター)
2021-11-23 19:25:45
ichさん
 たしかにパワーメイトとレデューサーの組み合わせって矛盾してますよね~。博士は奇想天外な発想をする方のようなのでこれからも常識を覆す道具が出てくるかもしれませんね。
 季節が変わって今日から完全に冬型の天気となってしまいました。ISS拡大ミッションもいよいよシーズンオフに入ります。12月8日にはいよいよMAEZAWAさんがISSに向かうので撮影にチャレンジはしたいと思っているのですが、天気次第ですかね~。
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