晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

3月11日のこと

2011年04月29日 | Weblog
3月11日の14時45分までは、普通の時間が日常的に過ぎていた。

おととい起きた大きな地震のことなど話題にあがることもなく…、むしろ
3月9日の地震はすでに記憶の表面にはなかった…、という方が正しいと思う。

そして、時計は14時46分に達した。

ドドドドッ…、
その瞬間、誰もが気づいた、この初期微動が尋常ではないことを…、
「やばい!」
「大きいのがくるぞ!…」

ゴゴゴゴツ…、グワーッ、ガーッ…
「キャー!」
「おお、わー!」

それは経験のしたことのない激しい揺れだった。
歩くことも、動くこともできない激しい揺れが1分ほど続き…、
やっと揺れが弱まったかと思った瞬間、また激しくゆれ始めた。

さらに1分…、いや2分、揺れがおさまる気配がまったくない。
「何が起きているんだ?…」

なんとか建物の外に出たが、強い揺れでヨタヨタとしか歩くことができない。
「わわ、地球が割れる~!」
冗談抜きで、本当に地球が割れるのでは…と思った。

3月11日の震度分布図

なんと、日本列島の全土が揺れた。

地震の直後、すぐに停電となり、
通信手段の途絶、断水、ガス遮断、携帯電話からのWEB閲覧も応答なし、

道路はいたるところで段差ができ、どの道路が通行できるのかもまったく不明、
いたるところで交通渋滞、なぜか雪も降ってきて、日暮れとともに訪れる暗闇、不安、
何度も襲ってくる強い余震…、しかし、この時、被害が未曾有のものだと知る人は
まだいなかった。

信号が止まった道路に連なる車の赤いバックランプ…、異様な光景が延々と続いていた。

日付が変わるころ…、降っていた雪もやみ、いつの間にか空はきれいに晴れ上がっていた。
「あっ…」空を見上げた瞬間、言葉を失った。

空に広がる満天の星空…、
自宅でこのような星空を見ることは、一生かけてもあるはずのないことであった。
それが今、目の前に広がっている、あってはならない満天の星空が…、

「大震災の夜」

2011.3.12.0:29 NIKON D90 FISHEYE 10.5mm F2.8 ISO1600 30sec

対角魚眼レンズによる30秒露出だが、肉眼でもこのように見えた。写真でもわかるように
かみのけ座のメロッテ111とかに座のプレセペ星団が驚くほどはっきり見えた。

画面左に見える雲が赤く見えるのと低高度が明るくなっているのは、仙台新港の
火災によるものと思われる。

大きいサイズの写真はこちら(