新宿東映
所在地:新宿区新宿 3-1
備考 :2005〜06に解体
Photo 2004.4.1
新宿御苑の近く、甲州街道沿いに建っていた。戦前のいわゆる近代建築ではなく、恐らく戦後の建物なのだが、2004年頃から周辺建物も巻き込んだ形で再開発事業が始められ、閉館、解体された。コンクリートむき出しの劇場建築には独特の存在感が漂うが、老朽化するとその存在感が逆に、ただ汚いだけになってしまっていた。
近辺はもともとは内藤新宿の西端で、隣の二丁目は遊郭・赤線があった場所。新宿追分の近くには京王線の終点があり、戦前にはターミナルデパートがこの近辺にあったという。東映のあたりも昔は賑やかで新宿の中心地だった。京王線の終点が戦争中に西口になり、三光町・追分が新宿の中心だったのが、戦後、国鉄(現JR)新宿駅が街の中心になったことで、この一角は取り残され気味になってしまった。京王線の跡地や、甲州街道トンネルの入口が付近にあるため、駅からほど近い場所なのに、2000年代前半は、空虚な空間が散見された。
新宿三丁目イーストビル(新宿バルト9、マルイシティ1)
建設年:2007(平成19)
Photo 2008.1.20
その後、新宿東映はほどなくして解体された。2007年春には新宿バルト9というシネコン(9ー14F)と、マルイシティ1(B1ー8F)からなる複合商業施設「新宿三丁目イーストビル」が完成し、近辺を歩く人も再び増えてこの場所の様子は様変わりした。今、同じ場所を歩いても、以前にこんな建物が建っていたということは全く想像できない。
丸井は伊勢丹の向かいの場所の新宿本店も2009年に完成。2008年には東京メトロ副都心線が開通し、明治通りの地下に通路ができたこともあり、追分交差点を中心に大型店舗が建ち並ぶ空間に再編され、JR新宿駅とは別の結節点・核となっている。
Tokyo Lost Architecture
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