都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

須田町ビル/神田きくかわ

2024-02-06 | 千代田区 
左:須田町ビル/右:神田きくかわ
所在地:千代田区 神田須田町1-24-6/-2
構造・階数:RC・3
建設年:戦前/戦中〜戦後まもなく?
解体年:2005〜07(平成17〜19)
備考 :角地にある「神田きくかわ」のビルは現存
Photo 2000.6.3

 神田の須田町交差点、神田中央通りに面して建つRC造3階建ての2棟の商業ビル。

 左側の須田町ビルは、1935年発行の火保図で既に須田町ビルと記載されているので、戦前に建てられた建物だったらしい。上写真の後、下写真までの5年間に北側1/3は部分的に撤去され、左端の1スパンがなくなった。そしてその後の2005〜07年には全体が解体され、跡地にはACN神田須田町ビルが2008年9月に竣工した。
 装飾はあまりないが窓まわりの壁が少し後退して柱型が見え、2階と3階の窓の間に装飾が少しある様子はやはりクラシックなビルならではだった。


 Photo 2005.5.18


 Photo 2005.5.18

 角地にある「神田きくかわ」のビルは、昭和初期の時点では完成していたかどうか不明。この時点では後に須田町ビルに入居するてんぷらの「天米」が角地に存在していた。
 「神田きくかわ」は、同社のWebsiteによれば終戦直後に現在地で創業したそうだ。戦後の火保図(1950年発行)では角地のビルは「唐沢ビル」と記されているが、その中にはうなぎ屋も既に書かれている。また1973年時点では、現存する季節料理「恵比元」も記載されている。ただ、現在は全館が飲食店のようだが、1970年代頃までは他にも電気会社や法律事務所なども入居していたらしい。
 「神田きくかわ」と「恵比元」が入居している角地のビルは現存。縦長の窓上にアーチ型の装飾が並ぶ様子は近代建築っぽい感じ。現在はえんじ色っぽい外壁になっているが、当初はどんな色だったのだろう。

神田きくかわ
神田きくかわ、須田町ビル/神田須田町1丁目 - ぼくの近代建築コレクション

Tokyo Lost Architecture  
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淡山翁記念報徳図書館

2023-11-24 | 静岡県  
淡山翁記念報徳図書館
所在地  :掛川市掛川
建設年  :1927(昭和2)
構造・階数:RC・2F
Photo 2001.7.12

 大日本報徳社公会堂の南側にある、RC造の図書館。1Fは書庫、2Fが閲覧室。

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大日本報徳社 仰徳学寮

2023-11-22 | 静岡県  
大日本報徳社 仰徳学寮
所在地:掛川市掛川1176
建設年:1884(明治17)
移築年:1938(昭和13)
構造・階数:木造・2F
備考 :旧有栖川宮熾仁親王邸侍女部屋
    静岡県指定有形文化財(2014年3月指定)
    以前は掛川市指定文化財
Photo 1989.8.16

 東京の霞が関で旧有栖川宮熾仁(たるひと)親王邸の一部、侍女部屋として建てられたもの。1924(大正13)年以降は帝室林野局仮庁舎として使われた。皇紀2600年(1940・昭和15)の記念として譲渡され、1938(昭和13)年に現在地に移築された。

 木造2階の学校施設で、講習会などを開くことができるが、2001年時点では1階のみが利用されていた。その後、2012(平成24)に敷地内で曳き家移設されている。


 玄関 Photo 1989.8.16


 2階廊下 Photo 2001.7.12

 2001年時点ではほとんど使われておらず、傷みもかなりあるような感じだった。


 2階 Photo 2001.7.12

 2階の部屋には暖炉とおぼしきものもあった。部屋の間は引き戸ではなく扉。

 2012(平成24)に曳家により移動され、2013年春に修復が完了。現在は会議室や講義室に使われている。

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大日本報徳社 仰徳記念館

2023-11-20 | 静岡県  
大日本報徳社 仰徳記念館
所在地:掛川市掛川1176
建設年:1884(明治17)
移築年:1938(昭和13)
構造・階数:木造・平屋
設計 :工部省
備考 :旧有栖川宮熾仁親王邸御座所
    静岡県指定有形文化財(2014年3月指定)
    以前は掛川市指定文化財
Photo 2001.7.12

 有栖川宮熾仁(たるひと)親王邸日本館の御座所として東京市霞ヶ関に建てられたもの。その後、霞ヶ関離宮、東宮仮御所として、また帝室林野局仮庁舎として使用されたという。1938(昭和13)年に宮内省から下賜され、掛川へ移築された。
 内部は洋風で暖炉がある。このため屋根中央に暖炉の煙突が見えている。


 東側の様子。ガラス戸のはまった廊下が続く。  Photo 2001.7.12


 以下は2023年3月21日に訪れた際の写真。


 Photo 2023.3.21

 敷地全体の整備に伴い、仰徳記念館の東側にあったRC造の事務所と渡り廊下が撤去されたため、全体が見えるようになった。暖炉の煙突も塗り直された?ようだ。


 東側の廊下


 「仰徳館」の額が掛かる大広間

 和風な外観だが、内部は絨毯敷きで暖炉もある。扉は内側への押し開き。白壁で長押もあったりして和洋折衷な感じ。


 いつの時代のものかは分からないが、シャンデリアもついている。


 暖炉がある部屋

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大日本報徳社 大講堂 2

2023-11-18 | 静岡県  
大日本報徳社 大講堂(遠江国報徳社公会堂)
所在地:掛川市掛川1176
建設年:1903(明治36)
構造・階数:木・2F
備考 :国指定重要文化財(平成21年度指定)
Photo 2023.3.21

 今春、久々に大日本報徳社の大講堂を訪れた。修復等が完了して重要文化財に指定されてからは初めて。前に訪れた時は事務所に寄ってお願いして中を拝見させて貰ったが、重要文化財にもなっているので今回はちゃんと公開されていた。
 また、写真には写っていないが、以前は大講堂の左手にRC造2階の事務所があったが、これは撤去されていた。

 前項で記したように、2007(平成19)年に修復が完了しているので、外壁もきれいになっている。

 玄関は、御殿や立派な家などにあるような造りで、むくり屋根のやや大振りなもの。

 講堂内は畳やカーテン他が新調されて明るくなっていた。

 お金がなくて修復できないと言っていた額もきれいに直されていた。

 入口の両サイドにある2階部分へ上がる階段は新設されたもの。以前は無かったものなので、欠けた形で畳が敷かれている。


 以前は上れなかった二階から

 吹き抜けを囲む二階部分は、壁から張り出す形で下には支柱がない。天井から鉄棒が下がっており、床は吊られてもいるようだ。


 玄関上の部分に祀られている「二宮大先生御神像」

 和洋折衷の擬洋風建築の講堂だが、神棚というか厨子のようなものが玄関上にあるのも印象的。

 木でアーチ型を造っている窓。窓ガラスは上げ下げ型。桟が細くて華奢。窓部分は洋風なのでカーテンが掛けられている。

 2階の奥には和室もあるが、窓はここも洋風。

 1階左奥にある階段。こちらは昔からあったものだろうか。

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旧遠江国報徳社公会堂(大日本報徳社大講堂) - 文化遺産オンライン
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大日本報徳社 大講堂 1

2023-11-16 | 静岡県  
大日本報徳社 大講堂(遠江国報徳社公会堂)
所在地:掛川市掛川1176
建設年:1903(明治36)
構造・階数:木・2F
備考 :国指定重要文化財(平成21指定)
Photo 1989.8.16

 入母屋の屋根を持つことから、一見すると寺院のように見えるが、2階窓はアーチ形で、角の部分は漆喰で付け柱が造られている明治期の擬洋風建築。玄関部分は武家屋敷の式台に似た構え。一方、内部は2層吹き抜けで壁沿いに2階桟敷席があるなど、芝居小屋風でもある。

 2004(平成16)年から修復が行われ、2007(平成19)年に修復が完了した。写真は全て修復前の様子。


 2階壁面の様子  Photo 1989.8.16

 漆喰の壁にアーチ形の窓が開けられガラスが入る。また四隅には漆喰で洋風の付け柱が造られており、明治期の擬洋風建築の苦心の跡が見られる。


 北側側面の様子  Photo 1992.4.11

 2層2階の大型の寺院風建築のように見える。


 中央部の付け柱とアーチ型窓  Photo 1989.8.16

 建物中央の窓の上部にはステンドグラスのように色板ガラスが嵌められている。
 中央の張り出し部分の付け柱は円柱で、怪しい形をした柱頭が付く。漆喰で造られているので、この時点では風化により剥離してしまっていた。


 Photo 2001.7.12

 二階部分には回廊がある。思いのほか広い畳敷きの部屋。三方のガラス窓から光が差し込む。


 Photo 2001.7.12

 講堂なので内部正面には演台がある。


 玄関上の部分  Photo 2001.7.12

 予算が少なく、当時は額の修復もままならないとのことだった(この撮影時点では国の重要文化財には未指定)。

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森町立歴史民俗資料館

2023-11-10 | 静岡県  
森町立歴史民俗資料館(旧周智郡役所)
所在地  :周智郡森町森2144
建設年  :1885(明治18)
構造・階数:木・2
備考   :町指定文化財
Photo 1993.12.5

 明治時代、郡制がしかれていた頃の周智郡役所の庁舎。1926(大正15)まで使用されていたという。1973(昭和48)に解体、移築保存され、1979(昭和54)から町の歴史民俗資料館となっている。
 和風の建築をベースにしているが、車寄せを持ち、総2階建て下見板張りと、洋風建築の要素も取り入れている。

森町立歴史民俗資料館/静岡県森町
流れ星コレクション旧周智郡役所旧周智郡役所(詳細)

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旧見付学校

2023-11-08 | 静岡県  
旧見付学校
所在地:磐田市見付2452
建設年:1875(明治8)
構造 :木造
階数 :3+塔屋2
Photo 2000.1.1

 現存最古の洋風小学校建築。当初は2階建+2層小塔だったが、その後、1883(明治16)年に屋根裏を改造して3階にし、塔を加えて5階とされたという。1922(大正11)年まで小学校として使用された。
 写真右の鳥居は、隣接する淡海国王神社のもの

 磐田市の市街地の北の方に旧見付学校はある。木造3階+塔屋2階の擬洋風学校建築で、1992年までは市の郷土資料館としても利用されていた。

 玄関脇の柱などに、洋館を意識した柱頭飾りがあり、また、白漆喰塗りの壁のコーナー部は灰色に塗り分け、コーナーストーン状の意匠を施している。本当の洋館は石造でコーナーストーンを積んでいるが、ここでは漆喰の色でそれを造ってしまっている。構造を別にして外観だけを模倣した、いかにも的なデザインだが、明治初期の事情を考えると、洋館風であることが重要だったわけで、木造漆喰で出来ていても在来建築と違う外観をまとっていることが大切だったのだろうと思われる。

旧見付学校 附 磐田文庫 文化遺産オンライン
旧見付学校|カテゴリーから探す|ふじのくに文化資源データベース
旧見付学校附磐田文庫(旧見付学校)|磐田市公式ウェブサイト
磐田市観光協会 / 旧見付学校
旧見付学校 - Wikipedia
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本田医院

2023-11-04 | 静岡県  

本田医院
所在地:浜松市中区相生町7-1
建設年:不詳(昭和初期?)
構造・階数:木・2
Photo 2000.1.1

 旧東海道から少し北に入ったところにある木造洋館の内科医院。いつ頃建てられたのかなどは未把握。文化財指定等もされていない模様。

 Googleストリートビューで確認したところ、2015年の写真までは玄関前に「内科 本田医院」の看板があり医院として営業していたようだったが、2016年にはそれが撤去されていて、現在は営業していないようだ。

 また、2012年5月時点では下見板張りの外壁はエンジというかピンクに塗り替えられていた。ところが2015年2月の写真では今度は緑色に塗り替えられており、そのまま現在に至っている。

 外壁の色がいろいろに替わるのはちょっと不思議だが、塗り直して維持され続けているのはなんだか有り難い。

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静岡銀行浜松営業部(旧遠州銀行本店)

2023-11-02 | 静岡県  
静岡銀行浜松営業部(旧遠州銀行本店)
所在地:浜松市中区田町322-7
建設年:1928(昭和3)
設計 :中村與資平
構造 :SRC
階数 :3+B1
備考 :浜松市指定文化財
Photo 2001.9.29

 3階まで達する大きなイオニア式の付柱が4本、正面に並んでいる。しかしこの撮影時は、建物前面に商店街のアーケードがあり、せっかくの建物のファサードを見えなくしていて、景観的にはもったいない状況だった。
 しかしこの後、2000年代中頃に建物前面のアーケードがなくなり、現在は建物全景がよく見えている。

浜松市立中央図書館 / 浜松市文化遺産デジタルアーカイブ
  > 資料グループ / 中村與資平コレクション
中村與資平記念館新館遠州銀行本店
静岡銀行浜松営業部本館/浜松市中区田町 - ぼくの近代建築コレクション

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