都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

日本橋

2006-01-19 | 中央区  

 拙Siteに記載している「旧東海道を歩く 静岡編」に続いて、「旧東海道を歩く 東京編」を開始。やはり最初は日本橋から。今更掲載するまでもない有名な景色かも知れないが、起点なのでこれは外せない。

Photo 2005.6.12

 高速道路が石橋の上空を覆う、1963年の高速建設以来、40年以上あちこちで言われ続けてきた問題な景観。数年前から高速道路の移設の可能性を検討する会などが活動していたが、ここへ来て小泉首相の一声で状況は変わりつつある。

 3000~6000億円掛かるとも言われ、そこまでする必要はないんじゃないかと言う向きもある。しかし他の場所はともかく、日本橋は江戸期の五街道の起点であり、日本国道路元標がある歴史的な場所。1911年に架橋された現在の石橋も重要文化財で、とにかく日本を代表する道路史跡で、オーソドックスな東京名所の一つであることは間違いない。だが一方で、日本橋は景観的に残念な名所No.1?でもある。

 生まれてこの方日本橋の上空が開けている景色を見たことがないので、私はやはり高速道路のない日本橋を見てみたい。川沿いの建物を建て替えて、橋のすぐ隣の場所に高架で高速を通す案も検討されているらしいが、これは橋周辺の景観を根本的に良くすることにはならないだろう。この路線自体を廃止するわけにはいかないだろうから、やはり地下化しかないかもしれない。地下にもインフラやら地下鉄やら多くの埋設物があるので、事業費は掛かるのだろうが、ここは一から新規に高速を造るつもりで考えるべきかと思う。

 負の景観遺産として残すべきだという方もおられるようだが、日本橋の景観は広島やアウシュビッツのような人の生死に関わるような負の遺産ではない。また江戸期からの日本橋の歴史を考えると、上空が塞がれた歴史は40年程度と相対的に短く、今ならまだリセットできる。美しくない景観は記録の中に留めるだけにしたい。

 お隣の韓国ではソウルの中心部を走る都市高速が廃止され、暗渠になっていた川の流れが復活した。廃止しても交通面でそれほど問題がないことが、調査で明らかになったこと、老朽化も進んでいたことなど、日本とは状況が多少異なるが、やはりその気になればできる、その気にならなければ当然できない、ということなのだろう。だとすれば今回の小泉首相の発言は、人気取りなどとは言われているが、40年来の懸案の解決に一歩を踏み出したという意味で、この件に関してはやはり英断と言っても良いのではないだろうか。

 ソウルの場合、現在のソウル市長になってから構想が具体化され、延長6kmの高速の解体と河川修復に約420億円を投じ、3年という短期間で事業が完成している。日本橋の方は10年後の2016年の完成を目指すと言われる。日本のペースだと、現在の日本橋が100周年を迎える2011年には間に合わないのかな。昔はここの上空に高速があって邪魔だったんだよ、と言える日が来るのが待ち遠しい。

#橋  #道  #近代建築  #近代土木遺産  #明治期 
#旧東海道  #旧街道  #重要文化財 
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サン・マルタン運河

1993-03-06 | フランス 

1993 Europe日記
1993.3.6(Sat) Paris

 12:00 サン・マルタン運河(Canal Saint-Martin・Wikipedia)へ行く。

地下鉄ジョレス駅付近からサン・マルタン運河の閘門

 パリの街はセーヌ川の周辺に広がっているが、周辺にはいくつかの丘があるし、低地でも全く高低差がないわけではない。従って運河にもアップダウンがあり、ところどころに閘門があって、閘門を閉じたり開けたりして水位を変え、船を行き来させている。サン・マルタン運河も、約25mの高低差があって9つの閘門が設けられているそうだ。

 訪れたこの時は高水位側の閘門が閉じていた。下からの船が入ってくると、手前後方の閘門を閉じて水位を上げ、上側と同じ水位になったら写真の閘門を開く。開け閉めを繰り返して、船を通したり堰止め湖の水位を保っているわけだ。

ヴィルマン庭園(Jardin Villemin)付近から

 閉じられた閘門の上側の堰止め湖には水がたっぷり。水面は平らなので、場所によっては周囲の道より水面がやや高くなったりもしている。

 このあたりで運河はぐっとカーブしており、川沿いの建物もカーブを描いており、ここも絵になる景色だ。なんだろうな~。絵になる景色を意識した街並みって、うらやましい。

 ヨーロッパに来るまであまり分かっていなかったのだが、実はヨーロッパの内陸にはたくさんの運河があり、昔は物流・交通網としてかなり機能していたようだ。トラックや鉄道輸送に取って代わられたが、現在も多くの運河が残り、近年はバカンスの船旅で利用されたりしているようだ。

Passerelle Bichat(ビシャ人道橋)とレコレ小広場の閘門

 写真左手奥には北ホテル(Hotel du Nord)というホテルがあって、これは同名の映画でも有名なのだそうだ(映画見てないけど。)。

 ところどころには鉄製のアーチ型人道橋が架かっている。船を通すためにこのような太鼓橋になっているわけだが、これがまた、川面を見る時の気持ちよい視点場を与えている。そして閘門の開閉の様子をのんびり眺める人の姿がまた絵になるわけで・・・。

 運河沿いの景色を楽しんだ後、途中のBurger Kingで昼食。K氏は早くも和食が食べたいと言っている。私は日頃から和食ばかりではないので、あまりそういう欲求は強くないのだが・・・。

 さて、午後は中心部に行って、オルセー美術館とルーヴル美術館を半日で見てしまおうか・・・。

ヨーロッパ旅行記 1993.2.28〜3.21
Google Map 1993.03 Europe

#海・川・池  #橋 #近代土木遺産 
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Tower Bridge

1993-03-01 | イギリス 

 18:00 ロンドン塔(Tower of London)に辿り着く。しかし夕暮れでよく見えず。もちろん入場もできず、明日もう一度行くことにする。

 ロンドン塔は諦めて、とりあえず近くのTower Bridgeを渡ってみる。こちらも塔と空中の通路の見学は終了していたため、跳ね橋部分を渡っただけだが、とりあえずその景色に満足する。

Tower Bridge   Google Map
建設年:1894
構造:鉄骨造
塔高:約40m
全長:244m(中央径間:約60m、両側の側径間:約80m×2、らしい)

 タワーブリッジは、テムズ川に掛かる跳ね橋(跳開橋)で、印象的な姿で行き交う船を迎える。世界的にも有名で、ロンドンの主な観光名所の一つでもある。

 跳ね橋というと東京では勝鬨橋が有名だが、本家?のこちらにはネオゴシックの華麗な塔が建っていて、絵になる姿をみせている。また、現在も毎日のように跳ね上げが行われているのも魅力的だ。ネットで調べたところ、片側1,100tの橋桁を、蒸気(現在は石油と電力)を利用した水力を使って、1分程度で90°近くまで跳ね上げるのだそうだ。

 塔の両側は吊り橋になっていて、これも全体の姿を優美に見せている。中央上部には桁橋が架かっていて、歩行者は跳ね上げ中も上を通っていける構造。よくぞこんなに面白い構造の橋を考えたものだと、感心してしまう。

橋上、中央径間部分にて。交通量は結構多い。

 ところで、イギリスに行くまで、私の中ではロンドン塔とロンドン橋とタワーブリッジがごっちゃになっていた。ロンドンの写真というと、しばしば写真の2つの塔がある跳ね橋(タワーブリッジ)が出てくる。だから歌の「ロンドン橋落ちる、落ちる・・・」もてっきりこれかと思っていたのだが、実はロンドン橋は一つ上流側の別の橋。ロンドン橋の方が歴史は古いのだが、そっちはあいにく撮り忘れてしまった。タワーブリッジには塔も付いているので、これがロンドン塔?と思ったりもしてしまうが、これも間違いで、あくまでタワーブリッジであって、この橋の名には日本語訳はないようだ。

橋上から、夕暮れのロンドン塔とシティ方面の景色
Wikipedia > タワーブリッジロンドン橋
ヨーロッパ旅行記 1993.2.28〜3.21

#古い建物 海外  #橋  #塔  #夕景・夜景  #ネオゴシック  #近代土木遺産 
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1992-01-10 | 記事一覧 
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Tokyo Lost Architecture
静岡の建築・土木構築物
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