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都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

キクヤ洋品店

2025-05-21 | 杉並区  
キクヤ洋品店
所在地:杉並区 西荻南3-9-11
構造・階数:木・3
建設年:戦前?
解体年:2001〜09(平成13〜21)
Photo 1998.5.5

 西荻窪駅の南側、バス通りに面して建っていた3階建て看板建築。ビルのような外観だが頂部に切妻屋根がちょっとだけ見えているので、やはり木造妻入り3階建てのモルタル看板建築だったのだろう。

 2階と3階の窓上には洋風の瓦葺き庇が付けられている。3階のアーチ型窓に庇を付けているあたりは看板建築らしいちぐはぐさ。付柱は角柱で、フルーティングらしき溝が刻まれているが様式的な柱頭はない。中央上部に掲げられた○に×印のまーくは店(経営者)の家紋とかだろうか。

 2000年代のどこかの段階で廃業して建物も解体されたが、細かな年代は未把握。2009年7月のGoogleストリートビューでは、中華食堂の日高屋に建て替えられており、そのまま現在に至っている。

 駅前商店街などの場合、歩道にアーケードが架けられて建物の上部壁面が見えなくなっていることが多い。アーケードがなければこの建物ももう少し存在感を見せていたのではないかと思う。アーケードは建て替えの際に撤去されたらしく、現在この建物の前だけはなくなっている。

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#失われた建物 杉並区  #看板建築  #モルタル看板建築 
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長崎亭・ヘアーサロンコヤマ

2025-05-18 | 杉並区  
長崎亭・ヘアーサロンコヤマ
所在地:杉並区 西荻南3-8-10
構造・階数:木・2
建設年:戦前?
解体年:2009〜13(平成21〜25)
Photo 1998.5.5

 JR西荻窪駅の東南側の場所にあった3軒続きのモルタル看板建築。平入り片流れの建物で、側面は洋風下見板張り。西荻窪界隈は第二次大戦の空襲ではほとんど被災していないそうなので、あるいは戦前の建物だったのかもしれない(地図等で確認できていないので、確証はナシ)。

 写真の時の利用状況は、手前から長崎亭、空き店舗、ヘアーサロンコヤマ。右2軒のコーナーと中央にはちょっとした装飾が付けられていたが、左端の理容店の角部分には装飾がない。3軒つづきではあったが、理容店部分は増築とかだったのか軒の高さもわずかに違っていた。また、理容店は広告看板庇で壁面が隠されており、壁面のデザインは見えなくなっていた。

 ヘアーサロンコヤマは1960年代の住宅地図にもコヤマ理容として掲載されており、約半世紀にわたってこの建物で営業していたようだ。現在はここに12階建てのマンションが建っているが、ヘアーサロンコヤマは現在もその1階で営業している。

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#失われた建物 杉並区  #看板建築  #モルタル看板建築 
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理容あさひ他

2025-05-15 | 杉並区  
旧 筆宝、理容あさひ・コーヒーラランジェ
所在地:杉並区 西荻南2-22-10
構造・階数:木・2
建設年:戦後?
解体年:2016(平成28)
備考 :中央の建物は2016.2.24に火災で焼失
Photo 1998.5.5

 左手前のモルタル看板建築は上部に縦に筋が刻まれ、1階と2階の軒庇は瓦葺き。1990年代の住宅地図には「筆宝」として記載されているが、写真の時には看板などもなく既に仕舞屋になっていた模様。

 写真中央、妻壁が凸型になった看板建築は、左半分が理容あさひで、右半分がラランジェという喫茶店。その奥が杉並西荻南郵便局で、道路ぎわにはポストが立っている。

 床屋さんと喫茶店はこの後も営業を続けていたようだが、2016年に火災で焼失。左側(南隣)の看板建築も少し焼けたのか同年中に解体され、現在、跡地はコインパーキングになっている。

 中央線沿いの街では駅からの道沿いに看板建築が残されていることが多かった。もともとは駅の近くに多かったようだが、それらは開発によって早い段階でなくなり、少し離れた場所のものが残り続けていた。しかしそれらも近年はかなり減っている。

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庄司歯科医院

2022-01-24 | 杉並区  
庄司歯科医院
所在地:杉並区 西荻北3-19-10
構造・階数:木・1
建設年:1925(大正14)
解体年:2012(平成24)閉院、2013年前半までに解体
Photo 2010.12.13

 西荻窪の北口界隈はあまり行っていなかったので、この建物もこの時まで知らなかった。夜に通り掛かってとりあえず一枚撮り、また機会があったら昼間に撮ろうなどと考えていたが、結局撮らないうちになくなってしまったのだった。なので、デザインの詳細などは知らず。

 大正〜昭和初期に見られる洋風の医院建築。玄関は引き戸、木製窓枠の窓には凹凸のあるガラスが嵌っていた。塀と門があるのも昔ながらの町医者(歯科だけど)の雰囲気

 日中の写真は以下のサイト「東京ノスタルジア」で見ることができる。屋根がトタン葺きだったようなのはちょっと意外。

庄司歯科医院 杉並区西荻北 - 東京ノスタルジア

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日本通運中央研修センター

2020-11-09 | 杉並区  
日本通運中央研修センター
所在地:杉並区松庵2-3
構造・階数:木造・2F
建設年:戦前?
解体年:2003〜12(平成15〜24)の間
Photo 1998.5.5

 西荻窪から南へ向かった先の住宅地にあった大型の洋館。航空写真でみると戦前からあったようだが、詳細は知らず。1990年代は日通の研修センターだったが、当初から日通のものだったのか、いつ頃から研修センターとして使われていたのかなども未把握。

 撮影時、南側は別の敷地で駐車場で、このため道路沿いの建物だけでなく東側奥の方まで見えていた。東側にもやや大型のハーフティンバーの建物があり、両者は平屋の建物でつながって全体ではH型をしていた。全体になんとなく新しく見えてしまう建物だったが、古い航空写真で見てもH型の平面だったところからすると、改修はあったものの概ね全てが昔からの建物だったようだ。

 その後、同エリアへしばらく訪れなかったため、いつ頃まであったのかは未把握。下記サイトには2003年1月に撮影された写真が載っているので、少なくともこの頃までは存在していたようだ。また、Googleストリートビューでは、2013年6月時点で既に数軒の住宅地になっている。

西洋館さんぽ解体建築(複数まとめ)
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 杉並区  #住宅系  #洋館・洋風住宅  #オフィス 

天徳湯

2018-01-04 | 杉並区  
天徳湯
所在地:杉並区西荻北4-24
創業年:1928(昭和3)
構造 :木造
備考 :2017.7.30営業終了、その後、建物は解体。
Photo 2002.1.14

 寺院風の姿をした典型的な東京型の銭湯。宮造りによくある大型の入母屋屋根ではなかったが、銭湯らしい外観をしていた。

Tokyo Lost Architecture
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高円寺南

2014-08-12 | 杉並区  

 中野にはよく行くのに高円寺はかなり久しぶり。

高円寺パル商店街
所在地:杉並区高円寺南3丁目   Google Map
Photo 2014.5.13

 アーケードが建て替えられたのは2003年だそうだが、新しくなったアーケードの写真を撮るのは今回が初めて。

 中央部を高くしてアーケード天井の高さを昔より高くし、空間の広がりを増している。

西村屋書店
所在地:杉並区高円寺南3-35   Google Map
Photo 2014.5.13

 アーケード商店街を抜けてしばらく行くと、かなり凝った銅板張りの看板建築がある。  10年ぶりぐらいに訪れたが、まだ残っていた。こういう張り出した部分って、銅板の内側はどんなことになってるんだろう・・。

フヂヤ薬局
所在地:杉並区高円寺南3-22   Google Map
Photo 2014.5.13

 更に南へ行くと、交差点の角に洋風とんがり屋根の薬局が健在だった。緑色の看板で見えなくなっている一階の庇部分がどんなことになっているのかちょっと気になる。

フヂヤ薬局・2F部分
Photo 2014.5.13

 石造建築のように目地を入れたり、上げ下げ窓の上下にモルタルで窓台と庇状の装飾が付けられているのも良い。壁に縦長の痕跡があるが、これは昔、クスリの木製看板が付いていた跡。

 ガラスが割れてるのは昔(17年前の写真と比較)と変わらず。あまり使っていないのか、内側に板か何かを立て掛けて閉じている。

#古い建物 杉並区  #商業系  #看板建築 

公団阿佐ヶ谷住宅 4

2006-03-12 | 杉並区  

 最後に団地全体の様子を少し。

住宅地内にある団地マップ

 道路や建物配置、広場の取り方など、団地全体のレイアウトがよく考えられていたことがこの地図からもわかる。団地内にはループ状の道路が入り、これを軸にして住棟は東南~西南向きに少しずつ向きを変えて建てられている。

 →阿佐ヶ谷住宅日記というHPの中には、阿佐ヶ谷住宅のマップが掲載されていて、団地の住棟配置の詳細などがよくわかります。

中層棟と中央広場

 3階もしくは4階建ての中層棟は、方々の団地でよく見られるタイプのもので、団地の真ん中あたりに7棟が建っている。手前は団地のほぼ中央にある広場。特に利用目的を限定しないこのような広場があることで、豊かな住宅地環境が得られている。

傾斜屋根テラスハウス棟の一群の中にある広場空間

 西側と北側の街区の中央には紡錘形の広場があり、そこは自動車が入ってこない完全な歩行者空間になっている。また建物群に囲まれることで、部外者が入りにくく、プライベート性が高くなり、子供を安心して遊ばせることができる場所が十分に確保されている。

住棟間の歩行者用通路
住棟間の歩行者用通路

 上記の広場に至る歩行者用の通路は、樹木の間などを抜ける細道。敢えて、飛び石などを使った小さな道とすることで、部外者があまり入らない空間を街区内に確保する配慮がされている。

 阿佐ヶ谷住宅は、前川國男設計の傾斜屋根低層テラスハウスが確かに特徴的だが、それだけではなく、街区内広場やループ状の道路など、全体の配置計画がよく考えられていることが特徴であろう。再開発では大半が中層棟になるようだが、このゆったりした外部空間環境を残しながら、建て替えが行われることが期待される。

公団阿佐ヶ谷住宅 1  公団阿佐ヶ谷住宅 2  公団阿佐ヶ谷住宅 3  公団阿佐ヶ谷住宅 4
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公団阿佐ヶ谷住宅 3

2006-03-11 | 杉並区  

 阿佐ヶ谷住宅をもう少し。

 公団設計による陸屋根の2階建てテラスハウスは、団地の北の方の一角に9棟ある。

陸屋根のテラスハウス  Photo 2006.2.17

 前川國男設計の傾斜屋根テラスハウスの印象が強くて、ちょっと目立たないのだが、意外にこちらもモダンできれい。横長の箱型のスタイルで、床や軒が相対的に薄く見え、スマートなプロポーションだ。

玄関のある北側

 こちらも玄関部分が凹んでいて雨よけになっている。また玄関脇にコンクリートのボックスがあり、そこにガスメーターが収められている。

南側から

 窓のサッシなどは取り替えられているので新しい。梁は鉄筋コンクリートで造られているようだ。床や仕切壁が相対的に薄いためか、古い割にモダンな感じ。プレハブなので当然高級感はないのだが、安っぽいわけではなく、良心的に造られた印象がある。

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Tokyo Lost Architecture

#失われた建物 杉並区  #公営・公団・公社・公立住宅  #集合住宅 

公団阿佐ヶ谷住宅 2

2006-03-10 | 杉並区  

 前川國男建築設計事務所の設計による、傾斜屋根のテラスハウス群は、基本的にはみな同じデザインなのだが、南側は増築されたりしていて、少し様子が異なるものもある。

阿佐ヶ谷住宅 Photo 2006.2.17

 端部の部屋は、増築されていない基本形。1階の窓にはちゃんと庇が付けられている。2階の手摺は木製。一方、右側の部屋は増築されて、2階には物干し台が作られている。この増築も、木造のものとブロック造のものがあるようだ。部屋の増築はやらなかったが、木造の庇を付けて半屋外を造った建物もある。

タイルで作られた棟番号の文字

 棟によってタイルの色が異なり、緑や赤の番号が書かれた棟もある。

低層棟の玄関部分

 玄関部分が少し凹むことによって、雨に濡れない玄関先が確保されている。木製の扉が渋い。

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