都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

清見寺

2023-07-24 | 静岡県  
清見寺
所在地:静岡市清水区興津清見寺町418-1
Photo 1995.5.7

 東京から旧東海道を歩いてくると、興津宿の西端あたりに清見寺がある。五百羅漢と駿河湾の景色で有名な寺だ。しかしそのような史跡、観光としてのあり方とは別な意味で、この寺はとても印象深い。

 写真を見ても判るように、境内の参道を電車が横切っているのだ。昔からの参道は東海道筋に直交して山側の寺へ向かって上っていく。階段を上ると山門があるが、その先に東海道線の線路があって直進できなくなっている。参拝者は左手へ迂回して、線路沿いの坂を上り跨線橋を渡って境内に向かう。

 山門の向こう側をオレンジとグリーンのツートンカラーの電車が頻繁に80km/hで疾走する景色は、奇妙な感じだが意外に絵になる風景だ。この区間の東海道本線は1889(明治22)年に完成したそうだ。海岸に山が迫っている場所ならではのレイアウトではあるが、やはりずいぶん大胆なことである。


 Photo 1994.5.3

 五百羅漢のある裏山に上ると寺の境内越しに駿河湾が望める。ここでも海岸の埋め立ては行われていて、海は遙か彼方になってしまっている。それでも沖の霞のなかに貨物船などが見える風景は清水港に近い海ならではの風景。

清見寺 - Wikipedia

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龍華寺

2021-08-07 | 静岡県  

 観富山龍華寺は、日本平の東側斜面にあり、富士山の景色が良いことで知られる。だから山号が観富山。 また、大蘇鉄と大サボテンがあるお寺で、高山樗牛(ちょぎゅう)の墓があるお寺。昔から知ってるお寺だけれど、高山樗牛って誰?状態。で約30年ぶりに訪れてみた。

観富山龍華寺
所在地:静岡市清水区村松
構造 :木
創建年:1670(寛文10)
Photo 2019.1.7

 八脚の山門。境内の背後は日本平の山


 茅葺きの本堂は江戸時代のもの


 本堂と南側の庭園


 本堂内部


 2003年に完成した祖師堂

 日蓮宗のお寺では、日蓮を祀る祖師堂が本堂より立派なことがしばしばある


 祖師堂内部

 本堂が比較的おとなしく比較的穏やかな空間であるのに対して、祖師堂はきらびやか。


 祖師堂の格天井


 大蘇鉄

 境内にある大蘇鉄は国指定の天然記念物。 江戸時代前半の創建時に中国からもたらされたものといい、いくつもの株に分かれて大きく広がっている。


 裏山の中腹にある七面堂へ向かう階段


 七面堂前の階段から本堂と清水市内

 現在は建物に遮られてあまり見えないが、今でも清水港や三保、駿河湾が建物の間から見えている。


 本堂裏の丘から、祖師堂と清水市内

 左遠方には雲が掛かった富士山がぼんやり見えていた。


 高山樗牛の墓

 高山樗牛(たかやまちょぎゅう、1871ー1902(明治4ー35))は明治時代の文芸評論家、思想家。山形の人で、東大の講師をしたが、結核のためわずか31才で亡くなったという。
 静岡に住んだりした人ではないが、晩年、日蓮の教義を研究した関係でこの寺を訪れ、境内からの富士の景色に感銘を受け、没後ここに埋葬されることを望んだという。胸像は現在も寺の裏山の高台から富士を望んでいる。

龍華寺|清水|日蓮宗|

静岡の建築
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法音寺

2021-05-30 | 新潟県  
法音寺
所在地:新潟市中央区西堀通三番町804
建設年:1917(大正6)
構造 :木造
Photo 1992.8.29

 離れた場所から見ただけで詳細がよく分からなかったが、方形屋根の頂部に、見方によってはゴリラのような彫像が載っているのが気になった建物。後で調べたら唐獅子が載っているそうだ。遠方からだとよく分からないが、こちらを向いてお尻を高く突き上げている姿。
 なお、この唐獅子は2000年に二代目のものに替えられたという。

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最恩寺 仏殿

2021-04-30 | 山梨県  
最恩寺 仏殿
所在地:山梨県南巨摩郡南部町 福士2350
建設年:室町時代中期(1393-1466)
備考 :国重要文化財

 山梨県南部、富士川沿いの町にある寺にひっそりとある仏殿。
 本体は、桁行一間、梁間一間と小さく、その外側を裳階が囲んでいる。屋根は銅板葺。
 小さな建物だが、唐様の仏殿建築として貴重であるとして、国の重要文化財に指定されている。
 軒が深く、軒先がやや上向きに反っているのが特徴的。

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正法寺・岐阜大仏

2021-04-09 | 岐阜県  
正法寺・岐阜大仏 大仏殿
所在地:岐阜市大仏町8
建設年:1800(寛政12)
備考 :岐阜大仏は岐阜県指定重要文化財
Photo 1990.3.21

 昔、岐阜に行った時、たまげた建物。

 江戸時代に完成した大仏は、太さ1.8mのイチョウを真柱として、木材で骨格を組み竹材を編んで形を作り、それに粘土、和紙を貼り、漆を塗って金箔を貼ったもの。像高13.63m。大仏殿の方は1800年に完成したが、大仏の方には時間が掛かり1832(天保3)年にようやく完成したという。

 大仏の大きさのわりに大仏殿が大きくないので、大仏さんは天井に頭がぶつかりそうになっていて、後背も含めてやや猫背になっている。堂内に入ると真上の方から見下ろされている感じで、奈良や鎌倉の大仏のようなものを想像していると、予想外の展開にかなり驚かされる。

 大仏殿の方も奈良のものと異なりやや奇妙な形だ。屋根の大きさが上に行くにつれて急に小さくなる三重塔のような形で、お寺の建物としては他ではあまり見たことがない。三層だが内部は二層までの吹き抜けになっている。一層目は巨大な裳階ということなのかもしれない。また頂部の層には入れないようだ。

 Googleストリートビューを見たら、吹き抜けの周囲の壁面に通路があって、上の方からも姿を拝めるようだ。ただ当時は上方の通路に上った記憶がない。内部の撮影も禁止だったような気がする。記事化にあたって今回、ストリートビューを見ていたらもういちど見に行きたくなった。

Google Street View

岐阜大仏 - Wikipedia
岐阜 正法寺大仏殿

#古い建物 岐阜県  #寺院  #都道府県指定文化財    タグ一覧
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蓮永寺

2019-12-20 | 静岡県  
蓮永寺 山門
所在地:静岡市葵区沓谷2-7
Photo 2016.8.18

 蓮永寺は鎌倉時代の創建で、江戸時代初期に現在地に移ってきた古刹。徳川家康の側室、お万の方(紀州徳川家の家祖徳川頼宣や、水戸徳川家の家祖徳川頼房の母。養珠院)の墓があることでも知られる歴史的な寺。
 山門は自動車が通れるもので、駐車場もこの奥の左側にある。

 山門を抜けて少し先で左に曲がると仁王門がある。
 この時は平成の大改修が行われていて、仁王門にも改修中である旨の幕が付けられていた。

 肝心の仁王像は網の向こうでよく見えない。だが、手前の柵に小さな穴が開けられていて、どうやらそこから覗いて拝見する仕組みになっているようだった。

 確かに穴から覗くと仁王が見下ろしている。こういう見せ方もあるんだなという感じなのだが、ちょっと迫力に欠ける見栄えになってしまっているような気もする。

 仁王門から境内  右奥が本堂。中央は鐘楼。左はかつての三松幼稚園の建物。

 庫裏  屋根は金属板葺きで新しくモダンなのだけれど、あちこちのパーツがわりと古め。古い建物の屋根を葺き替えただけなのだろうか。

 左・客殿、右・本堂  本堂の屋根も瓦が葺き直されて立派。

 お寺じたいのWebsiteはない模様。Wikiその他によれば、1774(安永3)にいちど伽藍が焼失したが、寛政年間(1789~1801)に再建されたという。ただそれぞれの堂がいつ頃建てられたのかは、ネット上の情報では分からなかった。
 第二次大戦時には静岡も空襲があったが、蓮永寺のある沓谷は、街の中心部からやや東にはずれているので、空襲の被害はなかったらしい。

 本堂   修復したからかなのか、素木感が強い。ただ新築の感じとも違っていて枯れた感じだけれど妙にきれいな木肌をしている。20年ぐらい前に訪れた時は、今と違う印象だった気がする。

 境内の片隅にある平屋の建物は、同寺が以前に幼稚園を経営していた時の園舎。現在は物置のように使われている。 玄関部分には「ヤマハ音楽教室」とも書いてあった。

静岡の建築
#古い建物 静岡県  #寺院  #門・ゲート 
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本覚寺

2019-10-09 | 静岡県  

 本覚寺は静岡市駿河区にある日蓮宗のお寺。鎌倉時代の1288(正応元)に、現在の富士市岩淵の中之郷に小庵が開かれたのがはじまりだそうだ。1307(徳治2)に領主から池田の地を譲り受け、1308(徳治3)に現在地に寺が造られたという古刹。

 移転の際に植えられたという樹齢約700年を超える大クスノキが立派な寺だが、市内の中心部ではなく日本平山麓にあるためか、静岡の人でも知らない人が意外に多い。

本覚寺 総門
所在地:静岡市駿河区池田137
建設年:江戸時代
Photo 2016.4.30

 総門は江戸時代のもので、明治2年に失火で諸堂が焼失した後、明治初期に現在地に移築されたという。

 鐘楼は1908(明治41)年に再建されたもの。総門から一直線に東へ向かった木立の奥に本堂が控えている。

 本堂は江戸時代後期の1818(文政元)年築。瓦葺きだったそうだが現在は銅葺き。ただ内部は鎌倉時代のままなんだとか。静岡市内にもかなり古い時代の建物があることに驚く。

 宝蔵だろうか。だとしたら1870または71(明治3または4)年に建てられたもの。本体は石造か木造モルタル塗、入口の唐破風部分は木造モルタルだろうか。

 本仏堂は、南北朝時代の1321(元亨元)年もので、これも移転直後の時期のものでかなり古い。高松の海中から見つかった木像の釈迦牟尼如来などを安置しているそうだ。

 大クスノキは2本あり、片方は樹齢約700年、もう一方は約670年だという。共に樹高約35m、幹回り7m以上で県指定の天然記念物。枝振りも40m近いのではないだろうか。下を通っている軽トラックと比較すると、いかに大きいかわかる。

 大木の近くまで行くと頭上高く覆い被さってくる。一本は塀の内側、もう一本は道路側にあるが、両方とも葉をたくさんつけていて元気だ。眺めているとなんだか有り難い気分になってくる。巨木巡礼というのもいい。

 幼少期にこの近所に住んでおり、散歩で連れられて訪ねたりしていたので知っていたが、同級生などとの会話で話題に上ったことは一度もない。30年ぶりぐらいに訪ねて、クスノキの巨大さに改めて驚愕し、良い雰囲気の境内を持つ寺が近くにあったのだなと、改めて感じた次第。

静岡の建築
#古い建物 静岡県  #寺院  #門・ゲート  #樹木・植物 
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梅窓院

2019-07-04 | 港区   
梅窓院
所在地:港区南青山 2-26
建設年:1925(大正14)
構造・階数:RC・2F
解体年:2000(平成12)頃
Photo 1991.5.11

 2000年頃まであった昔のお堂は、大正末期に鉄筋コンクリートで建てられた和風デザインのものだった。しかも、普通の寺院の堂のような形ではなく、四角い建物の上に塔を載せたような姿で、いま見ても、一風変わった建物だった。建設当初はかなり斬新だったのではないだろうか。妙な感じで目立っていたかもしれない。

 建築家・隈研吾氏の設計によって建てられた新しいお堂もなかなか斬新な設計らしい。寺院建築は、ともすれば昔ながらの建て方になってしまいがちだが、梅窓院は、前回の建立時と同様、建て替えるからには、その時々に合った、新しい寺院建築の在り方を模索したのかもしれない。

長青山 梅窓院|東京南青山

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 港区  #近代建築  #寺院  #塔 
2007.2.26
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妙法寺

2019-06-03 | 静岡県  
妙法寺
所在地:富士市今井2-7
Photo 1994.8.13

 沼津から旧東海道を歩くと、富士市内東部の妙法寺付近までは道は海に近い場所を通っており、その後、吉原宿へ向かって北上していく。
 旧東海道沿いにあるこの妙法寺というお寺、ダルマ市のお寺として有名だが、日本離れした変わった建物もあるお寺でもある。本堂の前にある線香をくべる建物「龍神香炉堂」は、極彩色で屋根の上には龍が踊る中国風のもの。本堂と寺務所は昔ながらの寺院建築だが、本堂左側のお堂はネパール寺院のようで、右側のお堂はインド寺院風。仏教はインドや中国を経由して日本に伝わったので、さまざまな様式があっても良いのだが、一つの境内に混在しているとちょっと驚いてしまう。
 ネパール寺院のような建物は「洞窟七福神」で、内部には七福神が祀られていて、胎内巡りのようになっている。ただ沙悟浄や猪八戒を思わせるカラフルで楽しげな像が幾つもあって、七福神だけでない感じでもあり不思議な場所だった記憶がある。

開運 富士 毘沙門天-公式WEBサイト

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川越・旧きんかめ

2014-08-08 | 埼玉県  

 川越市・蔵造り一番街にある「きんかめ」。いつのまにか改装工事が行われて法善寺聞信会館になっていた。

法善寺聞信会館(旧きんかめ)
所在地:川越市幸町2-15   Google Map
竣工年:1927(昭和2)
改修年:2012(平成24)
Photo 2014.5.9

 改装され、法善寺聞信会館となった最近の様子。右端奥が法善寺。

 法善寺の建物の一つになったところを見ると、もともと門前の貸地だったのかもしれない。「きんかめ」が廃業したかなにかを契機に、建物を改装してお寺関係の施設にしたようだ。

三上工務所法善寺 聞信会館 改装工事 - 建築工事施工事例
きんかめ(近亀)
Photo 2001.2.15

 時計・宝飾品店だった頃の様子。

 正面2階のサッシはこの頃は普通のアルミサッシだったが、改装後は昔風のものに換えられている。

 ナイモのハナイ(イメハのモ ナ)の文字が印象的だったが、改めて写真を見ると、なぜ4文字目の「の」がひらがなだったのか謎だ。一字だけ平仮名にするのなら「ハ」だろう。

 「ないものはない」。普通に考えると、いろんなものがある、無いなどということはない、という意味なんだろうが、ここに無いものはあるわけないじゃないか、という「開き直り」だったりしたら、それはそれで笑える。

#古い建物 埼玉県  #近代建築  #寺院 
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