都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

東京駅丸の内駅舎

2019-12-24 | 千代田区 


 Photo 2002.4.29

東京駅
所在地:千代田区丸の内1-9
建設年:1924(大正13)
構造・階数:鉄骨煉瓦・3F
設計 :辰野金吾
備考 :2012(平成24)に当初の姿に復原

 戦災によりドーム屋根、3階を焼失。南北の台形の屋根は戦災復興時の応急措置で、当初はもっと華やかなドーム屋根が載っていた。またドームとドームの間はこの頃は2F建てになっていたが、ここも当初は3F建てだった。

 1990年代には解体、建て替えの話もあったが、保存が決まり、容積移転によって耐震化・免震化と復原の費用を捻出することができ、2012年に復原工事が完了した。従ってこのページは、仮復旧の形で推移していた当時の東京駅の様子を示すもの。


 Photo 1988.2.28

 実は南北に300m近い巨大建築。丸の内側から見た時、背後に八重洲口の大丸が見えてしまって絵にならかったが、再開発によってビルがなくなり、正面からの景色は少しはよくなったようだ。しかしその代わりに八重洲口の南北に超高層ビルが二棟建てられるので、結局は超高層ビルの谷間に赤煉瓦の東京駅がちょこんと残されることになっている。


 Photo 2007.3.21

 建築史的には、辰野金吾によって設計・建設された当初の形に戻すことは一つの悲願だったのかもしれない。だが、戦後60年以上の間、東京駅はこの姿で推移し、オリジナルの状態より長い時間が経過していた。現在では大半の人が戦後生まれで、その人々にとっては東京駅といえばこの台形の屋根の建物だった。昔の立面図を見た時、個人的には少し違和感があったのも事実だ。当初の華麗な東京駅を見たくないわけではなかったが、復原がきまった時はなんだか複雑な気分だった。また、戦時の空襲によって焼失したものを修復して使い続けてきたという歴史をリセットするべきではない、との意見もあったと言われる。

 従って、当初は戦後60年に渡って姿を見せていた仮復旧の状態こそ、建物の歴史をよく見せているものだから、そのままで良いのではないかとも考えていた。だが、こうして復原が済んでみると、これはこれで当初の意気込みを感じさせるもので、悪くはない。

 今はまだやや馴染めない気もする復原駅舎だが、50年、100年先のことを考えれば、これで良いのかもしれない。仮復旧の状態は写真などで残しておいて、機会があるごとに、過去へたどれば良いのかもしれないと考えるようになった。


 丸の内南口 Photo 1994.1.22


 丸の内南口のドーム天井 Photo 2005.11.27

 南北の改札口ホールは地味な感じだった。天井もただのドームだった。現在は柱もピカピカになり、ドームも華やかなものになっている。

都市徘徊blog > 東京駅丸の内駅舎 復原後のようす

Wikipedia > 東京駅

ぼくの近代建築コレクション東京駅

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区  #古い建物 千代田区  #鉄道  #近代建築  #辰野金吾 


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第一生命館

2019-12-14 | 千代田区 
第一生命館
所在地:千代田区有楽町 1-13
建設年:1938(昭和13)
構造 :SRC
階数 :7F(中2階付)・B4F・R2F
設計 :渡辺仁
備考 :1989(平成元)に解体。1995年に東側の農林中央金庫と合わせて超高層ビルのDNタワー21が完成。
Photo 1988.12.20

 皇居のお濠端に建ち水面に美しい姿を映す。戦前から続いた市街地建築物法の100尺(約31m)の高さ規制により、周辺の一連の建物群は軒高が統一されていた。堅牢な構造設計であったため、戦争中は高射砲陣地として屋上が使用された。また戦後は接収され、GHQ総本部として利用されマッカーサーが執務していた。新建物内にも執務室が残されている。

DNタワー21
建設年:1993(平成5)
構造 :S+SRC
階数 :21F・B5F
高さ :99.8m
備考 :東京都選定歴史的建造物
Photo 2007.1.27


 DNタワー21、東側(旧農林中央金庫有楽町ビル側)のファサード。

 DNタワー21は東側部分が農林中央金庫有楽町ビルだった場所にあり、東側は旧農林中央金庫有楽町ビルの石材を一部再利用し、当初とは異なる位置だがそのイメージを再現している。このためDNタワー21は、お濠端側は第一生命館のファサードで角柱が並び、東側は旧農林中央金庫有楽町ビルで使われていたイオニア式柱頭の付柱が並んでおり、東西でスタイルの異なるファサードになっている。
 それでも、塔屋や時計塔がなく、しかも陸屋根の近代建築であるため、銀行倶楽部や野村ビルに比して、高層部との折衷には違和感が少ない。

農林中央金庫有楽町ビル
建設年:1933(昭和8)
構造 :SRC
階数 :6F(中2階含む)・B1F・R1F
解体年:1989(平成元)
Photo 1997.3.27

Wikipedia > 第一生命保険(DNタワー21)第一生命館農林中央金庫有楽町ビル

廃景録第一生命館
ぼくの近代建築コレクション第一生命保険相互館

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区  #古い建物 千代田区  #近代建築  #銀行・保険 
#渡辺仁 

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正則学園

2019-10-20 | 千代田区 
正則学園
所在地:千代田区神田錦町 3-1
構造・階数:RC・4F(屋上に増築)
建設年:1933(昭和8)
備考 :2003〜改築、2005.4・新校舎完成
Photo 1998.10.31

 正直言って、それほど美しい近代建築というわけではない。失礼な言い方であることを承知の上で言うなら、増改築を経て、薄汚い建物になっていたというのがおおかたの感想ではないだろうか。一応、日本近代建築総覧にも載っているので、戦前のモダニズム建築なのかもしれない。もしくは、どこかのディテールに美しいステンドグラスなどがあったのかもしれない(このモダニズムな外観から考えると、その可能性は低いが・・。)。モダニズム建築はあまりにも見慣れてしまったが故に、残念ながらあまり大切にされていないような気がする。
 2005年に通りかかったら、新しいきれいな校舎に建て替わっていました。(正確には改築らしい。)

 ちなみに奥に見えるのは錦城学園高等学校で、これも1935(昭和10)竣工だそうだ。

Wikipedia > 正則学園高等学校
ぼくの近代建築コレクション正則学園、錦城学園

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区  #古い建物 千代田区  #学校  #モダニズム 
2007.2.25
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旧主婦の友社・お茶の水スクエア

2019-10-08 | 千代田区 
日本大学大学院法務研究科(旧主婦の友社・お茶の水スクエアA館)
所在地:千代田区神田駿河台 1-6
建設年:旧建物 1925(大正14)、現建物 1987(昭和62)
構造・階数:RC・3F
備考 :解体復元、高層棟増築(設計:磯崎新)
Photo 2005.3.25

 もともと主婦の友社として大正末期に建てられた建物を、ファサードを残して一度解体し、高層棟を新築。旧建物は内部構造も含めて改装され、お茶の水スクエアという、主婦の友社とその他テナントが入居する建物に生まれ変わった。またカザルスホールという室内楽専用の音楽ホールも同時に造られた。
 しかし最近(2002年)になって、日本大学の所有するところとなり、大学院法務研究科の建物となり、道を挟んで明治大学と相対することとなった。

 テラコッタ等の部品は旧建物のものを再利用しているが、壁体は完全に新築であり、保存というより外観の復元である。また中央の新しい高層棟のポストモダンデザインが旧来の建物と競うようにデザイン主張をしている。高層棟壁面が後退しているため、多少は目立たないのだが、改めて眺めてみると、かなりギャップのある組み合わせ。丸の内のビル群では、超高層棟はデザイン的には極力目立たないものにするという立場・無難な解決策が採られている。どちらが良いのか、正しいのか解らないが、20年以上経っても良くも悪くも刺激的な姿であり続けている。

 その後、日本大学がキャンパス再整備の一環として、カザルスホールを2010年3月末で閉鎖した。建て替えるのかどうかは不明だが、築20年ほどで次々に状況が変化するのには考えさせられてしまう。また、クラシックファンに評判が良かった室内楽専用ホールが失われたのは非常に残念。

Wikipedia > お茶の水スクエア

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区  #古い建物 千代田区  #新しい建物 千代田区 
#オフィス  #大学  #磯崎新  #ポストモダン  #近代建築 
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有楽町駅前

2014-07-11 | 千代田区 

 

有楽町高架下センター
所在地:千代田区丸の内3-6   Google Map
Photo 2014.4.22

 以前から通りかかる場所だけど、ここの写真を撮ったのは初めて。

有楽町高架下センター

 この写真を撮る直前、リュックを背負った若い白人女性が一人で奥の方の店から出てきて通り過ぎていった。日本人でさえ知らない場所も下手すると既に観光地になっているのかもしれない。

東京交通会館 階段室のモザイク壁画
所在地:千代田区有楽町2-10   Google Map
Photo 2014.4.22

 ここも何度も行っているのに、モザイク壁画の写真はあまり撮っていなかったな。

#街並み 千代田区  #古い建物 千代田区  #トンネル  #鉄道 
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皇居乾通り一般公開

2014-07-09 | 千代田区 

 蔵出し写真、つづき。

 混雑するイベントにはあまり行かない方なのだが、ふだん入れない場所なのでつい・・・。 列の最後尾についてから入口の坂下門まで30分。乾門から出たのはその50分後だった。 面白かったが、常に渋滞していて、ほとんど人を見に行ったみたいな感じ。

皇居 坂下門前
所在地:千代田区千代田   Google Map
Photo 2014.4.7

 このあたりまでなら、ふだんでも近づける。天気もよかったので大混雑。みんなこういうの好きだなぁ、って私もか・・・。

 坂下門は江戸時代には枡形門で、現在の渡櫓門の位置に高麗門があり、それを入って左に曲がった場所にこの門があったのだそうだ。明治になって江戸城西の丸に皇居が移った際に、車の通行を考えて枡形が廃止され、1885(明治18)年に高麗門が撤去され、渡櫓門は1887(明治20)年に現在の位置に90°向きを変えて移築されたのだそうだ。

 移築されてはいても江戸時代の建物なのだが、もともとこれがいつ建てられたのかはネットの情報では分からず。

宮内庁庁舎
竣工年:1935(昭和10)年

 特段の申し込みをせずに近くで見ることができる機会は少ないので記念に一枚。

皇居乾通り

 宮内庁庁舎の前は広いが、その先、道が狭くなるので、一気に大渋滞。
 幸い、高齢の方々よりは背が高いので、手を伸ばして片手でならば写真が撮れないことはなかった。

 江戸城・皇居は武蔵野台地の東端部にあり、坂下門は低地側、出口の乾門は台地側にある。そのため、乾通りは途中から上り坂になっており、出口の乾門付近から振り返ると、次第に坂を上ってきたことが分かる。

#古い建物 千代田区  #階段・坂 千代田区  #城・宮殿  #官公庁 
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高畠邸

2014-06-15 | 千代田区 

 御茶ノ水駅から約200m。周辺は次々に高層ビルになっているが、その中に一軒だけ古い立派なお家が残っている。

高畠邸
所在地:千代田区神田駿河台4-2  Google Map
建設年:昭和初期(1930年頃)
Photo 2014.2.21

 右奥はニコライ堂。左は御茶ノ水NKビル(名倉医院)。すぐ西側の敷地でもビル建設が進行中。

 新宿の伊勢丹は昭和初期まで現在の外神田1丁目にあったそうだが、この家はその役員の屋敷としてつくられたのだそうだ。

 石垣の上にはぐるっと塀が巡らされている。その石垣の間にある門も立派。

千代田区ホームページ
   > 千代田区景観まちづくり重要物件指定一覧表
   > 高畠宅
ぼくの近代建築コレクション高畠家住宅/神田駿河台4丁目
#古い建物 千代田区  #住宅系  #和風住宅 
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有楽町駅前

2013-07-23 | 千代田区 
有楽町駅前
所在地:千代田区有楽町2-8   Google Map
Photo 2013.6.15

 Itociaなどができて周辺はかなり変わったが、この一角だけはあまり変わってない。

#古い建物 千代田区  #街並み 千代田区  #広場  #鉄道 
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大手町界隈

2012-12-31 | 千代田区 
丸の内1丁目・丸の内仲通り
所在地:千代田区丸の内1-4   Google Map
Photo 2012.12.8 16:25

 冬至が近かったせいもあって薄暗くなるのが早いのは分かるが、この谷底感の暗さはまた別物。丸の内マンハッタン計画が完成に近づくにつれ、丸の内の街並みは日本離れしたものになってきている。

大手町ビルヂング 階段室見上げ
所在地:千代田区大手町1-6   Google Map
建設年:1958年
階数 :地上9階・地下3階・塔屋3階
Photo 2012.12.8

 いいかんじ。

 築50年以上ではあるが、まだまだ現役の東西に200mもある巨大ビル。ただ大手町の変貌を見ていると、これもあと10年ぐらいの内に建て替えられるのかもしれないと思ってしまう。

#古い建物 千代田区  #新しい建物 千代田区  #街並み 千代田区 
#高層ビル  #屋内階段  #オフィス 
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東京駅丸の内駅舎

2012-12-27 | 千代田区 
新丸ビル7階のテラスから東京駅全景
所在地:千代田区丸の内1-9   Google Map
Photo 2012.12.4

 景色は良いんだがやはり外は寒い。

 街路、建物共に、イルミネーション照明に青系のLEDなどはほとんど使われておらず、どちらかというとオーソドックスでクラシックな感じ。丸の内界隈はライトアップに関してもエリア全体でコントロールされているのだろうか。それとも暗黙のルールみたいなものがあるのだろうか。

東京駅丸の内北口
Photo 2012.12.4

 ドーム下の空間を3枚の写真に撮って強引にパノラマ合成してみた。
 神殿とか大聖堂のようにも見える。すごいとは思うのだが、この金属を被せた柱は仰々しくてちょっと好きではないな。昔の大理石張りの方が素っ気なくて好みだ。

丸の内北口ドーム部分
Photo 2012.12.4

 気合いが入ってる。でももう少し時間が経って古びてからの方が味わいが出そうだ。なんだかきれい過ぎて華やかすぎてちょっと疲れる。天の邪鬼なので、昔のぼろいドーム天井が懐かしく思えてきたりしてしまう。

 この時は平日の夜だったのでさほど人が多くなかったが、後日、土曜日の夕方に通りかかったら、みんな真ん中で上を見上げていた。

皇室専用貴賓出入口
Photo 2012.12.4

 皇室専用貴賓出入口は立入が制限されているのでひっそりとしていた。こういう方がホッとするであるな。

#夕景・夜景  #古い建物 千代田区  #新しい建物 千代田区 
#近代建築 #街並み 千代田区  #吹き抜け・アトリウム 
#高層ビル  #鉄道  #オフィス 
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