駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

小休止のあとで

2019年02月12日 | 小考

            

 

 今朝は結構寒かった。正確になった天気予報だが皮膚感覚とは差があるようだ。

 連休で小旅行に出かけただけで、だいぶん仕事から遠ざかっていたような感じがする。診察室の椅子に座ると、今日も一日働くのかという気がしてしまう。仕事内容を診療だけにして時間を短く出来たらと感じる。そうすれば気持ちが軽くなると思う。

 働き手の減少と元気な前期高齢者増加で定年を延長させる動きがある。確かに元気な60代が増加したので、働き続けるのも良いが、もう少し柔軟に一律には決めず、個々に話し合って仕事内容と引退する年齢を決めたらどうだろう。それが本筋と思う。働き手がないから、辞めてもすることがないからは真っ当ではない気がする。

 藤原正彦さんの国家と教養を読んでみた。予想通りだったところ(弱い者いじめを許せない、教養の意味深さ)と意外なところ(アメリカの評価)が混在していた。まあどこか地が出る人なので若き数学者のアメリカから一貫しているものも感じた。七割方、成程そうだなあそうなんだと首肯しながら読んだ。しかし教養の大切さを説きながら、この本を理解するにはある程度の教養が必要なのではないかという気もした。勿論、藤原流の楽屋落ちがあり、馴染みやすい語り口で幅広い人が読みやすくなっているが、目を疑うような浅薄な批判評も目にした。

 またいつかこの本についてはもう少し書いてみたい。

コメント
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