駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

好き嫌いの不思議

2013年12月26日 | スポーツ

            

 碁将棋やスポーツをテレビで観戦する。ゲームそのものも、勿論面白いのだが、どちらかを贔屓した方が何倍も面白く見られる。そうはいっても、いつもファンの棋士選手やティームが登場するわけではない。

 どちらもよく知らない場合でも暫く見ている内にどちらかに肩入れして見ることになる。テニス女子などは直ぐ可愛い方を応援する。自分でもよく分からないのだが、五分もすれば不思議な理屈を付けて一方を応援しながら見ている。八割方好む方を応援するのだが、時にこいつ負けないかなとネガティブな応援をしていることもある。

 ファンと言っても現役から引退までずっとファンであり続ける場合と途中でさほどファンでなくなる場合とがある。逆に嫌っていたというか好みでなかった棋士選手やティームを応援するようになることも時にある。例えば王は選手の頃はさほど好きではなかったが、引退してからはファンになった。

 些細なことのようでなぜかよくわからない好き嫌いがついて回り、それがしばしば判断決断に影響してくるのだから、個人にも社会にも好き嫌いの持つ意味は大きい。

 ところで、マー君のMLB挑戦が実現しそうだ。私と同意見のファンが多かったのだろう。さて、何処へ行くか。私はティームも大事だがどの都市に行くかも大切だと思っている。私の個人的な好みであるが、あまり南カルフォルニアや深南部はお勧めではない。ダルビッシュと同じくらいにはやれるだろう。成長と活躍を楽しみにしている。

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time and tide wait for no man

2013年12月25日 | 診療

                                               

 年の瀬になると、時間に押し出される感じがするのは私だけではないだろう。押し出されるスピードは年々速くなる。えっもう十二月と思ってからあっという間にあと一週間になる。陛下には申し訳ないが押し迫った23日の祝日は、一定量の仕事を抱える業種には負担である。昨日は百三十人という、物凄い数の患者さんが押し寄せ息つく暇もなかった。

 病気には盆暮れはないから、忙しい時に調子が悪くなる寝たきり患者さんもおられ、どうしたものかと往診の帰り道ちょいと憂鬱な気分になる。

 静穏な心が臨床には欠かせないと言った先達が居る。確かにその通りと思うのだが、そうした気持ちで診療できる時は、正直なところ希で、追われるように診療していることが多い。盆暮れのない病気が相手の仕事の宿命と思っている。だからこそ静穏な心境を忘れるなと言われたのだろう。

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君はスアレスを見たか

2013年12月24日 | スポーツ

                        

                bFkSSZpncl.0.Getty%2520Images.jpg  

    ウルグアイ代表で、リヴァプールで活躍するルイス・アルベルト・スアレスはひょっとして世界一のストライカーかもしれないと思うようになった。

 六十年近くサッカーを見てきた。ペレもオイセビオも国立でのファインゴールを見ている。そして8月の宮城スタジアムでのスアレスのゴールも見た。こいつ何者というのがその時の印象だったのだが、今期のプレミアリーグでの活躍を見て驚いた。

 スアレスは華がやや乏しいが力強さがあり、一瞬の隙を突く凄ましいダイレクトボレーを放つ。恐るべき身体能力とボールさばきの技術を持つ選手で、この活躍が三年も続けば世界一のストライカーと呼ばれるだろう?。

 ?を付けたのは残念ながらというか、野生というのはそうしたものなのかもしれないが、スアレスはジェントルマンではなく、スポーツマンシップに欠けるところがあると見られているからだ。

 まあ、しかしストライカーとしては世界一の能力を持っているのではないか

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ツゥーンバ生まれの名優

2013年12月23日 | 映画

               

 ツゥーンバなどという町は誰も知らないだろう。私は地図を探る趣味からこの町を知っており、町の紹介を読んでジェフリーラッシュが生まれた所と知って驚いた記憶がある。

 ジェフリーラッシュは名優なのだが、ハンサムでもなくゴシップもないので日本ではあまり知られていないかもしれない。英国王のスピーチの怪しげなスピーチテラピストを演じた俳優と言えば、あああの俳優かとおわかりになる方も多いだろう。パイレーツオブカリビアンにも出ているようだ。

 ちなみに私見では英国王のスピーチはコリンファース ボナム=カーター ジェフリーラッシュの三人でなければあれほどの傑作になっていなかったと思う。ボナム=カーターも私の趣味で不思議な怪しげな魅力がある。

 さて、そのジェフリーラッシュの最新作を見た。中島誠之介や山田五郎も裸足で逃げ出すという絵画アンティークの鑑定士にしてオークション主催者というのがその役どころで、蓄財の才覚もある秘かな女性肖像画コレクターで気難しい独り者を演じている。というか、何だか地ではないかと思えるほど自然で演技とは思えないほどだ。彼に姿を見せない若い女性が亡くなった両親の残したアンティークの鑑定を依頼してくる。ミステリー仕立てで洒落たお話なのだが、アンティークの鑑定より女性の鑑定の方が難しいというそりゃあそうさと胸にぐさっと来る展開になっている。

 糸脈お勧めの作品である。

 

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「量子革命」を読む

2013年12月22日 | 

                 

 訳者の青木薫さんが後書きで書いておられるようにマンジット・クマールによる「量子革命」は素晴らしい本で、最近読んだ本の中では一番面白かった。今年もあと10日間、今年読んだ一番の本になると思う。優れた解説書があれば量子力学の歴史と意味(哲学的な側面)を理解することは私のような一般人にもできる。マンジットクマールの本はそれに成功した嚆矢と言える本で、まるで記録映画を見るように、二十世紀初頭に生まれた量子という概念がどのように発展して行ったかを教えてくれる。

 共同研究を先導したボーアだけでなく、孤立しても独りで思索することを好んだアインシュタインでさえ数多くの私信を数多い同時代の研究者と取り交わしている。其処に一般人にも良く理解出来る感情の吐露があり、人間の息吹の中で理論が深められていったのが伝わってくる。

 そして、誰にも起こりうるいくつかの個人的な悲劇と悪意に満ちた戦争の爪痕を知った。マックスプランクに起きた不幸を知り、暗澹たる気持ちになった。

 量子論を読んでの感想にしては奇妙かも知れないが、虚心坦懐に感じ考え続けることの大切さを教えられたと思う。

 虚心坦懐に考えられる環境を守るのはジャーナリストの使命だと付け加えたい。

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