保湿剤を化粧品代わりに使うなら、保険適応を外すという報道があった。寒くなると痒くなる。若い人には分からないかもしれないが、乾燥肌で脛に掻き傷の私には身につまされる問題だ。
私の医院でも保湿剤は大量に処方しているので、えっそんな使い方があったんだと驚いている。美容液代わりに持って行っている人は居ないような気がするが、新聞を見て美容液に使えるのだと気が付く人が居るかもしれない。これからは所望される症例の使用状況を確認をしなければならない?。
一番の使用者は高齢寝たきり準寝たきりの患者さん達で、身体のあちこちを掻きむしってしまうので、どうしても大量に処方せざるを得ない。これは目の当たりにしており、美容目的ではなく適切な使用がされている。
どこの主婦か知らないが、作用効果としては似ているので流用出来ることに気付いたらしい。日本が世界に誇る国民皆保険の副作用と言えそうだ。医療側にも多少は診断的な問題はあるかもしれないが、乾燥肌で痒いのはよくある事実なので、殆どの医療機関ではきちんと確認して処方していると思う。もう一つの問題点は美容液というか美容業界にありそうだ。美容液でなく保湿液と銘打って高価な香料などは抜いて、お安く販売すれば流用を防げるのではないかと思う。もし保湿剤量の濃度などに医学的な規制があるとすれば、多少緩和して医療外使用を認めればよいことだと思う。
それにしても美容健康志向は過熱気味で異常ではないか。コマーシャルは過剰と思うが、乗せられる人が多いらしい。ご使用の美容液の成分にはコマーシャル料金もかなり含まれていますよと申し上げたくなる。