駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

そんなと思うことが起きてしまう

2017年11月21日 | 世の中

   

 今朝も晴天で風のない朝だった、北海道などは冬の寒さと報じられている。最近は高々数日で十度近く気温が上がり下がりする。今年は冬が早いですねと言うのは高齢の患者さんだが、どんなものか。もう暖かい日は来ないと思っていると、二十度を超す日が来るかもしれない。

 思いもよらぬことが起きるのが人生。こういう仕事をしていると、しばしば安穏を切り裂く悲報に、驚かされ心が痛む。病身の夫を献身的に介護する妻という組み合わせは多い。よくまあこの我儘男をと秘かに思ったりするのだが、健気に介護していた奥さんの方が、思いがず急逝されることがある。Kさんこの頃来ないなと思っていると、奥さんが急に亡くなり施設に送られたそうですなどという情報が入ってくる。

 献身的な介護の果てに夫を見送り、肩を落としていたのも数か月で、次第に溌剌と自分の人生を歩み始められる奥さんも多いのにと、この世の理不尽に何とも言えない気持ちになる。しかしまあ、誰しが四十年も生きれば世に潜む理不尽を思い知るものだ。

 昨日も不機嫌な夫を車椅子に乗せてNさんが受診された。看護師と二人掛かりで体重計まで移動させ、一瞬手を放す、58kg。長患いの脳梗塞にしては結構な体重だ。40kgあるかないかの奥さんに介護は重労働だろう。患者さんだけでなく奥さんの健康も祈ったことだ。

コメント
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