駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

何故か好みの十一月

2017年11月04日 | 小考

        

 昨日は晴れの特異日と言い古される文化の日で青空が見えた。実際には特別と言うほどでもないようだが、明治生まれの父に、いつも天長節だから晴れると言い聞かされたのでそう思っている。

 いつの頃からか、多分四十過ぎてからだと思うが、暑くもなく寒くもなく十一月は落ち着いた感じがして、私の好みの季節になった。

 私だけでなく、溢れる情報にあれこれと忙しない日常を送る現代人には、落ち着いてものを考える良い季節だと思う。

 日本の内向き志向が指摘され始めてしばらくになる。医療分野でも、システムも違うし何もわざわざアメリカに留学することもないという若い医者が増えた。それは一種の視野狭窄で、最先端の研究はできなくても、アメリカに限らず外国で暮らしてみることの意味は大きいと思う。異国で暮らしてみると世界が広がるし、他者の理解も深まる。若い人には、そうした機会がなくてもせめて一つの外国語をものにすることをお勧めしたい。

 語学にも才能の有無があるのは確かだが、日本人で日本語の話せない人は居ないわけで、本腰を入れればできるはずだ。外国語は異文化そのもので、異文化を理解することになる。韓国や中国を嫌う人が多いけれども、韓国語や中国語ができれば、嫌うにしても頭ごなしのものではなくなるだろう。ニュースにはなりにくいけれども、どこにも庶民が居て庶民の生活があるので、それを理解するようになれば、問答無用の拒否は減ると思う。

 そう言いながら、自分のドイツ語会話はちっとも進化していない。教師に付いたほうがよさそうだが、なかなか地方に英語以外の教師は少ない。なんだか偉そうなことを書きながら言い訳で締めくくることになってしまった。

コメント (4)
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