駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

踊る言葉に踊らされる

2017年11月22日 | 町医者診言

             

 首相の遅ればせの所信表明演説は拍子抜けで短く、しかもさほど目新しくもなく迫力に欠けるものだった。おまけに読み飛ばしていたというから驚く、棚からぼた餅の圧勝で緊張感が欠けているのだろう。オバマは原稿を読まないで格調高い演説をする。私でさえ一時間くらいの講義は原稿なしで出来る。安倍首相は権力維持の策略と権力行使力には優れているが、教養が薄く肝心の政策行政説明脳力が不足しているように見えてしまう。

 尤も雰囲気だけという馬脚?を現した小池都知事とは違い、百年前の安倍的古き良き日本を取り戻そうという確固とした核心をお持ちなので、様々な脚色はあっても一貫性は感じられる。安倍首相をポピュリストとする評論家が居られるけれどもそれは見かけのことで、目指す方向にぶれはないと診る。

 最近はインターネットはほどほどにして新聞やBS放送から情報を得るようにしている。偉そうに響くと本意ではないが悪貨は良貨を駆逐するというか人は易きに付くというか、ネット情報には悪口情報が多くちょっとうんざりする。優れた人物立派な行為を貶せば、相対的な自分の位置が上がると感じられるのだろうか、あるいは人の不幸は蜜の味が露骨に現れているのだろうか、短絡反射的な批判が多い。

 世界は右傾化保守化していると言われる。恐らく根底に将来不安があるのだと思う。唯、守るだけでは危機は乗り越えられないので、保守化もほどほどにと蟷螂の斧は危惧している。以前にも書いたが右とか保守とか左とか革新(最近はリベラル?)の意味内容がはっきりしなくなっている。熟語の意味内容には変遷があると思われるが、変化を上手く説明できないのなら、いっそ別の表現や言葉をとさえ思う。熟慮はそれを支える言葉が曖昧に踊っていては出来ない。

 感じの良さ見かけの良さで目を引くことが重視されるのはコマーシャリズムの影響と思われるが、甘いものばかりだと歯も悪くなるし中性脂肪や血糖が上がり動脈硬化が進み脳梗塞、心筋梗塞、腎不全が忍び寄ってくる。

コメント
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