駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

地殻ではなく社会の歪

2017年11月01日 | 小考

       

 この頃は嫌な事件が多く、新聞を読む気がしない。週刊誌の広告も厭らしい表題ばかりで、社会が病んでいるのではとさえ思える。学校でいじめがなくならないのは大人がいじめをしているからではないか。

 マスコミとコマーシャリズムが社会の歪を助長しているように思うが、教育学者、心理学者、社会学者、犯罪学者・・の意見を聞いてみたい。否、そうした学者にもっと発言して欲しい。

 マスコミは歪を拡大して報道しているようで、市中で診療していておかしな患者さんが増えてきた感じはしない。まともな人が殆どだ。だから何とか社会が回っているのだと思う。

 もう三万人近い患者さんを診てきたから、稀には異常な人や困った人も居るが警察を呼ぶようなことになったことはない。事件を起こした患者さんも居たが凶悪というよりは悲劇だったと診ている。追い詰められ視野が狭くなると間違いが起きる。

 違っているかもしれないが、街中で診察室に座っていると、世の中が様子が官邸の中に居るよりはよくわかる気がする。株が上がり大企業は好決算らしいが、好景気の感じはない。それよりも心配残念なのは明るく楽しい世の中という福音が感じられないことだ。何だかどこかが歪ずんでいると感じるのは私の誤診だろうか。

 マスコミの力は大きい。弱きを挫き強きに擦り寄るのはジャーナリストではないと申し上げたい。数が減ったけれども奮闘する花沢さんや近藤さんを応援したい。

コメント
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