駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

漫才では面白くても

2015年06月23日 | 診療

                   

 梅雨空で曇っているのだが雨はさほど多くない。気温はさほどでないが湿度が高いので、空調の乾燥を入れてしまう。患者さんの為と言いながら自分の都合でもある。未だ半ばなのだが梅雨明けが待ち遠しい。

 確か獅子てんや瀬戸わんやの漫才だったと思う。わんやが事の顛末を説明するとはいはい成る程と聞いていたてんやが、最後に何でそうしのと振り出しの質問に戻ってしまう。だからと再び最初からわんやが説明するのだが、成る程と聞いていても最後に振り出しの質問に戻ってしまうため、わんやが顔を真っ赤にして怒りながら何度も説明を繰り返すネタがあった。これは漫才だから面白いので、実際にわんやの役回りをさせられると血圧が上がってしまう。

 Yさんは善良な人なのだが元々理解力の低かった上に最近はいくらか認知症が加わり説明してもなかなか分かって貰えない。寝たきりのご主人の病態を説明するとはいと頷いて聞いておられるが、それは私の声が聞こえているという意味のようで、聞き終わると、でどうなるのと繰り返される。わんやでないわたしは二回までで、とてもそれ以上繰り返す気になれない。あとは看護師のAさんに引き取って貰った。お嫁さんに説明し直さねばならないとメモをしたことだ。

 年を取るとのんびり穏やかになるというのには、例外も多い気がしてきている。私は性格的にせっかちなのだが根気と我慢で補なって、患者さんの多様な個性に付き合ってきた。しかしこの頃は分からず屋というか分かりの悪い患者さんにイライラするようになった。仏でない私は二度で許して欲しい。三度目にはお引き取りをと言いたくなる。

コメント
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