駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

砂糖に課税との提言やいかに

2015年06月10日 | 町医者診言

                   

 ネットの記事だから詳細は分からないが,厚生労働省の有識者会議が国民の健康対策として提言したようだ。酒煙草の次は砂糖としても、砂糖は無しでは暮らせないし嗜好品とは言い切れないので、異論や反対の声も上がるだろう。また肥満や糖尿病予防にどの程度効果があるか未知の部分も多い。

 まあしかし、識者の気持ちはよく分かる。よく知られたことだが、今や国民病と言われ、患者数一千万人に達しようとする糖尿病は戦後の食糧事情の悪い時期には珍しい病気だった。その頃は強制的に食事指導と運動療法が徹底して行われていたわけだ。

 糖尿病の治療の基本は食事と運動にあるのだが、第一線で診療しているとこれを守らせるのが非常に難しいと実感する。自覚症状がないと自分を律することの出来ない人が多い。半数以上だろう。通院している人の半数であって、通院していない糖尿病の人の多くは食欲のままに食べ、高々十五分を歩かず車やバス電車を使っているだろう。

 自覚症状がないあるいは乏しい生活習慣病や生活習慣病予備軍には懐に響かせて節制を促そうという発想はよく分かる。医療費に税金が使われているから、その抑制のためにはやむを得ない気もする。どの程度効果があるか不明だが、そうでもしないと節制出来ない人が数多いのは事実だと思う。

 菓子業界など利害が絡むので、どうなるか注目している。

 純粋に食べるために生きているところのある私としては、砂糖はもっと控えめで良いと思うので、本業を別にしてこのアイデアは悪くないと思う。

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