駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

電話は良い風呂かなあ。

2011年02月13日 | 診療

 昔懐かしいコマーシャルに伊東に行くなら**屋、電話は良い風呂と言うのがあった。もっと古いのに****は一番電話は二番というのがある。

 電話歓迎というわけだが、そうかねー。電話当番や電話係が居るところは、それでよいのだろう。しかしまあ、町医者になってごらん。電話は暴力に思えてくる。さすがに真夜中はないが、自宅でのんびり音楽を聴きながら仕事の疲れを休めていたり、衛星放送の映画を見ていると、電話が掛かってくる。覚悟して町中の臨床医になったのだから、かかりつけ患者さんの急病のことなら楽しみを中断されても諦める。しかし、そういう電話はむしろ少ない。

 一昨日も楽しくない電話が掛かってきた。夕食後書斎でショパンを聞きながら夢心地で居たら電話のベルが鳴る。中年女性の声、「あした、お宅に掛かりたいけど、どうやって行けばいい」。それが午後八時にする電話でしょうか?「えーっと、**の駅前ですけど」、名も名乗らぬ輩にむっとしたので「どちら様ですか」。「い-え、構いません」、ガチャと切れた。

 ちょっと怒気を含んで言ったのが悪かったか、何が構いませんだ。電話というのは相手が何をしていようとお構いなしなのをご存じないのだろうか。電話帳、インターネットそして市の配布情報など、当院を探す手立てはいくつもある。要するに思い付いて自分の都合で掛けてくるのだ。おかげで夢心地はどこえやらだ。それに最悪であるが、怒ったのが分かったせいだろう、それらしき人は結局来院しなかった。三方三両損だ。

 世の中には無神経な人、自分勝手な人が限りないわけだから、こうしたことで腹が立たないようになりたい。残念ながら、凡夫の私には難しい。

 私の仕事はもっと大変とか、医者は儲けているからそれくらい当然と言ったご意見は、既に伺っていますので、どうぞご遠慮下さい。

コメント (2)
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