駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

勝負の綾

2011年02月07日 | スポーツ

  

 昨日の将棋NHK杯戦は渡辺竜王対深浦九段の好取組であった。深浦九段が試合前のインタービューでNHK杯戦では三連敗している渡辺竜王に、四連敗はしませんよなどと意気込みを述べていたが、それが仇となり、返り討ちを喰らってしまった。他の棋戦での対戦成績は悪くないので「勝つと思うな思えば負けよ」。だったようだ。

 尤もこの辺りは、勝ちを意識するなと言うくらいが本当のところだろう。燃えたぎるは問題だろうが静かな闘志なくして、やはり勝負は勝ち難いと思う。

 闘志を前面に出すか静かに心に秘めるか、それはその選手の持ち味というか、一概にどちらがとは言えないだろうが、勝ちを意識しすぎ勝とうとすると却って萎縮する側面はありそうだ。剥き出しの闘志よりは内に秘めた方が分がありそうに見える。そういえば、おしゃべりで強いのはモハメッドアリだけと言われていた。

 それにしても真剣精魂を込めるから、見ている者が手に汗を握り応援に力が入るわけで、八百長があっては、どんなに演技が上手くても中身のない詰まらない試合になるだろう。勝負事の判定はさほど自信はないが舌に自信があり、伊勢の赤福の巻き直しは問題になる前から私には何となくわかっていた。八百長相撲も見巧者が見ればわかるのではないか。消化試合のような勝負の裏に八百長があっては、大相撲さようならだ。良い時代に相撲を見ておくことができた。

コメント
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