駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

国語力不足

2011年02月16日 | 町医者診言

 メドべージェフ大統領の択捉国後訪問は暴挙だから暴挙だと言ってどこが悪いかと言うのが、首相や外相の見解のようである。そうだろうか。外務省はどういうアドバイスをしているのかと、不思議な気がする。(まさか北方領土返還などどうせ実現できないと、ガス抜き芝居を打たせているわけではないだろうな)。

 北方領土を戦争で取り戻す気ならそう言っても良いだろうが、そうではないわけだから暴挙などと相手を否定し挑発するようなことを言うのは賢いとは思えない。一時の怒りの発露を求めただけの発言は 深謀遠慮を欠く軽挙妄動の人には、歓迎されるかもしれないが、それはその場限りの快哉で、結局は反発を買い、失う物の方が大きい。北方領土はこの発言で何百キロも遠ざかったと思う。毅然とした態度は断固必要だが、感情的な発言は外交的には得策でないと素人ながら申し上げたい。

 前原外相は国民の気持ちだとか言ったらしい。確かに気持ちかも知れないが、日々を凌いで生活している国民はそれをそのまま口に出すほど阿呆ではないと思う。いかにも青臭い発言で、何年政治家をやっているのかと聞きたくなる。

 暴挙の前にも沖縄は基地を甘受せよと言う発言があった。甘受は受ける側の人の使う言葉で押しつける側の言葉ではない。首相の国語力不足が露呈していた。

 そしてここに来て前首相の方便発言が出てきた。国民を虚仮にしては何も生み出せない。馬鹿正直な政治家は正直ではなく馬鹿だと言うことをご存じないとは、恐ろしい気がする。尤もそれを承知で、鉄面皮な官僚の狡猾さを暴こうとしたのかも知れないが、既得権側は巧みに視点をずらし、前首相の不明を浮き彫りにしてきた。返り討ちでは非力で愚かと言うしかない。

 言葉を自由に駆使できない国語力不足は即ち未熟な政治家と言うことだ。現政権は脳味噌を洗って出直しては如何という一国民の苦言を甘受していただきたい。

コメント (2)
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