駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ピアニシモが伝えるもの

2011年02月03日 | 世界

 音楽の才能は皆無で、楽器も演奏できないし、歌も歌えない。それでも、音楽はよく聞いている。交響曲はよく分からないというか、新世界や運命のような馴染みやすい?ものは聞き通して何らかの感動を得ることはできるのだが、他の作品は全体の流れを味わえず退屈に感じることが多く殆ど聞かない。尤も、聞かず嫌いの側面はあるかも知れない。

 クラシックの小品は好きで曲名も知らぬままよく聞いている。音色や旋律が心に直截語りかけてくるのを感じる。語りかけると言うよりも浸みこんでくると云った方が正確な表現かも知れない。

 音そのものも不思議な力をもっており、バイオリンの優美でビロードの手触りのような音の波に、転がるようなピアノの音の脈動に、意識下の精神が聞き惚れているように感じることもある。特に優れた演奏家のピアニシモからは、言葉や具象と違うどこか懐かしい何かが時空を越えて伝わって来る。

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