鈴木忠司さんの玉川上水オープンギャラリーでは、二十四節気の最初の日曜日にはミニ観察会が開かれる。毎回10名前後が参加するが、私はそれを「鈴木教室」と呼んで欠かさず参加している。ほぼ2週間に1回の割合で開かれるのだが、テーマにこと欠くことはない。これは日本の季節の多彩な変化がいかに刺激的であるかを示している。鈴木さんは二十四節気の中では8月の「立秋」に最も違和感があるという。それでも8月15日頃に庭で「リッリッリッ」とコオロギが鳴き、その鳴き声を聞いて立秋であることを納得するという。(写真は鈴木さん)
立秋の鈴木教室の樹木は「クサギ」だ。白い花にはアゲハチョウが集まる。この季節に蝶に人気のあるのが、野草ではヤブガラシ、樹木ではクサギとアベリアになる。クサギは花が終わると、美しい藍色の果実がつき、その実で絹の布を瑠璃色に染色できる。(クサギ)
立秋になると蝉しぐれも後半に入る。ヒグラシは夜明けと日没に鳴く、クマゼミは早朝から昼まで鳴く。アブラゼミとミンミンゼミとツクツクボウシは朝から夕方まで鳴いている。クマゼミは日本で最も大きな蝉で西日本に多い。鈴木さんが東京にいないはずのクマゼミの「シャーシャーシャー」という鳴き声に出会ったのは平成5年頃である。当初は津田団地で、その後徐々に玉川上水に広がった。(クマゼミ)
津田団地の図書館と公民館は私もよく利用する。敷地内には多くの種類の樹木がある。その全ての樹木に名札がついているのは好ましい。西日本に多いヤマモモ、クスノキが多くある。鈴木さんは団地が高層に建て替えられ時に植えられたこれら西日本の樹木の根に幼虫が付いてクマゼミが移入されたと推理している。団地にはクマゼミの大合唱を聞くために訪れたのだが、期待通りに鳴いてはくれなかった。静かに木に止まっているメスのアブラゼミやクマゼミを発見した。予定外であったがキアゲハとナミアゲハの幼虫の発見もあった。私一人では発見できないことばかりだ。(キアゲハの幼虫)
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