玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*断捨離

2017年12月25日 | 捨て猫の独り言

 本棚に並べておくだけでこれから先に読むことはないだろうという本はかなりの数になる。勤務していた頃に年度ごとに「個人研究費」というのがあって限度金額ぎりぎりに買い込んだ本が多い。小さな欲がなせる悲しい結末である。(近くの家の庭先にて) 

 

 購入が許されるのは、本人の専門分野という条件が付いていた。数学の一冊を読破するのにはかなりの労力を必要とする。今となっては詮無いことだが、その専門分野のキャリアを欠いている私には、ことさら読破は難しい。それらが並んでいる。(神宮外苑のイチョウ並木にて)

 

 日本の三人とロシアの作家の文学全集、これは比較的読見込んだ方だ。読み返すつもりでいたが、その機会もなく本棚に並ぶ。巨匠たちが描いた西洋美術全集もある。録画したものの、そのままになっているDVD、さらにビデオテープ、カセットテープなどもある。

 玉川上水も冬木立になった。木々たちはあんなにも、潔くすべての葉を落としている。私としては、せめて囲碁番組を録画したビデオテープを見直して、それが終わる度に廃棄することに決めた。ボチボチの断捨離である。世には男捨離というのもあると聞いた。

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*参議院議員会館

2017年12月18日 | 捨て猫の独り言

 参議院議員会館で12月13日の13時から市民集会、16時から防衛省交渉があった。辺野古新基地建設について考える定期的な集りで、沖縄から北上田毅さんと山城博治さんの二人を迎えて、NGOのFoE(Friends of the Earth )などが主催して行っている。 

 議員会館は国会議事堂の裏側に参議院、衆議院第二、第一の順に3棟が並んで建つ。ともに地上12階で、3~5階の地下には食堂・売店を備える。いずれも2010年の使用開始だから真新しい。地下通路で議事堂および地下鉄の国会議事堂前駅・永田町駅とつながっている。通行証を受け取り、チェックを受けて議員会館に初めて足を踏み入れた。

 

 1階の会議室で150人の集会があり、A4判で15ページの「防衛省との協議に向けた質問事項」が配布され、それを北上田さんが説明した。山城さんは各地の土砂搬出予定地を訪ねた報告をした。福島瑞穂議員も防衛省との交渉に参加した。この日のことをはじめ、辺野古の状況は北上田さんのブログ「チョイさんの沖縄日記」で知ることができる。耳の遠い私はマイクを通した声はほとんど聞き取れない。後日あらゆる手段を用いてこの記事を書いている。

 休憩時間に地下1階のコンビニで飲み物を手に入れ、建物内をぶらついた。昨日の夕刻に地下1階にある講堂で「山城裁判を知ろう」というテーマで300人集会が鎌田慧、佐高信、落合恵子、香山リカなどが参加して開かれたという。これからも北上田、山城の両氏の上京に合わせて、防衛省交渉とセットで何らかの催しが設定されるだろう。それにしても緻密な戦略家の北上田、迫力の集会リーダーの山城という二人の存在は、とてつもなく貴重なものと私は考える。

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*日展2017②

2017年12月14日 | 捨て猫の独り言

 国立新美術館では開館10周年として、日展の他に建築家の「安藤忠雄展」とアニメーション監督の「新海誠展」が同時に開催されていた。日展会場ではガラス越しに建物の外を見渡せる休憩室まで彫刻作品が展示されていた。陳列面積が大幅に縮小されていた。

 馴染みのある風景画、鹿児島湾の「桜島」、秩父の「武甲山早春」、信州の「白馬村雪晴れ」などに出会うと立ち止まる。山田郁子の「やすらぎの一時(ヨロン島の菊お婆)」は私の関心を引く。この作家は前回も「菊お婆」を出品していた。白日会の会員である。

  

 印象に残った二つの作品がある。どちらも特選に選ばれている。洋画で山内大介の「暁のコンチェルト」と、彫刻で丸田多賀美の「家族から」だ。特に前者は日展に新しい風を吹き込む作家として期待されているようだ。

  

 最後に少しばかり日本画と彫刻の作品を挙げる。(完)

 

 

 

 

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*日展2017①

2017年12月11日 | 捨て猫の独り言

 日展の会期終了は10日(日)である。6日(水)に日展見学に出かけた。いつもと異なる経路で行くことにした。国立新美術館のアクセス案内にはないが半蔵門線の「青山一丁目」駅で降り、青山霊園に沿って歩き、日本学術会議前に出て、美術館の裏手にある搬入口の横から会場入り口に到着だ。

 日本画そして洋画そして彫刻と工芸の順に見て回る。私には個々の作品を批評する力量は皆無である。しかし芸術家たちがどのようなテーマに魅了されるのかには興味津々なのである。特に理由があるわけではないが洋画に出展している常連さんに目が行くことが多い。

 その洋画で長年にわたり同一テーマを描き続けている三人の名を覚えた。車椅子の母を描く「母の像ー百歳」の伊藤寿雄、高校教師で青年の胸板を描く「響命」の春日裕次、長崎の夜景を描く「宵の長崎港」の大渕繁樹である。他には浜辺の流木を描いた作品にはいつも魅かれる。

 

 私が日展を見学した日に、天皇皇后両陛下も10年ぶりに日展を鑑賞と翌日の新聞報道にあった。帰りは予定通り青山霊園に立ち寄る。大久保利通の墓所があると聞きそれを見届けるためだった。首尾よく目的を達成し、ついでに吉田茂の墓所を探したが横浜市の久保山墓地に移転したということだった。

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*ぶらり上野

2017年12月07日 | 捨て猫の独り言

 遠来の泊り客と上野の辺りを歩くことにした。東京文化会館の横を通り、向こうに東京国立博物館を見渡せる噴水前広場では錦鯉の品評会が始まろうとしていた。青空のもとブルーの無数の簡易水槽に巨大な錦鯉がゆったりと泳いでいる。あれはいつのことだったか一度は入館したことがある博物館を右手に見ながら東京芸術大学を目指した。

 芸大を訪れるのは初めてだ。道路を挟んで左手に芸大美術館があり、右手に上野キャンパスがある。美術館では最近まで、「皇室の彩り」と題して創立130周年記念特別展が開催されていた。この日は無料の「子供は誰でも芸術家だ。問題は大人になっても芸術家でいられるかだ。パブロ・ピカソ」展が開かれていた。

 

 美術館から中庭を見下ろしていたら、木立の中に平櫛田中が制作した「岡倉天心像」を発見した。天心を敬愛していた田中は登校のたびに自作の天心像に最敬礼していたことは聞き知っていたが、それが今ここに在る。アーネスト・フェノロサや、岡倉天心らの尽力で1887年(明治20)に「東京美術学校」はスタートしている。

 

 博物館とは反対方向の狭い道路を抜けてゆく人の流れに興味が湧き、後をついてゆくことにした。町巡りイベントに参加の人たちだという。狭い道路の住所表示は上野桜木町とある。流れと別れて谷中霊園に出た。表示に導かれて徳川慶喜の墓所に参る。管理事務所で著名人墓碑(56人)をもらう。複雑な区画の霊園は日暮里駅の西側に密接している。東口のロータリー前のある中国料理「又一順」で遅い昼食となった。

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*辺野古5泊6日④

2017年12月04日 | 沖縄のこと

 13日には嘉手納町で「核兵器から命を守る県民共闘会議」が発足した。きっかけは9月に放送されたNHKスペシャル「沖縄と核」。最大1300発の核兵器があったとされる。今も貯蔵の可能性があるとして嘉手納、辺野古、ホワイトビーチの立ち入り調査や閉鎖・撤去を求めるというものだ。

 また私が那覇空港に向かっていた日曜日に米兵による飲酒運転事故が起きた。19日午前5時25分ごろ、那覇市で酒気帯びの米兵(21)が運転していた米軍トラックが軽トラックに正面衝突し、軽トラックを運転していた平良英正さん(61)が死亡した。

 ゲート前にはいろんな人が行き交う。DVD「辺野古ゲート前の人びと」が制作・販売されている。沖縄戦での戦死者数はまだ確定されていないという地道な実態調査の報告、「沖縄戦とPTSD」の講演の案内ビラ、「沖縄の基地問題を理解するために」のパンフレットなどが錯綜する。

 

 県外からの方と促されて発言した。「隣の女性に、ここまで75分歩いて来たと話したら、翌朝は宿まで車で迎えに来てくれました。そして熱いお茶と朝食のお弁当までいただきました。沖縄の人は親切です。私は奄美が沖縄より先に日本に復帰するというので、小学2年時に一年間だけ那覇の壺屋で過ごしました。その時に訪れた南部のガマで死臭を嗅いだような気がします。日本は日清・日露に始まり沖縄戦で戦争を終えました。軍部の独走というより大衆が熱狂的に支持したと考えるべきだと思います。今の本土の状況は心配です。阿波根(あわごん)主義の伝統のうえに、非暴力の抵抗を続ける辺野古の阻止行動は、日本の民主主義を守る戦いだと思います。隣の方に頑張ってくださいと言ったら、叱られました。頑張ってくださいではなくて、頑張りましょうでしょ!」(完)

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