入学したのは法学部だったが法律の勉強は苦手だった。司法試験は断念し研究者の道を選ぶ。2年浪人して神戸大学大学院法学研究科へ進み、同じ敗戦国の西ドイツの憲法を研究する。1994年(36歳)北九州大学法学部専任講師としてスタートする。
2002年(44歳)は法律の専門家や研究者らと市民団体「政治資金オンブズマン」を、2016年(58歳)には国会議員の政治資金収支報告書をネットで公開する公益財団法人「政治資金センター」を設立した。安倍元首相の後援会が主催した「桜を見る会」前日の夕食会や「森友学園」の問題などの刑事告発や提訴にも関わる。
ほとんどの告発のきっかけは、新聞や週刊誌の報道で問題を知り、公開情報や資料を調べ直し告発状を書く。今回の事件の発端は2022年11月の「しんぶん赤旗日曜版」のスクープだった。自民党の5派閥の政治資金報告書を一つ一つ見ながら、お金の出入りをチェックするので膨大な作業になる。調査は煩雑で、昨年は正月休みを返上して告発状を書いた。
「検察が本気で自民党とやり合うかどうか注目していたがトカゲのシッポ切りで終わらせた印象です。裏金づくりは会計責任者の独断ではできない。安倍派の裏金プールとキックバックはこれから。大勢の議員を順次これから告発していきます。ぼくも年を取った。3年前から大腸を患い、緊急入院を繰り返した。左目も病気で視力が低下し資料を読むのもきつい。仲間も引退しています」家族は同い年の妻、こどもは1男。