玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*361点の天地

2012年02月27日 | 捨て猫の独り言

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 キンカンの実をムクドリがよく食べてわずかに残っている。隣家ではキンカンの木にネットをかぶせて防御している。暮に種をまいた畑の春菊とチンゲン菜も霜にやられて生育が悪く上に伸びない。これらの野菜は人の口に一度も入らず小鳥たちの冬場の餌としての役割のままで終わりそうだ。椿の花がぽつぽつと咲き始めた。蕗の薹も姿を見せてはいるが寒さのせいかいつもより実の固さを感じさせる。てんぷらとして食卓に出てくるのが待ち遠しい。近くの通学路のでこぼこ状態は放置されたままである。

 囲碁の井山祐太九段と将棋の室田伊緒初段の婚約が発表された。両名への個別の取材はご遠慮させていただきますとある。入籍は5月末の予定だという。なんと二人は平成元年の同じ日の生まれである。すなわち1989年5月24日が二人の誕生日だ。しからば当の二人ならずとも5月末の入籍を考えるところだ。これまで囲碁棋士と将棋棋士のカップルは数例あるが、なんと囲碁棋士(男性)×将棋棋士(女性)は今回が初めてのことだという。

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 かつて囲碁の木谷道場では約20人の弟子たちが共同生活をしながら囲碁の勉強をしていた。勉強は早碁の一番手直りで一カ月に三百局以上打ち、各自が成績ノートを持ち、木谷先生に見てもらった。日本囲碁界の低迷が心配されている。木谷道場にあった師弟関係、そのような師弟関係の希薄化が関係しているのではという声がある。私も遅々とした歩みで囲碁の勉強を始めているが、対局数は一カ月で十局だから木谷道場の三十分の一である。

 かつて藤沢秀行という破天荒な囲碁棋士がいた。その一方で「秀行(しゅうこう)塾」で多くの若手棋士の育成にも心血を注いだ。いま彼の「秀行の世界」というシリーズ本をとても興味深く読んでいる。秀行塾の若手同士の実戦を材に解説したもので、その本のはしがきに「碁盤は縦横19路、わずか361点の天地でありますが、そこには無限の広がりと変化の多岐を有しています。千年の囲碁の歴史を通し、同じ碁はあり得ませんし、一局一局新しい世界が生まれているのです。すべての局面を自力の判断で解決していかなくてはいけない。もしより高いものを求め望むならば、盤上に対する”目”を育てる必要があるでしょう」とあった。(写真は日展会場にて)

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*二十四節気の雨水

2012年02月20日 | 玉川上水の四季

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 東京は雪の日が少ない。ある雪の日をきっかけに近くの緑道がでこぼこ道になってしまった。これほどまでにでこぼこになるのはこれまであまり経験したことがない。ぬかるんだ土が大ぜいの通行人の靴に付着してあちこちに運ばれたせいだろう。乾いた路面は洗濯板の形状だから足首に負担がかかり歩行もままならず、自転車はガタガタと振動しつつ蛇行する。先日の夕暮れ時に買い物キャリーバッグを引いていた老婆が立ち往生し、それを見かねた女子中学生数人が手助けするという一幕もあった。

 玉川上水オープンギャラリーが開設されて3年が経ち今年で4年目を迎える。3年目には充実したパンフレットが発行された。そのパンフには365日の一日一日の「さんぽ暦」が掲載された。たとえば昨年の雨水のパンフレットを見ると、2月20日サンシュユの花、21日ホトケノザの花、22日カンスゲの花穂、23日ヒメオドリコソウの花、24日モズのカップルといった具合だ。いわば発行者の鈴木さんの長年の記録の集大成である。この3年目は私は観察会にほとんど参加したので、なんだか一つの課程を修了した気分になっている。

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 昨年の暮れに鈴木さんが体調を崩されたことがあった。3年目のパンフのうちその間の大雪、冬至、小寒の3つの節気が未発行になっている。残念だが修了証書はお預けということらしい。なにごとにおいてもマンネリズムを打破することは大変なことだ。今回の雨水の節気で鈴木さんが発行したのは「観察の手引き・玉川上水の野鳥」という初心者に向けたパンフだった。どうやら今年度は景観、野鳥、野草、樹木、昆虫のテーマごとのパンフになるようだ。留鳥10種類を識別できるようになろうと、シジュウカラ、コゲラ、キジバト、メジロ、ヒヨドリ、ムクドリ、エナガ、ヤマガラ、カワラヒワ、カワセミが取り上げられていた。私の場合、そのすべてについて識別可能だったのでひとまず安心した。

 雨水の観察会はおだやかな陽射しに恵まれた。今年は寒さのせいで梅の開花も二週間ほど遅れているという。下流に向かって往復2時間余りの散策になった。こちら方向の緑道は通行量が少ないせいかそれほどひどい道路状態ではない。それにしてもこの時期の緑道は葉をすっかり落とした木立が続いて殺風景だ。しかしこの見通しの良さが小鳥の観察に適しているのだ。この日はシジュウカラ、キジバト、メジロ、エナガに出会う。思いがけなく水辺で日向ぼっこをするゴイサギにも出会った。カワセミの白い糞の痕跡もあちこちに見られる。静止しているカワセミをいつか見たいと思っている。(写真は日展会場にて)

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次の企画は梅見会です

2012年02月16日 | ねったぼのつぶやき

 昨年から縁あってさる会社の催しに参加している。この種の企画は、大抵同じ仕組みだろうが幹事役と会社側が企画を立て、お知らせを回して参加者を募っている。およそ30名前後バス一台で移動する。過日、次回は「吉野梅林の梅見会です」と連絡があり、現在”プラムポトックウイルス” に影響による樹木の伐採が進められており、例年の様に美しい梅林が見られるのも今年が最後かもしれないとあった。道沿いや岡をなしていた梅の木樹が伐採されつつある?

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 この数年足が遠のいていたがかって何度も訪れた地である。日々せわしなく過ごしていた頃、陽射しが春めくとトタンに何処か出かけたくなり青梅方面によく出かけた。上京した母と蕗の薹や茗荷、銀杏拾いもした。近場でありながら、電車に乗り山あいに向かう小旅は故郷に向かう気分に似ていた。イヤ今や故郷は、過疎化か画一的な街化のどちらかになっており、日の出~青梅方面にみるような畑・山・谷あいの道・清流など望むべくもない。その意味においては「万人の故郷」としてソット大切に取っておきたい地であるように思う。

 近隣には「吉川映治館」や「玉堂美術館」があり、食事処もあって疲れた散策を癒してくれる。沢山の食事は受付難くなった身には、美味しい食事の案内は殊のほか嬉しい。続いた2回は片道3時間も要し少々草臥れていたので近場は幸運だ。3月といえば確定申告月であり花粉症の芽吹き時もある。何やら気が重く難儀な時期だが、来たる時を如何に迎えんと心踊る時でもある。雪に閉ざされている方々には本当に待ち焦がれる春であろう。春よ来い!は~やく来い!!

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*運動不足

2012年02月13日 | 捨て猫の独り言

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 ある日の新聞広告に見入ってしまった。現役医師が著した「大往生したけれりゃ医療とかかわるな」という本である。書名の傍には「死ぬのはがんに限る。ただし治療はせずに」「自然死のすすめ」などとある。六章からなる目次の合計60以上もある項目が広告にすべて掲載されている。おそらく目次の項目だけでは満足できなくて本を買う人が出てくるはずというのが広告のねらいだろう。しかし私はこれらの項目を読み通して、この本を読了した気になってしまった。

 たとえば「がんはあの世からのお迎えの使者」「早期発見の不幸・手遅れの幸せ」などは刺激的な項目だが「年寄りはどこか具合が悪いのが正常」とあたりまえもある。体の不都合の現れ方は人それぞれである。私の場合はまず視力の衰えだ。視力の衰弱がゆるやかに進行していると実感することがある。この不自由も自然な成り行きと受け止めている。冬場になってあらたな不都合が生じた。首から肩にかけての痛みである。「寝違え」かと思ったが単なる運動不足と現在のところ自己診断している。

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 これまで自室でラジオ体操および片足立ちとスクワットそれぞれ朝夕10分ほど体を動かすことを日課にしていた。それで十分だと考えていた。しかし今回の肩の痛みによるこの不愉快さは何とかしたい。これまでの運動量では明らかに不十分のようだ。プール通いやウォーキングもあるがこれはどちらかといえば単独行動型である。そのせいか私はこれまで長続きしなかった。そこで先週から市立体育館トレーニング室のエアロビクスに通うことにした。

 参加は週に3回も可能だが2回にしておこう。一回が60分で、女性の参加者数が圧倒的である。エアロビクスとはリズム体操であり、いろいろなステップを踏むのだが初心者はとてもついていけない。人体のメカニズムとして筋肉は伸長よりも委縮に向かい、すべての器官は飽食に弱く飢餓に強いという。 快適な体調にはストレッチと腹八分目が唱えられるのは道理である。ストレッチは静的、動的(エアロビクス・関節をくり返し動かし)、バリスティック(ラジオ体操・反動をつけ弾むような動作)に分類される。(写真は日展会場にて)

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経管理栄養だけなら簡単

2012年02月09日 | ねったぼのつぶやき

 ディサービスをご利用頂いてる利用者さんが入院なさる事は少なくない。幸いに利用中にその必要性に迫られた事態はなく、自宅で発生したトラブルが多い。従って入院に至った経過や、入院後の経過を知り、退院後の生活上の予測をたてる必要がある。短期入院の場合は変らないが、長期入院や疾患によっては大きな修正を迫られる。そんな場合介護保険上の制度として、退院に向けて関係する全ての関係者が病院に集まり、詳細な打合せをすることになっている。過日その要請があって地域の基幹病院に出かけた。

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 メンバーは病院側は主治医、病棟ナース、リハ担当者。在宅側としてケアマネ、家族、保健所、サービス提供者としての関係者であった。所要時間は60分。テーマは「胃婁造設による経管栄養と吸引の自己管理とその支援」であった。妻は「病院のケースワーカーからも療養型老人病院の話もあった。介護の限界を感じたらそうお願いせざるを得ないが、そうすれば私の事も解らなくなる。在宅で私を解っていて欲しい」と発言された。病院側の発言は医療処置の管理と妻の負担の軽減に集中していたが、双方の立場に身を置いていたことのある私には別の思いが強かった。

  家族でも、手技的な事は基本さえ学べば後はすぐ慣れる。吸引の頻度が少なければ少ない程問題ない。何よりも問題は本人の長期臥床による筋力低下である。病院から提出された経過書で頸椎の軟弱さが強く懸念された。離院時、臥床中のご本人にお会いし、ヤッパリとその思いは更に深まった。入院直前までは、私が手伝っている施設では誘導と援助の仕方によって自力で口から物を食べ、何とか自力歩行出来ていた方だ。退院後、通所施設でのケァが何処まで本人の能力を回復させ得るか、極めて厳しい道のりである。会議中の私が抱いた違和感は、話題の中心が医療処置の継続に絞られ、リハビリは略ムリといった想定で奥様の思いと距離があったからだ。元医療従事者としてソレも解りすぎる程に解る。限界は介護者の身体を通さないと結論は出ない。

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*広報誌二つ

2012年02月06日 | 捨て猫の独り言

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 いいじゃないかと会員になってはみたもののその後さっぱり活用できないでいることが私にはある。JRの「大人の休日ジパング倶楽部」会員のことである。入会資格の65歳になり運賃の30パーセント引きに魅かれて入会した。ところがこの3年ほどの間に国分寺と三島の往復に一人で一回利用しただけである。更新手続きは不要の自動更新になっている。調べてみると年会費は夫婦会員は二人で6120円となっている。

 かつての生命保険の多額の掛け金や、今も続く走行距離の少ない自動車の保有や、目を通すことのない蔵書や、使われない食器などや、些細なことでは期限切れのポイントカードやスタンプカードなど、もったいないことや哀しいことが凡庸な私の生活の中には多々紛れ込んできている。

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 毎月一回広報誌が2冊同封されて届く。「ジパング倶楽部」と「大人の休日倶楽部」という。これまで内容を読むことなくゴミに出していた。なぜ同類の冊子が2冊届けられるのか気になっていた。そこで調べてみると、「ジパング」は全国のJR、「大人の休日」はJR東日本が窓口であるという。 二つの冊子はそれぞれ独立して編集発行されている。

 手もとに3カ月分の冊子が残っていたので開いてみた。たとえばジパングの12月号の表紙は「寂光院への石段」で、特集は「平家物語でたどる京都」、大人の休日の1月号の表紙の今月の人は「中井貴一」で、特集は「東京・白州正子暮らしの中の美」だった。またジパングには旅ゼミナール(12回)として「地名」「山野草」「奇祭」について3人の講師による記事がある。2冊とも上質な広報誌である。私は会員であることを活用しどんどん旅に出るべきである。(日展会場にて・上は最年長と最年少の初入選作品が二つ並ぶ)

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負けないで!豪雪地帯

2012年02月02日 | ねったぼのつぶやき

 今年の積雪は「平成18年豪雪」に迫る勢いだという。除雪作業による死者が50人を超えたというから負傷者の数はいか程だろう。少子化・過疎化とただでさえ厳しい豪雪地一帯だ。温暖の地に生まれ、関東以西にしか住んだことのない身にとって、日常生活上の困難さは予測を超えるものだろう。

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 地震で傷んだ家に降り続く雪。豪雪地帯に取り残された年寄り達の不安を思う。ある人は屋根の積雪を少しでも和らげようと、人気のない2階の踊り場でも石油ストーブを焚いていらした。石油も要るし、ストーブへの給油すらも大変そうな年齢に見えた。室内で頬被りしていた老婦人は、玄関にも出れず、窓も開かなかったと述回された。空家は空家で、積雪が家を潰す心配だけでなく落雪により近隣へ被害を及ぼす点で心配されている。かってさる首相が、故郷の豪雪対策として、道路の雪を溶かす装置をつけたとかは本当にあった話だろうか。

 最近、「都市直下型地震がそう遠くない」と報道され衆目を浴びた。そこへ東日本大震災後、鎮静化にむかっていた余震が何度か起こり、その不安をますます増幅させた。我家を建てた(阪神大震災の前年)建築業者は、大災害や法規の規定が変わる度に連絡を寄こし、今迄も暖房機の固定等した。今回も家具は当然として家電・ピアノ固定の相談に応ずと通知があった。そうやって具体的な対応策を迫られ、初めて我が事として受け止める。子供が使い今は孫すらも手をつけない大物のピアノ。調律もせず置き去りで荷物化している。有用な活用法を考える時到来!か。

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