玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*二つの死

2022年07月25日 | 捨て猫の独り言

 調べてみるとあれは昨年の12月15日のことだった。森友学園への国有地売却を巡り、財務省の決裁文書改竄を苦に自殺した近畿財務局職員赤木俊夫さん(当時54歳)の妻が、国と佐川宣寿元理財局長に損害賠償を求めた訴訟で、国は突然請求を全面的に認める「認諾」の手続きを取った。

 政治家の保身による「真相封じ」であることは誰の目にも明らかだった。生前赤木さんは、国民全体の奉仕者として公正に働いているか、自己点検項目が記された国家公務員倫理カードを手帳に挟んで常に携帯していたという。一般に政治家=国会議員は国家公務員法の適用されない「特別職」の国家公務員だという。

  

 赤木さんの妻が、当時の安部首相に「せめて線香をあげに来て欲しい」と間接的に語っても、もとより実現するはずもなかった。そして必死の訴訟に対してネットでは「なんてしつっこいんだ」などという言葉もあったと聞く。突然の「安部元首相を国葬に」というニュースを聞いて真っ先に脳裏に浮かんだのは自死した赤木さんのことだった。

 今回の「国葬問題」は政権党である自民党内の政治力学の産物である。政治家の保身によるものであって、そこには何らかの道徳性も存在しない。近畿財務局は組織として赤木敏夫さんを悼むべきだった。7月12日の「朝日川柳」に「赤木さんも安倍さんも同じ一人」というのがあった。同じ思いの人は多いのではないか。 

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3 コメント

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Unknown (年寄りの怒り)
2022-07-29 01:43:22
青春は心の若さとか云いますが、まっとうな怒りを忘れるのも老化の始まりと思います。安部さんが赤木さんの墓前に線香の一本も上げていれば歴史に名を残したでしょう。政治家の保身による「真相封じ」で訴訟打ち切り。あってはならない話がまかり通る。IT系新語、人口知能、支える技術はむかしの数3レベルです。時代は貴兄の出番と思います。今後ともご指導ください。私のブログは夏バテ休業中ですが、そのうち新装開店します。
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SNSは苦手 (つぶやき)
2022-07-30 16:17:29
若い母親が車の中で30分ほどスマホに見入っていて後部座席の幼児が死亡するという痛ましいニュースがありました。スマホは状況次第で凶器にもなるようです。貴兄の指導で始めて、このブログも15年以上になりました。SNSよりもブログでつぶやく方が性に合っているようです。コメントを励みに、もうしばらく続けようと思います。
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Unknown (事の真相)
2022-08-01 10:04:45
日本の近現代史戦争加害と被害を学ぶ住民の集いに出席しました。ネットをやらない方も多く発言がくどく長くなるキライがあります。ブログやメールをやっているとある程度そこで日常的に吐き出される。やっていないと対面会の発言がすべてになる。私は貴ブログをもとに簡潔に発言しました。2つの死、赤木さんは痛ましくも命を投げ出して安倍夫妻の名誉を守り東京秘書は安倍さんを守るために桜の収支に嘘をついて略式起訴、有罪を引き受けた。赤木さんが真実を話していれば安部内閣はとうに吹っ飛んでいて総選挙、参院選の結果も変わっていた。安部さんは初めからすべてを知っていたのです。私の発言に参加の皆さんが合点しました。
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