玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*病院のトイレ

2007年09月28日 | 捨て猫の独り言

 今でも月に一度は通う病院は建物が新しくなって一年余りになる。読み書きのできる静かなコーナーが出来て、そこに設置された自販機では紙コップで百円のコーヒーや無料のお湯が手に入る。中でもトイレは快適である。washletの便器に座った時に見慣れないものを発見した。右前方の隅に可愛らしい椅子がある。ベビーチェアと名付けられている。注意書きに生後5ヶ月~2歳半までとある。支柱に座面が乗っかっただけのシンプルな構造である。子供は座るとT字型のガードを両手で掴むことになる。

 そのトイレは眼科と産婦人科の中間に存在している。若い父親が幼い子供を連れて利用することを想定したものと考えられる。もちろん隣の女子トイレにもこの椅子は備え付けられているであろう。こんなものがあれば便利なのにという誰かの思いが具体化されていく。これを社会の成熟と呼ぶのだろう。

 ひとりすわりできる子供が対象のベビーチェアはTOTOの製品である。創立90周年を迎えて今年の5月に東陶機器からTOTOと社名を変更している。本社は北九州市小倉にある。日本にはまだ下水道の整備されていない大正6年に水洗便器の製造に着手した。そのトイレでTOTOの製品でないものを探してみたら三菱電機のハンドドライヤーだけであった。

 病院のトイレの便座に腰かけて目の前の無人のベビーチェアのガードを引いたり閉じたりしながら考える。自転車と異なりこの椅子では子供と同じ目の高さで向き合うことになる。よちよち歩きのあの人のことを思い浮かべた。自転車の 「子供のせ」 ほどにこの椅子が普及するとは考えられない。ここではトイレのベビーチェアを商品化したTOTOのあらゆることを追求しようとする心意気に敬意を表したい。

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彼岸花のお母さんに!

2007年09月20日 | ねったぼのつぶやき

 娘が外国に嫁いだ。寒さ厳しい国に嫁いで寒さを凌げるかと心配したが、心優しい世話人の限りないお世話を受けて、たった1本ながら健気に芽を出し育ち行く写真が「彼岸花のお母さん」宛てで送信されてきた。可愛いけれどそこら中を荒らしまわるリスや、寒さよけに守られていたろう支柱を従えて花弁すら覗かしている花に、「きれいに咲いておやり」と思わず声を掛けた。

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 この花はアジア地域には自生するが太平洋を渡る彼の地では恐らく珍しい。イヤ初めて?我が家の庭先から鹿児島で手渡した球根が、あの手この手と尽くされて海を渡り、友人宅で芽吹き「37年ぶりの対面」と喜んでくれた彼女や、同様に気を揉んでくれていた同郷の友人達とのメール交換はいずれもその距離をより近く感じさせた。(カナダで初?芽吹いた彼岸花)

 しかし本当に不思議だ。草花は正確に時を得て芽吹き花咲く。こんなに記録的に暑い夏を今も尚すごしているのだが、チャント地下では次が用意されていた。彼岸花は決まってお彼岸の頃に咲く。今年は河の向う岸にも。太平洋の向う岸にも。「法則が狂う環境破壊もある」という。破壊の力はより強力という事だろう。

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*使用期限

2007年09月18日 | 捨て猫の独り言

 以前はそれほどでもなかった。最近は季節の変わり目ごとに風邪をひく。今は鼻から変調が始まり喉に移った。幸い発熱はない。風邪だとやはり気持ちも内向する。何か足らざることがあるのだろう。やるべきことは何だろうかと考えた。この週末もよちよち歩きの人が来たが最初は風邪を移しやしないか心配した。

 健康保険組合が家庭常備薬をわざわざ配布したことがある。感冒薬その他日常生活に必要な薬品を選んでお配りすることにしました。向寒期を迎え風邪などの「初期手当」のお役に立てば幸甚ですとあった。よほど保険料が潤沢であったのだろう。10年以上の前のことだ。最近では配布は行われていない。

 昔からそこにある活用されないケースを開けてみた。どの薬にも製造番号と使用期限が記されている。8年から10年前に期限の過ぎたものばかり十箱ほどあった。これらをゴミとして処分するのが一番賢明な方法であろう。ところがその中から鼻炎の薬を服用してみた。まさか毒薬に変質しているようなことはあるまい。この人体実験の結果は判明することなくうやむやになることが予想される。

 富山の売薬は幾度となく訪問し、とりあえずいくつかの薬を渡してつぎに来た時に代金を徴収していたという。その際補充はともかく使用期限の問題はどうなっていたのか興味があります。違う話になりますが私は食品を購入する時に奥に陳列されたものからごそごそ引っ張り出します。これは少し後ろめたい気分です。これからも迷い悩みそうです。また「冷蔵庫で食品を腐らせる日本人」という本が出たそうです。確かにもったいないことをする機会が多い社会になっている事を誰しもが感じているようです。

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元気でいらして安心す

2007年09月13日 | ねったぼのつぶやき

 その方はそんなに遠くはない所に住んでらして折に触れ気になる方である。草花を愛する優しい人となりのせいもあるが、早期発見の腫瘍を切除したとかって本人から聞かされたせいもある。

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 行きつけの図書館の道すがら、生垣越しに麦藁帽子を被り終日シャベルを手にして庭の手入中の彼女を見かけていた。昨年、秋の庭を見せてもらうべくチャイムを鳴らしたが返事がない。いつでも中に行って見て下さいと言われており、入ってみたら何時になく庭の手入れが届いておらずハッとした。しばらくたって再度訪ねると娘さんに母親は出ていて不在と告げられ、庭も放置状態でそれ以上は聞けなかった。

 今春恐るおそるチャイムを鳴らした。玄関のドアが開きニコッと例の微笑を浮かべ出てこられた。自分は変わりないがお兄様が肺疾患で、手術の甲斐もなく早々に亡くなった。手術を受けない方が良かったのかと転院まで勧めた自分が悔やまれてと話された。彼女の健康に安堵しつつも複雑な思いだった。安堵の余り手入れされたであろう春爛漫の庭を見せてもらうのを失念した。あれから半年、近く秋の草花を見せてもらいに立ち寄ろう。(写真は公園で)

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*誤解

2007年09月10日 | 捨て猫の独り言

 一年中休むことなく毎週土日は日本のどこかで競馬が開催されている。手続きをして二年前からパソコンで投票できるようにした。孫の女の子は生まれて一年と四ヶ月になった。週末には泊りがけで来ることが多い。そのせいか私の中央競馬会への献金は減少することになった。また日曜の囲碁のNHK杯や大河ドラマを見逃すことが多くなった。そんな生活の変化を苦にしているわけではない。

 来年の六月以降この家族は外国で暮らすことになるかも知れない。年明け早々に第二子(4人目の孫)が生まれる予定である。これまた女の子だという。それ以外のことについては今後のはっきりした生活の見通しが立てられない事情にあるようだ。私達は事の成り行きを見守るだけである。

 食事を口に運んでくれる人に対しては格別な認識があるようだ。食卓でもレストランでもそれは婆の役目である。お風呂もこの二人で入る。最近両親を尻目に婆に甘える仕草を見せたことがあった。甘えるのが上手だねと思ったのは私の誤解だったか。爺といえば抱いて室内灯のスイッチの前に連れて行きオンやオフを繰り返す遊びの相手をする。単調な作業になるが細長い紐や白黒の碁石でも遊ぶものだ。

 先日自転車に 「子供のせ」 を取り付けて待ち受けていた。抱いて散歩に出るよりこの方が疲れない。はるかに遠くまで足を伸ばすことができる。昨日初めて乗せてみた。泣いて抵抗したが気をそらしながら押し込むとすぐに慣れて平気な顔をしている。風を切って走る感覚は気に入ったはずだ。帰宅の時に両親は車に乗り込み私達が後部座席のベビーシートに納めようとすると激しく泣いて抵抗する。きっと別れが悲しいのだと誤解した。父親が助手席から下りて来てベルトを締め、運転席の母親がすばやく哺乳瓶のミルクを与えると泣き止んでそれを両手で挟みちらりとこちらに視線を向けてすぐに走り去った。 

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夜の公園で合唱の練習

2007年09月06日 | ねったぼのつぶやき

 定例的な毎月のミーチングを終えて、自転車で公園の中を通り抜けようとしたら何やら合唱が聞こえて来た。アレッと気にしつつ進むと階段状に設えられた池の周りで別のグループも練習をしていた。午後8時、背格好からして中学生のようだ。音楽会でもありクラス別に練習をしているのだろうか。

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 2番目のグループでは、自転車を止めて練習風景を眺めていた。数段ある階段を3段使い左に女性右に男性を配し、向かい側に女性の指揮者が立ってタクトを振り、注釈をつけては練習を繰り返していた。合間合間で男子はざわめいても素直に指揮者の指示に従い歌っていた。(写真は石狩川の清流)

 この公園ではよくこういった男女合同の練習風景に出会う。今流行りのリズミカルなダンスであることが多いが、必ずと言っていい程リーダーは女性である。男子生徒も従順に指示に従っており微笑ましい。それはついツイこの間までの吾子であり、かっての自分達でもあった筈だが私達の時代はこんなにオープンではなかったなぁ~。無論自分用の自転車などなかった。

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*北海道雑録

2007年09月03日 | 捨て猫の独り言

 今回のバス旅行の添乗員さんとガイドさんは女性で、ドライバーは男性でした。3人とも経験豊富の方々でした。2人の女性から教わったことを記録しておくことにします。まずガイドさんはとても誠実な方で聞き手が眠気を催すほどゆったりとした語り口の方でした。

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 「草原地帯にビニールにくるまれたロール状の牧草が、点在している風景が見られます。このロールベールは1つの重さが350kgあり、ラッピングすることで中の牧草が発酵してめでたくサイレージとなり、つまり漬物状態となって、牛が美味しく食べるのです。北海道酪農王国の風物詩は何といってもロールベールサイレージでしょう。他に北海道と皆さんのところとの違いを見てみましょう。雪のため住宅では瓦屋根はなく、雨樋や雨戸がありません。除雪の邪魔になるので隣家と隔てる垣根や塀はありません。半年は暖房のある生活が続きます。暖房費の関係でこじんまりとした戸建てが多いです。食べ物では茶碗蒸しには栗、すき焼きは豚肉、赤飯は甘納豆が入ります。赤飯は食紅で着色します。植物では杉や孟宗竹や柿や桃の木は見かけません」

 黒髪が肩まで届いている添乗員さんは、昔のクサリ鎌の達人といった風情の女性でした。要点をおさえてテキパキとグループに伝達し口数少なく時々ポツリと面白いことを言う方なので私は一言も聞き逃さないぞと身構えていました。

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 「このバスには灰皿が備わっていますがあくまでも観賞用なので使用しないで下さい。網走刑務所は更生施設なので旗を持って皆さんを案内することはできません。面会の方は各自でどうぞ。観光船ではオホーツクの日没が見られます、太陽は6時9分にジュッとなります。もし朝の出発時間に遅れたら余程この地が気に入ったのだと理解して置いて行きます。旅行中1日で体重が1kg増えます。体調を崩した方はいませんか。それとも体型を崩した方はいませんか」(写真は旭山動物園と知床観光船にて)

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北海道東パノラマ周遊

2007年09月01日 | ねったぼのつぶやき

 私にとっては初の北海道行きでした。4日間に亘り観光バスで走りに走り1200Km移動しても、道中央~知床~阿寒湖畔と北海道のほぼ中央を横断したに過ぎないのです。

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 層雲峡では早朝に黒岳ロープウェイの5合目から大雪山系を、知床ではウトロから出る船でオホーツク海の流氷に侵食された知床半島の絶壁や今沈まんとしている夕陽を、根室海峡では24Km先にあるかつての日本の領土国後島を、摩周湖では神秘的な紺碧の湖面を、阿寒湖畔ではアイヌの古式舞踊を、美瑛、富良野のなだらかな丘陵の遠景(これはドイツやオーストリアの田園風景を見たようでした)などがめまぐるしく展開されました。

 贅沢三昧の4日間の旅は、屯田兵の制度や、網走に刑務所が設置された理由や彼らの苦役が北海道開拓の礎となっていた事を知る旅でもありました。ガイドさんの説明は適切で、添乗員の案内もユーモアに満ち、20名の参加者も協力的で観光と温泉と海の幸を堪能出来た旅でした。次回があれば流氷、雪祭りなど寒さ厳しい北海道を訪ねたい。(写真は富良野にて)

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