玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*ナラ枯れの発生

2021年05月17日 | 玉川上水の四季

 若葉が繁る前の冬木立の頃に、近くの玉川上水の緑道で木の根元あたりに白い粉を噴き出しているコナラの木を2本ほど見たのが始まりだった。ナラ枯れ病発生の張り紙があったがそれほど気にも留めなかった。それから数か月後にこれまで見たこともない光景に出会うことになった。

 

 場所は津田塾大学のあたり、木の根元近くをテープで巻かれたコナラの木が9本もあった。「ナラ枯れ病拡散防止」のためトラップだという。見上げて見ると、テープの巻かれた木は無残にも真っ黒に立ち枯れている。なんとも不吉な光景である。

 緑道では他にも、死に絶えてテープを巻かれたコナラの木をぽつぽつ見かけるようになった。衝撃は原発事故、大震災、コロナ禍ほどではないが、しばらくは緑道を通るたびにこの光景を目撃せざるを得ない。ナラ枯れの原因は「カシナガ」という虫が木の中に運び込む通称「ナラ菌」が繁殖して、水の吸い上げを阻害することによるものであることが分かっているという。

 日本で代表的な樹木病害であるマツ枯れが戦前から記録が残り、原因究明が進められていたのに対し、ナラ枯れの歴史は浅く被害の顕在化と本格的な研究は1980年代に入ってからという。また近年、全国各地でナラ枯れが増えている原因は、炭焼き産業の消失などでコナラが高木になるまで放置され(ここでも高齢化?)てカシナガにとって繁殖しやすい森林が増えたためという説が有力という。身近な緑道で、コナラの大量伐採が起きないことを願っている。

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