玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

今日も私は此処に泊るの?

2011年08月19日 | ねったぼのつぶやき

 午後4時15分前になると私はハーモニカ伴奏をする。帰宅前のひと時、職員も利用者の皆さんと共に童謡・唱歌・ナツメロ満載の歌集を前に歌う。4時キッカリになると、送迎順に呼名されイヨイヨ帰宅だ。タマタマ見舞いにいらしてた娘さんも帰り支度を始めると、呼名されなかったその方は娘さんに上記のセリフを発し、更に物悲しげな表情を見せ「貴女ももう帰るの?」と問う。

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 私が手伝っているNPOが、小規模多機能施設(単純にいえばお泊りの出来るディサービス)を併設して2ケ月目に入った。そこは本家から分家したような形で開設されたので、双施設共に定員を割り、交流を深める意味もあって時に午後の1~2時間訪問し合同で過ごす。本家は古アパートの一階部分を改装した物だが、ここは平屋全体をリニューアルし、ユッタリしてモダンな建物でアメニテイ的には抜群なのだ。幾多の期待を背負って発足した新施設は、果してご本人・ご家族双方のニードを等分に満たしてゆけるのだろうか?

 介護保険制度がスタートして10年余。今やこの制度なしの日本は考えられないし、そもそもが近未来を見据えての発足で「歩きながら考える」システムとも言えた。今その恩恵に浴している世代は時代の波をモロに被った人々といえよう。彼等は「親世代を看取ったのに、私達は今他人の手に委ねられようとしている」と感じられているでわ?。かって私も、老い・病んだ母を看る為何度も故郷の病院や施設を往来した。帰り際私の心はいつも乱れた。その方の視線は宙を浮いた母のソレと重なって切なかった。しかしどう身構えようにも今の今を精一杯生く・行くことしか出来ない。

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